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学校内の迷宮(ダンジョン)  作者: 蕈 涅銘
9章 砂漠エリア
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149話 生息地とモンスター

「シャアア!!!」


バジリスクはアクアに首を掴まれた状態で毒ガスをアクアに対して吹きかけるが、元々状態異常耐性が高く、軽減能力も付いているアクアにはバジリスク程度の毒ガスは効かない。


「キュイイ!」


毒ガスを吹きかけられたアクアは一切動じず掴んだバジリスクの首元をそのまま上空に投げ、キラキラと輝く巨大な水玉を吐き付けた。


「……!?」


バジリスクは何かを叫ぼうとしているが、水玉の中ではその声が俺達に聞こえる筈は無い。


(バン!)


そして、その直後だった。破裂音がして、水玉が割れ、霧状となったミストが俺達に降りかかりバジリスクは水玉が破裂した衝撃波でダメージを受け、所々鱗の隙間からは血が出ている。


そして、それとは別に俺達の眩暈や吐き気は徐々に収まっていき、重光が状態回復魔法を唱え俺達は復帰する。


アクアのあの攻撃は軽減能力であるオリヴィエを含んだ攻撃だ。

敵と感知した相手にはバフ効果を軽減し、味方と感知した仲間にはデバフ効果を軽減すると言う中々御都合主義の効果をもたらすかなり強力な攻撃だ。


しかも、破裂した時の衝撃でバジリスクを瀕死に近い状態まで追い込んでいる。

威力の面でも申し分無い。


前も言ったがアクアは成長すると恐ろしい強さになりそうだ。


俺達が武器を構えてアクアに加勢しようと思ったが既にバジリスクはアクアに地面に脚で縫い付けられており、アクアの顎でガブガブと肉を食い千切られていた。


アクア……あいつ、バジリスクの喉元の毒袋もガブガブしてるけど大丈夫なのかな?


まぁ、美味しそうに食べてるから何よりなんだけど……バジリスクはトカゲって言うより蛇だから味はそれなりに美味そうだな。


いや、それよりも、アクアの周りにはバジリスクの喉袋を食い千切った影響かもくもくと毒ガスが溢れ出ている。


あれだったら俺がオリヴィエを使う等をしないと近づけないだろう。


「キュイイ!」


するとアクアが何かを感じたのか纏っていた軽減能力のドームを解き放ち周りに立ち篭っていた毒ガスを一斉に浄化した。


成る程……オリヴィエにはこんな使い方もあるのか……俺はオリヴィエの能力は使えるが正直エンチャントの能力がメインでオリヴィエはあまり使う事がない為か、使い方も良く分かっていない。


その辺はアクアがメインなので、参考になる事は多い。


もしかしたら、俺も先程のアクアが放った水玉の様に、相手のバフや状態異常を軽減する炎を放つ事も出来る様になるかも知れないな。


バジリスクの死体を片付け……とは言ってもアクアが殆ど平らげてしまったのだが、俺達は砂漠を進む。


しかし、ある事に気がつく月の色が変わっているのだ。


夜が近づくにつれて、日が暮れるのでは無く地平線の向こうに見えるオレンジ色の月が段々と赤く染まっていくのだ。


これに意味があるのかは分からないが、何かあるのは間違い無いだろう。


だが、ここで事件が起こる。


(ゴゴゴゴゴ!)


突如辺り一面の地面が隆起し、地震が起こる。

うわ……来たよ。

もうみんな知ってる……奴だ。


「ギイイイイ!!!」


そう、タイラントデスワームである。

しかし、今目の前にいるタイラントデスワームは俺達が知ってるタイラントデスワームの姿では無かった。


色は毒毒しく、身体には甲殻の上から分厚い鉱石を身に纏っている。


しかも、今タイラントデスワームは俺達の目の前におり、どうも逃げられる状態じゃない。


そして、タイラントデスワームの身体からは紫色のガスが湧き出ており、どう見ても毒とかを持っていそうだ。


タイラントデスワームは住む環境によって姿や特性を変えるのか……?

間違い無く目の前にいるタイラントデスワームはスパイルが倒した個体よりも強いだろう。


「ギイイイイ!!!」


タイラントデスワームは俺達を見て叫び声をあげて口元に毒液を溜めた。

嘘だろ!?タイラントデスワームは酸も吐かなければ、毒もない筈だ。


しかし、目の前のタイラントデスワームは俺達に対して毒液を吐こうとしている。


おいおい、ただでさえ逃げる距離を稼げそうに無いのに毒液なんか吐かれたら詰みだぞ!?

オリヴィエで防げれば良いんだが……。


あの時はフォルトがいたから逃げられたものの今はフォルトはいない。


戦うしか無いのか?

俺達がそう思った時だった!


「ギイイイイアアア!?」


突然タイラントデスワームが悲鳴をあげて身体を逸らし、頭の所をよく見るとワイヤーの様な物が引っかかっていた。


「これは中々の上物なのだ」


そして、中々カッコいい青年声なのに口調が残念な感じの声がタイラントデスワームの後ろから聞こえたのだった。







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