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学校内の迷宮(ダンジョン)  作者: 蕈 涅銘
8章 森エリア
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104話 上級魔法

焦るな!俺!周りで重光がこちらに気がついたのを確認するが今から詠唱して間に合う訳が無い。避けれない?そんなの今の俺には関係ないよな?何故ならって、、、迎え撃つ手段があるからだ!

内部圧縮属性付与インプレスエンチャントアース

俺は目の前に高さ三メートルはあろうかと言う岩壁を一瞬で形成する。分厚さもかなりのものだ。しかもスパイラルホーンの身体にも岩は付着し拘束する。

(ビキッ)

お、マジか、、、何て馬鹿力だよ、、、俺が作った岩壁は暑さ三十センチは優に超えている。しかもスパイラルホーン自体にも岩が纏わり付いているのにも関わらず岩壁に大きな亀裂が入る。そして俺は気がつくこいつ、、、後半戦になればなるほど力が上がってる?いや違う!体力が減れば減るほど能力が全般的に上昇するのか、、、!そんな事はあの本には書いていなかったぞ、、、まさか、、、またレアな奴か?とも思ったが添島とかが戦っている個体も同じくオレンジ色のオーラを纏って能力が上昇しているように見えるためこれが普通の個体なのだろう、、、どうせあのジジイの事だ、、、ワンパンで仕留めたに違いない。こいつらはワンパンで仕留めてしまえば確かにこの能力も分からない筈だ。でも俺達にそんな火力は出せるはずも無いのだ。だが、今の隙が有れば俺にとっては充分だ!俺は岩壁で拘束されているスパイラルホーンを狙い刀を引き抜く、、、だが

「があっ、、、!」

俺は横腹に衝撃を感じて吹き飛ばされる。バフがかかってる個体じゃなくて助かった、、、そうか相手も複数だったの忘れてたわ、、、ちょっと相手もバフかかるなら厳しいな、、、雑魚だから温存しようかと思ってたが、、、

「山西!補助魔法を!」

「そう言うと思ってね!加算二重強化エイドダブルアップ 撃速防オーバーマルチ

え?何その技、、、俺知らないんだけど、、、山西がその技を唱えた瞬間いつも通りバフがかかる。え?ちょっと待て、、、これ普通にダブルアップ位のバフなんだが、、、何か名前を変えただけか、、、?

「ふふっ!この技はね!制御こそ難しかったけどマナ消費量も削減出来るし一回かければ中々良いわよ!」

山西が含み笑いをしながら言う。ちょっと待て!そりゃそうだろ、、、二重分しかバフかかって無いからな、、、しかし重光は目を見開いている。どうした、、、

「上級、、、魔法、、、」

重光の言葉に俺は驚く。そんなバカな、、、こんな魔法が?あのエルキンドのウッドゴーレムでさえ中級魔法だぞ!?しかし、文句を言ってもしょうがないので俺は俺を吹き飛ばした個体を見る。

「グルルル!」

チッ、、、岩壁に挟まってた奴も出てきたか、、、体力を減らすと奴らは強くなる、、、それならバフがかかってるあの個体から集中して倒すか、、、っ!?横を見ると山西がスパイラルホーンに向かって槍を持って突撃していた。おいおい、あいつは馬鹿か!山西の身体能力で自分から突っ込むのはほぼ自殺行為だ!だが俺がそこに注意を割いたのもつかの間スパイラルホーン二体がこちらに向かって攻めてくる。スパイラルホーンは全部で六体、、、俺達全員一体ずつ相手すれば良い感じだ。だが重光は前衛だと戦えないし山西も一人では厳しいだろう。だから必然的に向こうは亜蓮と添島がヘイトを稼ぐ事になる。そうなると俺は二体相手は妥当か、、、それなら、、、

(アクア!バフがかかってない方の個体を足止めしておいてくれ!)

「はぁぁあ!」

(キィイン!)

俺の刀がスパイラルホーンの角とぶつかり合う。もう一体の個体はアクアが空中から引きつけてくれている。噛み付くなよ、、、?バフかかるから、、、アクアは赤ちゃんにしては強くて頼りにはなるが、まだ能力値は低い。中途半端に攻撃はしない方が良いだろう。今回に限ってはオリヴィエを使っても良い気がしたがアクアの性格からして何故かこのままでは俺達が不利と思える相手にしか使ってくれない。俺と違って慎重なのだ。ちゃんとマナの配分を考えて使っている。だが、それでも俺が言えた事では無いが使った方が良いと思う、、、何故なら結局俺が消耗するからだ。アクアが節約をする事によってアクアは消耗しないが俺が消耗する。それは勘弁して欲しい。うん完全な自己中だわ。インプレスエンチャント一、二発しか撃たない戦いで使うよりは五、六回、、、または強烈な敵の攻撃がある戦いで使った方が良いな、、、うん。アクアくん。君が正しい。それにしても不味いな、、、刀ってあんまり打ち合える武器では無いんだよな、、、と思いつつもう一本の刀を俺は引き抜きスパイラルホーンの首を狙う。スパイラルホーンは角を片方の刀で押さえられておりまともに動けないと思われた。だが!

(カキン!)

奴は脚の蹄で俺の刀を弾いたのだ。強烈な蹴りに俺はよろめく。しかし、俺はそこで気がつく。さっきより俺にもバフがかかってる?ほんの少しだが俺が動きを重ねるにつれて動きが良くなって行く実感があった。そして、このギリギリの速度の違いが勝負を分けた。よろけた俺に向かってチャンスとばかりにスパイラルホーンは角を突き出す。だが、俺はすぐさまスパイラルホーンの懐に潜り込んで腹を刀で切った。インプレスエンチャントを使えば沼地エリアで試した研磨も出来そうだったがまだ、刀は大丈夫そうだった。残り五体。そう思った俺だったが実際はもうこの時にはスパイラルホーンの残党が三体を切っている事を俺が知るのはもう少し後のことである。


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