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学校内の迷宮(ダンジョン)  作者: 蕈 涅銘
9章 砂漠エリア
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151話 赤月の迫る夜

現在目の前の錬金術師はアクアを気持ち悪い程キラキラとした目で見ている。


「流石にアクアはやれないが、この子の一定期間で生え替わる鱗や牙なら多少はあるぞ?」


俺達もアクアと出会ってそんなに日付けは経っていない。

その為、俺達が持っているアクアの素材の在庫もあまりない。


「ああ、十分なのだ」


しかし、目の前の錬金術師は嬉しそうに頷いた。

俺達はまだどの程度あげるとは言っていないし、アクアはまだどう見ても幼体であり、まだ身体も未発達……それに加えて今までに取れた素材の数なんて高が知れている。


「これだけしか無いが良いのか?アクアはまだ幼体で鱗や牙もまだ脆いぞ?」

「これで良いのだ。未知のモンスターの素材を研究出来るだけでも有り難いのだよ」


俺がその場にアクアの鱗と牙を山積みにしておくと目の前の錬金術師は飛ぶように喜びアクアの素材を自身の胸元に仕舞い込む。


ずっと思ってたがあいつの胴装備には恐らくマジックバックの機能が付いている様に見えた。


そして、よく見ると全身マジックアイテムっぽいな。俺には分からないが。

だが、そんな気がする。


「こんな凄い物を貰ったならばワタシは君達に礼をしなくてはならないのだ私の家に案内するのだ」


どうやら目の前の錬金術師は俺達に礼をしたい様だ。

それにしても謎の人物だ。この人が強いのは分かったが、錬金術師がここまで何を求めて来たのか……。


素材が欲しいのならば冒険者などに依頼をするなりはできる筈だ。

そして、この錬金術師はアクアを見て初めて見る……つまり、未知のモンスターと答えた。


やはりアクアは突然変異の珍しい種類なのだろうか?


「ここら辺で良いのだ」

「え?」


目の前の錬金術師が止まった場所は何も無い砂漠のど真ん中と言っても差し違いない場所だった。


「ワタシは定住はしていないのだ。常に欲しい素材がある場所で寝る事が最効率だと思ったいるのだよ。まぁ、いつもは野ざらしなのだが、君達がいると言う事で今回はサービスするのだ」


おいおい、いつもは野ざらしとかこいつ正気かよ?

目の前の錬金術師はそそう言うと胸元から粉を取り出して再び両手を掲げて錬金術を発動させ一瞬にして箱型の家を作り出した。


そして、その家に何かの石を嵌め込み、胸元から色んな工具や器具を取り出して行く。


こいつやべえな。即席で鍛冶場の様な場所と部屋を作り出したぞ。

そして、俺達が中に入ると俺達は驚きの声を上げる。


「涼しい!」


何だ?室内の温度がかなり涼しいぞ?電気はない筈だから何かの魔道具か?


「君達が驚くと思っていたのだ。これは魔導冷気放出機構と言って、暑い場所を涼しくする事が出来るのだよ。そして、何より今ここにはバリアが張られているのだ。防衛機構を付けるとマナ効率が悪いから敵が攻撃すると音が鳴るようになっているのだよ」


目の前の錬金術師が言った言葉に俺達は唖然とする。

ハイテク過ぎるぞ……こいつ、装備品だけで無くて魔道具も作れるのか……。

そして、未だに目の前の錬金術師は未だ名前を名乗っていない。何か理由があるのだほうか?


「まぁ、元々君達は家に入れる予定だったのだよ。思わぬ戦利品が手に入ったからワタシは満足なのだ」


目の前の錬金術師は驚いて言葉も出ない俺達に言葉を続けた。

俺達を元々家に入れる予定だった?どう言うことだ?


こいつ俺達の目の前のタイラントデスワームを倒した瞬間そそくさと去ろうとした様な気がするんだが……。


「まぁ、時間的にもそろそろだし分かるのだ。外を見て見るのだ」


目の前の錬金術師は初めて俺達の目の前でかけていたゴーグルを外して外を眺める。

錬金術師の外したゴーグルからは細い三白眼の目が覗き、その眼を更に細めて外を見ろと俺達に言っている様だった。


そして、俺達は外を見る……。



そこには、真っ赤に染まった月から光線のようなものが階層全体に伸びており、地面は様々な色に輝きながら煙を上げていた。

なんだ!?あれは!!!


「赤月の時間なのだ。対策をしていないと中々厳しいと思うのだ」


俺達はその光景を眺めて色んな事を考えていた。


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