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学校内の迷宮(ダンジョン)  作者: 蕈 涅銘
8章 森エリア
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114話 巨木

三十四階層に着いた俺達は直ぐに感嘆の声を上げる、、、

「うお、、、でっけえな、、、」

その俺達が見ている視線の先には太さ数百メートルは有ろうかと言う大木とその周りに形成されている湖があった。湿地帯かとも思ったがそうでもないらしい。広葉樹と針葉樹の混合樹林がそれを中心にして広がっており三十四階層は湖のほとりを歩く感じになりそうだ。ん?でもあの湖を抜けたらゴールって事は森エリアの中でも一番距離は短そうだな、、、直線で行ったら本当に直ぐ抜けれそうだ。だが、巨大な中心の木にはここからでも見えるのだが、、、めちゃくちゃ大きなセミが止まっており到底近づける雰囲気では無いだろう。そのセミの大きさは頭から尻尾の先までで恐らく数十メートルはありあんな物に襲われたら一たまりもなさそうだ。ここは無難に湖のほとりを歩く戦法で行こう、、、

「湖の真ん中突っ切ってみるか?」

その矢先だった。添島が爆弾発言をする。いやいやいや、、、お前あのでっかい蝉が見えないの?あの蝉のモンスターはイビュレントシキーダ。大きな巨体で木の蜜を吸っており敵意のある者にはその大きな羽を羽ばたかせて鋭い口で体液を啜りに来ると言う。と言うより奴はかなり水が豊富で勝つ栄養分が大量摂取できる場所でしか生活出来ない為かなり希少なモンスターだ。別に強くは無いのだが俺は戦いたくは無い。それでもその大きさ故に質量の乗った攻撃は十分な脅威と言える。よって奴はギリギリBランクモンスターに入るか入らないかくらいのレベルではあるのだ。だけど、とにかく大きい。倒せない事は無いけど俺は嫌だな、、、蝉特有のあの攻撃あるし、、、湖は浅く簡単に渡れそうだ。

「行くぞ!近道だしあいつそこまで強く無かったはずだろ?」

そうか、、、添島もモンスターの知識あるから分かるのか、、、だがそう言う事はあの攻撃も知ってるわけで、、、

「あの攻撃を警戒してるなら我慢しろ、、、俺も嫌だがこのエリアを数日探索するのと一日二日で終わるののどっちが良いか考えたら分かる筈だ」

分かったよ。行くよ、、、どうやっても知らないからな、、、特に女子達よすまん。重光は大丈夫だと思うが虫嫌いの山西とかあの攻撃で気絶しそうだ、、、

「だけど、、、湖もメガネウラの子供がいるな、、、」

ああメガネウラか、、、渓谷階層ではお世話になったがかなり雑魚の部類に入るモンスターだな、、、その子供って事はヤゴか、、、だがあのメガネウラ程度のモンスターならば気にする必要はないか、、、大丈夫だ問題ない。そして俺達は湖の真ん中を突っ切る事にしたいんだが、、、おふ、、、亜蓮さん貴方ちょっと休みなさいな、、、三十三階層での激しい逃走劇によって亜蓮のマナがピンチだ。この状態で戦闘になるのは避けたい。だがそれで俺は良い策を思いつく。すまん。亜蓮、、、俺達の生贄になってくれ、、、俺は亜蓮に対する申し訳なさを思いながら心の中で謝る。恐らくイビュレントシキーダの特性を亜蓮は知らないはずだ。それならば上手くいきそうだ。これで万事解決だな、、、多分。俺が嫌な事は退避できる。あとは、、、空を縦横無尽に飛ぶイビュレントシキーダをどう俺達が捉えて攻撃をしていくかだ、、、まず動きを止める必要がありそうだな、、、となると、重光に話を通しておいた方が良さそうだ。罠も入念に準備してこそだ。尚亜蓮が生贄になるのも作戦通りだ。それだけは避けられない。イビュレントシキーダの動きを拘束出来ても亜蓮が生贄になるのは避けられないだろう。まぁ、亜蓮なら上手く避けてくれると思いたい、、、イビュレントシキーダの特性を話せば避ける確率は上がるだろうが、何か囮役を断られそうな気がしたから敢えてイビュレントシキーダの特性は教えない。添島もそれが分かっているようで意味深な笑みを浮かべている。亜蓮は自分が先陣を切れる事にノリノリである。明日亜蓮に殴られる準備はしておこうか、、、こうして俺達はいつも通り壁を建設しそこで夜を越したのだった。次の日、、、啄木鳥の肉をいつも通り野菜と痛めて今日は頂く事にした。普通の鳥よりは脂身は少なかったがそれもそれで良い気がする。だが野菜が山菜だけだと苦味が勝ってしまい少し残念な味になってしまうので木からとった少し酸味の効いたフルーツを乾燥させて粉末状にして入れている。フルーツは乾燥させる事によって日持ちするし風味も上がる。これを粉末にして入れる事によって程よい酸味がその山菜の苦味をカバーするのだ。本当に飯が美味いとモチベーションが上がるな、、、!さてと朝食も食い終わった事だしイビュレントシキーダ討伐作戦開始しますか!俺達は拠点を片付けて蝉のいる巨大な木を眺めるのであった。


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