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学校内の迷宮(ダンジョン)  作者: 蕈 涅銘
8章 森エリア
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101話 特殊効果付き装備

「あらぁ、おはよう!」

俺が目を覚ますと目の前には筋骨悠々とした男がこちらを覗き込んでいた。

「うわぁぁぁあ!」

俺はあまりの悪夢に叫び声を上げる。

「ちょっと待ってよ、、、どうしたの?身体でも痛いの?」

いや、戦犯はお前だよ!いきなり騒がしい朝か始まった。それで、何でこいつがここにいるんだよ、、、しかもこいつ包帯ぐるぐる巻きだしよ、、、それは良いんだが取り敢えず俺の部屋から出ろ。朝から落ち着けない。その旨を伝えると尾根枝は理由をせびってきて面倒くさいので放置して次の階層に進む準備を進める。そして、準備が完了した俺はそそくさとその場から立ち去るように広場に集まる。後ろから待ってぇぇえ!とか言う気持ちの悪い声が聞こえるが聞こえないふりをする。そして、俺達全員と尾根枝は対面する。

「あ、この人、、、草原階層の下見の時にいきなり居なくなった人か、、、」

亜蓮が言う。思い出した。そう言えばそうだったな、、、懐かしい。尾根枝は確か、、、極度の方向音痴の癖に自分の気配や姿を自由に消したりする固有スキルを持っていたんだっけな、、、オンオフ切り替えが出来るのなら戦闘中以外は切っておくべきだとは思うんだが、、、多分尾根枝は能力を切り替えできる筈だ。何故ならば今こうして普通に話せていたりするからだ。恐らく尾根枝は迷宮に潜る時だけあのスキルのスイッチを入れているのだろう。あいつには適度なタイミングと言うものが存在しないのだろうか、、、?まぁ、いいや。

「ふむ、尾根枝も起きておったか、、、じゃが尾根枝は少し休んでおれ、、、何かまた嫌な予感がするのじゃよ、、、リベンジはもう少し後にしておれ、、、あやつとはお主の相性が悪い。せめてソロで攻略するのはやめて欲しいのじゃ、、、昔ソロで攻略したワシが言うのもアレじゃが、、、」

ジジイが言う。だが、

「もうあいついないぞ」

ふと見るとまた尾根枝の姿は無かった。何かまたどこかで会う予感がするんだよなぁ、、、尾根枝は確か極度の方向音痴だ。恐らくジジイの言っていたのと尾根枝の怪我からして何となく今回の事は理解した。多分尾根枝がボスか何かに挑んで負けたのだろう。そこをジジイが発見して治療したんだろうな、、、尾根枝の実力は未だ未知数だが俺達より強いのは確かだ。その尾根枝が負ける相手か、、、尾根枝のスキルって姿と気配は消せるけど存在は消せないもんな、、、見えなくても何処かに行ったとかいるんだろうなぁ位は分かる。そこを上手く突かれて負けたんじゃないかと推測出来る。例えば何処かに敵がいてその尾根枝が攻撃するタイミングを予測して攻撃するとか尾根枝が何処に隠れていても当たる位の広範囲攻撃をぶちかますとか、、、色々策はある。だが実際どうやって尾根枝がやられたのかは分からない。

「はぁ、、、また行ってしまったか、、、まぁ、何かあったら定期的に連絡は来るから良いのじゃが、、、お主らも死にそうになったら戻って来るのじゃぞ、、、これが新しく改良した装備じゃ、、、」

ジジイはやれやれ、、、という感じで項垂れながら俺達に装備品を手渡す。俺の防具は胸の部分に還元石が埋め込まれておりその中心部から淡く光る線が鎧全体に伸びており関節部分には輝線布が多少使われているのが分かった。ジジイ何気に考えて全員の装備品に組み込んだのか、、、そして淡く光ってるって事は還元石は多少のマナを放出しているっぽいな、、、定期的に少量のマナを生産して放出しているのか?どちらかと言えば生産してマナを繋ぐようにバイパスを巡らせているだけなのだが安元にそんな事は理解できなかった。そして添島の装備もキングオーラゴリラの甲殻を使って更に強度を高めている。亜蓮、山西も輝線布を多少使ってあるようだ。輝線布ってのが有るって事は輝線布の鉱石版もありそうたな、、、それだと大幅に戦力強化出来そうな物だが布でさえキングオーラゴリラの激レアドロップだ。ここら辺の敵から手に入る訳が無いか、、、そして重光だ。重光のローブは全体にふんだんに輝線布を使っておりロッドの持ち手の部分にも輝線布を使って有る。あれ?これもしかして魔法使ったら恥ずかしい奴じゃね?プ○キュアかな?いやどちらかと言えば魔法少女に近いな。あながち間違っていないが、、、だがジジイも流石にそれは考えていた様で輝線布の上に別の素材を合成したりして強度を高めている。目立つと言うのは迷宮探索においてデメリットになる。他の素材と混ぜたら輝線布の効果が落ちるのかと思ったがそうでも無いらしい。割と万能の素材だな、、、

「重光、、、ちょっとマナを込めてみてくれないか?」

俺がそう頼み重光がマナを込める。うん。やっぱり魔法少女だわ。重光のマナに反応しローブが浮き上がり淡く光る。何か凄い。だが思っていたより地味で安心した。最初はマジでイルミネーションみたいで焦ったからな、、、流石ジジイだ。いつも実用的重視の装備に感謝したい。そして何より仕事が早い。そして軽装備でも一応中に護身用のプレートは入っておりそれなりの強度を誇る。皮もグリフォンの皮とあってかなりのダメージを吸収してくれる。あ、今度アクアの装備も作って貰おう。すくすくと成長していくアクアだが装備が無いよりは良いだろう。アクアに聞くとん?別にどちらでもって反応だったけどな、、、可愛い奴め。因みにアクアの体長は既に三メートルを超えて立派に育って来ている。そして俺達は新しい装備を身につけて三十一階層に転移したのであった。


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