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学校内の迷宮(ダンジョン)  作者: 蕈 涅銘
8章 森エリア
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109話 激レアモンスター

「っ!?」

俺はあまりの眩しさと催涙ガスの煙たさに眉を顰める。ひとまずこの煙を払わねば!

内部圧縮属性付与インプレスエンチャント ウィンド!」

俺は突風を生み出して即座に煙を払い視界を確保する。

「グァ?」

何だあの生物は、、、?あんなモンスタージジイの本でも知らないぞ、、、?いや、単純に俺の記憶から抜けているのかもしれないが、、、いや逆に数千種もモンスターを覚えられると思うか?変異種も含めると数万種だぞ?これでもこの迷宮でジジイが遭遇して来たモンスターだけでだ。恐らくロークィンドに生息している種は全部合わせると数百万種は下らないだろう。もっといるかもしれない。そのモンスターの知識を全部入れろって無理な話だ。と俺は一人で逆ギレしながら目の前の生物を見る。バクか、、、?だが俺の目の前にいる生物の姿は俺達が良く知っている姿のバクでは無かった。どちらかと言えば中国の伝承に近い感じだ。鼻は像のように大きくずんぐりとした熊の様な身体、、、手脚は虎のように著しく、、、尾は牛のように細かった、、、そして身体は金色に輝いており遠くに居ても眩しい位だ。しかし、こんなに目立つ姿をしていればこの階層に来た時点で直ぐに見つけられてもおかしくはない筈なんだが、、、そして、何処かそのバクからは不思議な感じがして、何処か透き通っているような気がした。そのバクは俺達の姿を視認するとものすごい勢いで逃げ出した。

「あっ!待て!」

その速度はスパイラルホーンと戦った亜蓮さえも超えており俺達が追いつける筈も無かった、、、そしてそのバクは空間に消えて行った、、、ように見えた。

(バチッ!)

「ギィィイ!」

何かが硬い物を貫く音がして突如バクの断末魔のような叫び声が聞こえる。俺達は突然の出来事に何が起こったのか理解が追いつかなかった。急いでバクの悲鳴が聞こえた位置に走って向かうとバクは体中を鋭い黒い棘のようなもので貫かれており、既に息絶えていた。

「これは、、、どうなっている?」

俺達はそのバクに近づこうとした瞬間だった。

「止まるのですの、、、出来るだけ直接の接触は避けろと言われていたんだけど、ちょっと欲望に負けてしまうとは、、、不覚ですの、、、まさかこんな所にいるなんて、、、」

何だこいつは、、、バクに突き刺さっていた黒い棘が形を変えて金髪のカールした髪が特徴の美女に変わりその女は俺達に制止をかけて一人でぶつぶつと何かを呟いている。

「あのぉ、、、すみません、、、」

山西が気まずそうに声をかける。お前が気にかけるなんて珍しいな、、、明日は雨でも降りそ、、、

「ゔっ、、、」

山西の肘打ちが俺の横腹を強打する。何で分かった!?今はエルキンドは居ないぞ!俺のそんな思いとは裏腹に目の前の女は、、、

「ん?何?このバクは私に譲ってくれないかしら?まぁ渡せって言われても渡さないけどね」

何て図々しい女だ、、、まぁどうさ俺達じゃ狩れなかった獲物だろうからやるけどさ、、、今俺が知りたいのはそこじゃない。

「いや、そのバクはどうでもいいんだが、、、お前は何者なんだ?」

もう遠回りしてもあれだから単刀直入に聞いた。

「ああ?そう?ありがとう。私は茨燕しえん 査姫さき。一応チーム闇龗で幹部で情報収集とかをやらせて頂いてるわ。それにしても本当に良いのですの?このゴールデンバクは激レアモンスターで滅多に会えるものではないわよ?」

ああ、道理でどっかで見た事あるとは思っていたがそれでか、、、この迷宮に来たばっかりの時だったが後ろ姿だけは見た事があったんだ、、、それで激レアモンスター?何だそれは激レアドロップとは違うのか?ド◯クエで言うメタルキングみたいなものかな?

「あら?その顔は激レアモンスターをご存知無い感じですのね?まず激レアドロップが確定で起こるわ。そしてこのバクの場合はグレードが七段階あってこのバクは上から三番目、、、つまりめちゃくちゃレアよ。因みに激レアドロップは死体の位置にポップするかはドロップ品が出現するまで待つ必要は無くってよ?ではまた会う時があれば良いですわね?一応これでも情報収集は得意なもので、期待してるわよ?以後お見知り置きを、、、」

茨燕はそう言って周りの黒い何かと同一化し、ゴールデンバクと共に姿を消した。本当に嵐の様な女だったな、、、だがチーム闇龗って事はあの闇智の一行だろ?奴ら程の力を持ったグループでも血眼になって探す程のモンスターか、、、本当に激レアなんだろうな、、、ジジイの本にも乗っていないレベル、、、か、、、そしてあの煙は確定演出見たいなものか、、、更には茨燕って言ったか、、、あの女の生み出していた黒色の何か、、、あの能力も気になる所だ、、、俺達はそう思い激レアモンスターの事は頭に留めつつも俺達は足を先に進めるのだった。


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