女子高生は勇敢です
初めまして!
むーりちと申します。
ぜひ読んでくださったら嬉しいです!
「ただいま〜…」
家に帰ってきたのは22時。今日はいつもより早く帰れた、かな?
「遅い」
私には付き合って3年の彼氏がいる。
彼氏、といっても別に好きでもなんでもないけど。
あ、いや、昔は好きだった。
彼氏が浮気ばっかりするせいで冷めちゃった、けど別れることも出来ず今に至る。
まぁ、嫌いではないよ?
ただもう一緒に居たくないだけ。
「うわっ、もうビールねぇのかよ。
莉朱ちょっとコンビニでビール買ってこい。5本な」
…前言撤回。
やっぱ嫌い。
帰ってきたばっかりだというのに私、鞠本莉朱26歳、コンビニに1人で行きます。
「さむっ」
冬の外は想像より寒くて、収入をギャンブルに使われてしまって手袋も買えない私はポケットに手を突っ込んだ。
うぅ…早く暖房の効いたコンビニに入りたい…
そう思いながら信号が青になるのをじっと待つ。
となりにいる女子高生も寒そうにしてるよ…
てかお嬢さん、子供がこんな時間に出歩いちゃダメだよ?変な人は多いんだから…
「よお、そこの嬢ちゃん」
ほーら来た
その不審者変態男(?)が女の子の肩を掴もうとする。
私も女の子を守るために、男の手を掴もうとする。
が…2人のその手は空を掴んだ
そして、眩い光がぱぁっと足元から出てくる。
なになになになに
こんなファンタジックなの、漫画でしか見たことないよ
そう思いつつ思い切り目を瞑る。
次に目を開けるとそこは大きなお部屋でした…
「目を覚ましましたか。召喚成功だな」
わお、イケメン
じゃなくて!!
何、しょうかんって。
私、漫画好きですよ?でもそんなことが本当に起こるわけないじゃないですか。
「え〜っと…」
情報を整理しよう。
私、さっきまで信号にいたよね?
女の子が変な人に絡まれて…って、良かった女の子も無事みたい。
隣でちょうど目が覚めて起き上がってる。
今いるのは豪華なお部屋。
傷なんて付けたら首が飛ぶぐらい高そうだよ
「1つ聞きたいんだが、お前はなんだ?」
イケメンが話しかけてくる。けど
ソレキキタイノコッチデスケド
「おいルーカス。そんなに近づくと女がびびる」
あのイケメンルーカスっていうんだ。
てかなんか常識人出てきてくれたよようやく
「あとそれと…その女は聖女ではなくただの炎の使い手に過ぎない」
ただの…炎の使い手…
炎の使い手、とは?
というかあのおじさん全然常識人じゃなかったよ
「だが彼女は…聖属性だ。」
あの常識人風おじさんが顔を向けたのはあの、女子高生。
あーやっぱこれ、異世界?
だって異世界漫画の相場だよね、聖女様は可愛い子って。
女の子はさっきからビクビクしちゃって何も話せてない。
「じゃあさっさと治して貰おうぜ。」
とルーカスさん。
そのまま何処かへと行ってしまった。
「おい!待てと言っているであろう!
…まったく。
おぉ、紹介がまだじゃったな聖女様。儂の名はドニック・パニッシュじゃ。気軽にドニックと呼んでくれ。」
こちらには顔も向けず女子高生にひたすら話しかけるその顔はあの信号であった不審者変態男より気持ち悪い
「それと…今から汚れた者を連れてくるがあまり怯えないでくださいな」
その言葉とほとんど同時にさっきルーカスさんが出てったドアが勢いよく開いて、生臭い匂いが鼻いっぱいに広がった。
そう、ルーカスさんが抱えてたのは血だらけの、人。いくらなんでもこれを女子高生に見せるのは酷だよ
「これは先日の戦いで魔物に毒を入れられた戦士だ。さあ聖女さんよぉ、コイツに向かってヒーリングって叫んでくれ。」
…ルーカスさんって、めちゃめちゃな人ですね
無理でしょ、これ。
どんな漫画の聖女様もお手上げだよ
私はそっと女の子に近づいてその背中に触れる。
「あの…私…」
さっきまで震えてた女の子は今、落ち着きを払い、静かに言った。
「私…やります。」
ここまで読んでくださりありがとうございます^^*
これからも更新を続けられるように頑張るので応援よろしくお願い致します!