145話 体調管理
「ギイイイイアアア!!!」
重光のアクアランスを受けたバーニングドラゴンフライは抉られ続ける肉体の火力を高めながらアクアランスの水圧から逃げようとする。
逃げられる訳が無い。アクアランスの継続火力は高火力である。
ましてや、既にボロボロの状態のバーニングドラゴンフライに受け切れる訳が無い。
しかも、バーニングドラゴンフライの耐久力は低めの筈だ。そこまで硬そうには見えない。
だが念には念を押す。俺は左右に炎と氷の力を込める。
バーニングドラゴンフライ相手に火属性の攻撃は相性が悪い。
もし、重光の攻撃に耐えた場合は広範囲の強力な衝撃波で吹き飛ばすのが無難だ。
「ギイイイイアアア!」
「なっ!?」
「嘘だろ!?内部圧縮属性付与 氷火!!」
バーニングドラゴンフライは重光のアクアランスを受けながらも身体に火炎を纏わせながら横にスライドするように身体を捻転させながら回避するが、バーニングドラゴンフライは俺のアイスバーンによって鳴き声を上げる事無く吹き飛んだ。
「キュイィ……」
アクアが、体にオーラを纏い上空で悲しそうに鳴き全身に纏ったオーラを解除する。
あ、すまん、バーニングドラゴンフライの炎のスリップダメージを喰らわない様にちゃんと準備しようとしていたのね……。
今回は俺がスパイルの戦術を、意識し過ぎたな。毎回の事なんだがアクアの身体能力などをいまいち俺は把握できていない。
アクアは常に成長しており、俺が把握していないだけで本当はもっと動けるかも知れない。しかし、俺達と比べると身体能力はまだ劣っていると思っている。
主に機動力と速度の麺でだが、アクアの攻撃力と耐久力はかなり高い。そして何より一番強力なのはアクアのスキルだ。
それと飛行が出来るのも大きいな、近いうちに俺達と並ぶか上回るのも近いかもしれない。
そして、俺達はバーニングドラゴンフライの死体に近づく。
バーニングドラゴンフライの肉体は焼け焦げており、俺の最期の攻撃で粉砕してバラバラに吹き飛んでいる。
やべえ、やらかした。元々俺達が、こいつに攻撃をしかけたキッカケは食料を得る為だ。
まぁ、バーニングドラゴンフライは中々身体が大きいから、食う所はそれなりにあると思ったんだが……
バーニングドラゴンフライの体は殆どが外骨格で回収出来た中身は少なかった。
まぁ、それでも数十キロ分は回収出来たのは嬉しい。
しかももう丸焼け状態である。
そして、バーニングドラゴンフライの甲殻は耐熱性があり使えそうだった。
しかし、そこで俺の視界が歪み、膝を突く。
あれ?おかしいな?何でだ?まだ、マナ切れはしていない筈だ。
そこで、重光が魔法で水を生成して塩分と共に俺に与える。
そうか……脱水症状か……バーニングドラゴンフライとの戦闘で熱くなり、元々ここの気候が危ないのを忘れていた。
俺はそのまま地面に横たわりぐったりする。不味いな。俺しばらく動けそうにないや。
これ状態回復魔法でどうにかならないの?
その後俺は重光の状態回復魔法で復帰して探索を再開するのだった。
そして、この場所での長期戦は危険だと再認識するのだった。