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学校内の迷宮(ダンジョン)  作者: 蕈 涅銘
8章 森エリア
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100話 アイテム解析

「おお、、、戻っておったか、、、」

ジジイは疲れた表情を隠すようににったりと笑った。絶対何かあったな、、、?それに先程は遠目に見た感じ少し汚れていると思っていた鎧は焦げているのか、、、?近くで見ると焦げている様にも見えたが詮索するのはやめておいた。先ずはあのアイテムの事だ。

「ちょっとジジイに見てもらいたいものがあったんだが、、、」

俺がマジックバックから例の大きな布切れと石ころを取り出すとジジイはどれどれとか言いつつ素材を見始めた。

「なるほど、、、お主ら気螺大猩々を倒したのか、、、」

ジジイは納得したかの様に首を降り始めた。今更なんだがジジイに見て貰うよりも鑑定スキル持ちでロークィンド出身のエルキンドに見て貰う方が良かった気がするけどジジイでも分かる品の様だ。あ、固有スキルの件も伝えておくか、、、

「それとなんだが、、、ジジイが言った固有スキル、、、山西と亜蓮のスキル違ったぞ、、、俺達から素材を見せといて何だが今回は本当に素材の解析は出来たんだろうな?それと俺達の燻製肉を勝手に食わないで欲しい、、、」

ジジイは最後の言葉でギクッバレておったか!みたいな分かりやすい仕草をして完全に空気が白けたのを見て普通に話し始めた。

「そうか、、、エルキンドと会ったんじゃな、、、まぁ、今回に至っては問題ないわい、、、固有スキルとかは事前知識がいるが素材とかも、、、事前知識はいるのぉ、、、」

ジジイはショボンとした感じで言う。ダメじゃねーか、、、

「じゃが、大体の効果とかは秘められたマナの質やこの迷宮で培ってきた経験で分かる。どうしても分からない時はエルキンドに問い合わせをするまでじゃ」

おい、、、今普通にこいつエルキンドを鑑定業者みたいな言い方しやがったぞ、、、だがジジイの言葉も実際間違っていないのだろう。伊達に長年ここで生きている訳では無い。もはや、ジジイは元の世界、、、地球よりもこちらの世界で暮らしいる時間の方が長い。つまり実質ロークィンドの住民と言っても差し違いは無い。それで?そのアイテムは何なんだ?ジジイは俺のその視線を感じ取ったらしく、、、

「そうじゃの、、、これは中々いいアイテムじゃよ、、、まずこの布切れは輝線布と言うものでな、、、こうすると、、、!」

ジジイは咄嗟に布切れを掴みマナを込める。すると、、、

「おお!」

布切れの中の繊維が綺麗に輝き出したのだ。その輝きは様々な色を放っており繊維の一本一本がイルミネーションの様な輝きを放っている。だが、ただ光るだけか、、、?それだとただ目立つだけだとは思うんだけどな、、、俺がそう思っていると重光は何かを理解したようで目を見開いている。

「お、重光は気づいた様じゃな、、、これは魔力や闘気を通しやすい布じゃよ、、、これを使えば多少は魔力や闘気の制御がやりやすくなるじゃろう。じゃがあくまで効果は補助的な程度じゃの」

ジジイはそう解説した何それ凄い。つまり空気中や腕とかでマナを練るよりもこの布切れを通してマナを練った方が効率よく変換出来て尚且つ制御も楽って訳か、、、それ俺も欲しいけど重光にあげるのが得策な気がする。今更なんだが据え置き魔法で俺が理解している事を言えばメリットは重光の場合マナはほぼ無限に回復する様なものだ。だから全力の魔法を合体させて強力な魔法を放つ事が可能で制御も楽だ。だけど並立詠唱と比べて無茶苦茶時間もかかるし、敵に魔法を事前に察知される上に重光以外だったらメリットは無いだろう、、、重光だからこそ全力の魔法と全力の魔法を合体させられる訳であって普通の人は全力の魔法一発でマナは空になるので無理である。重光の固有スキルが据え置き魔法を使うメリットを生み出している。多分ロークィンドとかでは据え置き魔法を使う人はいないと思われる。練習で使う事はあったとしても少なくとも実戦で使う事は無いだろう。それをするくらいなら並立詠唱を覚えるか複合魔法の精度を上げた方がマシだ。話が逸れたが何が言いたいかと言うとこの布切れがあれば重光が並立詠唱と据え置き魔法を使い分ける事ができるかもしれないと言う事だ。それは俺達にとって大きなメリットになる。

「そして、こっちじゃが、、、これは中々凄いのう、、、これは還元石と言うものじゃよ、、、これも似たような物なのじゃがエネルギー変換を効率かすると言えば良いのかのう、、、何と言えば良いのか分からないがマナを直接操作出来る管轄範囲が増えるって言うものじゃよ。それでもこれは還元石の中でも一番ランクの低いものじゃがな」

ん?つまりどう言う事だ?ジジイは俺の方を見ているから俺が使うとメリットが大きいのだろうが、、、っ!?俺のエンチャントは直接何かに触れないと発動出来ないというデメリットを持つ。つまりこの還元石を使えばマナの遠隔操作が楽になるのか、、、!?そしてあの燃費の悪さを多少抑えられる。実際は更に応用が利かせやすくなるという事なのだが俺は勘違いしていた。それでも俺が思った事もあながち間違いでは無い。

「まぁ、これはそれぞれの装備にくみこんでおくわい。お主らは誰に持たせるのが適切か位はもうわかっておるじゃろう?ああ、それとこれは燻製肉を食べてしまった償いじゃよ」

ジジイはそう言って俺の手にある物を握らせた。俺は手を開くと一枚の羽根が渡されておりそれからは強烈なマナの力と熱気を俺でも感じる事が出来た。そのアイテムが何を示すのかは俺は分からない。そして、ジジイが先程まで何と戦い何に疲弊したのかは分からないまま俺達は夜を越したのであった。


遂に100話突破しました!ありがとうございます!今回のジジイが何をして来たのかは後々分かる筈です。覚えている人がいらっしゃれば懐かしい人物かも知れません。最近アクアが裏役に回っているのでもう少し出してあげたいですね笑

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