105話 百コンボだドン!
よし!あと残り五体!俺はそう思っていた。向こうがやけに静かだが俺はもう一体に集中するか、、、今は形成逆転って感じで俺達がアクアと合わせて二体。それに対してスパイラルホーンは一体だ!バフがかかる前にさっさと殺しに行くぞ!スパイラルホーンのランクはこうやってみるとCランク位が適正かと思われる。あのオーラゴリラがDランク相当の強さだ。しかし、バフがかかっていない状態のスパイラルホーンは正直オーラゴリラよりも弱いと俺は思っている。だから総合的強さを加味するとCランクモンスターが適正だと思う。そう考えるとバフがかかっている状態のスパイラルホーンは一応格上の扱いになるだろう。だがもう動きは分かった。スパイラルホーンの喉元を一撃で搔き切ると楽だろう。だが、インプレスエンチャントでも倒れなかった耐久力だ。もしかしたら火事場が必ず発動するように根性のような体力が満タンに近い時は体力がある一定を一撃で下回る事は無いとかそんなスキルも持ってそうだ。スパイラルホーンがそんなにタフには見えないけどな、、、ただジジイの本に火事場の事が書かれていなかったからそんなスキルは無いとは思うんだが、、、
「グルルル!」
仲間を殺されたスパイラルホーンは激昂したのか角をこちらに向けて突進してくる。俺はそこでやっとこいつがインプレスエンチャントを耐えた理由を知る。来たか、、、一撃では倒せないけど仲間がやられたのを見ていなかったのか?それならば迎え撃ってやろう。しかもとびっきりの奴をな、、、俺はそう思いスパイラルホーンの方向に掌を向ける。
「内部圧縮属性付与火」
(ドォン!)
先程より大きな爆炎が起こりスパイラルホーンは堪らず吹き飛ぶかと思われた。成る程な、、、そう言う事か、、、スパイラルホーンは俺の爆炎とぶつかる直前に角からマナを放出してシールドを作ったのだ。だがそれでもスパイラルホーンは全身に酷く火傷を負い立つのもやっとの状態だった。そして力尽きた。最初から二体纏めて吹き飛ばせば良かったな、、、そして、爆炎を放った直後身体が一気に軽くなった気がした。多分最初のスパイラルホーンが様子見をしている時ならばさっきと最初の威力の間くらいで倒せただろうに、、、またマナを無駄に使ってしまった感が僻めない、、、さて、、、と向こうの援護に、、、え?
「よう?そっちはもう終わったか?」
俺が振り返ると添島が俺の真後ろに立っておりやけに亜蓮が興奮している。え、、、お前らもう終わったのか、、、?確かあいつらはスパイラルホーン四体を相手取って居たはずだぞ?こちらの人数も四人とは言え流石に厳しいものがあるだろうとは思っていたんだが、、、
「お前山西がかけた魔法の効果は大体分かっただろ?」
添島が唐突に早く気がつけ言わなくてもわかるだろ?とでも言わんばかりの顔で言った。ちょっと待てよ、、、確か、、、最初は補助効果は弱かったけど時間経過と共に強化されていったって感じはあったな、、、
「時間経過によるバフ加速か?」
俺が答えると添島はちょっと違うな、、、と言い亜蓮の方を説明してやれとばかりに見る。
「百コンボだドン!」
「は?」
すまん真面目に素の声が漏れてしまった。いきなり太◯の達人のド◯ちゃんっぽく言うんじゃねえよ!しかも意味分かんねえよ!
「つまりはコンボ加算だ」
今度は普通に喋るんかい!亜蓮の声のトーンがころころ変わってて怖い。まぁ地球でも周りの空気が凍るような発言を俺と同じ様に唐突にするような奴だったけどよ、、、その似てないモノマネを堂々とやるのはやめて欲しい。と言うか最初から普通に後者の喋り方で良かったよ、、、残念キャラ感が僻めないじゃないか!それは置いといてだ、、、コンボ加算か、、、技とか攻撃の連携が繋がれば繋がるほどバフの効果が上昇するって訳か、、、亜蓮とは相性が良さそうだ。だが、問題は一回あたりのバフだ。それがどれ位か気になるな、、、
「おい、亜蓮?自身の体感では一回あたりどれくらいバフがかかった?」
「うん、そうだな、、、俺は数百コンボ加算さ
せたが三倍近くバフはかかってた気がするぞ?」
おいおいまじかよ、、、まずダブルアップの効果があるにしろだ。数百コンボって所が曖昧だが山西のバフが1.2倍だとしても三倍は六重強化と同じくらいのバフだ。今まで山西が使った事のあるバフの最大が五重だ。勿論山西のあの覚醒モードは除く。しかもマルチは山西が一回でぶっ倒れる程のマナの使用量だ。そして今回のは山西が使ってもまだ山西に多少の余裕はあるようだ。これは亜蓮が強キャラに躍り出そうだな、、、スピードはトップクラスだし、元々火力は出るし、ヘイトも簡単に取れる、、、しかも今回のバフがかかれば更に亜蓮は強化される。だが、逆に言えばコンボを積みにくい添島とかは相性が悪そうだと思ったが多段ヒット攻撃とかでコンボが積めるならば問題なさそうだ、、、だからさっき俺がインプレスエンチャントで爆炎を放った瞬間に体が軽くなったのか、、、だけど正直に言って今回は調子に乗りすぎた。溜め無しでインプレスエンチャントが放てる事が楽しすぎた。しょうがない。うん。俺の残りのマナは既に半分を切っている。
「まぁ、と言うわけだ。素材を回収してさっさと先に進むぞ、、、それと前も言ったけど出来るだけ消耗を抑えてくれよ?また転移碑がどこまで無いか分からねえからな」
添島の言葉にギクッとなったが大丈夫そうな顔を装い俺達は先へと進むのだった。