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志望業種は――魔法少女で!  作者: 竹内緋色
the 3rd show
54/90

3rd contact はじめてのであい

3rd contact はじめてのであい



「お待ちください」

 チョーカーに手を伸ばした私をリナが制止する。

「ここ最近ワームの出現が勃発しておりますので、わたくしが行きますわ」

 すると、リナはためらいもなくチョーカーに手を伸ばし、薬物を血管に注入するためのボタンを押す。

「あっ。いやぁんっ!」

 リナはあられもない声を上げる。そして、チョーカーの周りから、首筋、顔の半分にかけて不気味に血管が浮き上がる。まるでホラー映画で仲間が急に怪物に変身してしまう時のように私には思えてしまった。

「行きますわ。3型」

 リナの掛け声とともに、紫色の魔法少女衣装がリナの体を包む。スカートは長めであり、初めて目にするタイプの魔法少女衣装だ。

「インプット!戦姫!」

 宙に浮いていた機械の鎧は一斉にリナの体に向かって行く。磁石で鉄を引き寄せるようにリナの体に吸い寄せられて行った。

「ふぅ。はぁ。はは。最高」

 リナの雰囲気が変わってしまったことに私は眉をしかめる。たしかに、副作用としてそのようなこともあり得るが、その影響は小さなもののはずだった。これほどまでに雰囲気が変わるなどあり得ない。故に私は気のせいであるということにした。

「さあ、行くわ」

 リナの速さは驚くべきものだった。先ほどまで目の前にいたはずのリナはもう目に見えない所まで移動している。

 私たちタイプセンキは箒を持ってはいない。空中移動が難しい。出来ないことはないが、容量を武装に取られてしまっている影響で、箒は使えないのだ。

「私たちも追うぞ」

 ここから移動するためには魔法少女に変身しなければならない。私は再びチョーカーに手を伸ばす。

「その必要はないと思うで」

 そうマリが告げた瞬間――

 夜空に大きな影を落としていたワームはパラパラと体を崩して消えていった。


「昨夜は戦闘の影響で眠れませんでしたの。はぁ~」

 リナは大きな欠伸をする。薬物の影響で興奮してしまい眠れなかったのだろう。私はリナに休むことを進めたが、リナは断固として聞き入れなかった。

「わたくし、思いますの。ワームを誰が操っているのかは分かりませんけど、きっとこの町に何かがありますわ」

 私はその言葉にゆっくりと頷く。

 ワームの出没期間が短すぎる。それは近くに魔女が存在していて、魔女が魔法少女の接近を拒んでいるということだと私は考えた。

「ハザードワームをつこてるんも説得力ある答えやな。でも、そうなるとますます手の内が読めんというか」

「どういうことだ」

 マリは私の問いに肩をすくめる。

「なんやな、そうほいほい不用意にワームを出されると、アホなんちゃうかと思うで。だってな、わたしはここにいますってのを高らかに宣言しとるもんやないか」

「では、陽動という可能性が高いか」

 包囲網から逃亡者に接触したという連絡はない。しかし、魔法を使い、包囲網をかく乱したという前科があるので、注意が必要だった。

「逃亡者たちは一体何が目的で逃げているのでしょう」

 リナの言葉に私は直接逃亡者を目の当たりにした時のことを思い出す。

 鷺宮の跡地の結界に私は乗り込んだ。魔法天使や他の魔法少女たちとともにであった。

 そして、最後の部屋で私たちは二人の少女を目の当たりにした。一人は気の弱そうな魔法少女。そして、もう一人は見ただけでも格上と知れる魔女だった。どう見ても弱そうな魔法少女と魔女は満身創痍で、こんな弱そうなやつが強大な魔女に立ち向かっていたというのは驚きだった。

 なにより、二人は仲睦まじく抱き合っていた。

 だから、私は言った。

 何をしているのか分かっているのか、と。

 しばらく経って、私たちは魔女と魔法少女に攻撃を加えた。魔女と仲良くしている時点で裏切り者だと判断されたのだ。

 しかし、魔女は魔法少女をかばって攻撃を受けた。無傷であるのには驚いたが、その後、魔法天使が魔女に攻撃を加えた。倒れた魔女を魔法少女がかばい、魔法少女をなぞの男がかばった。

 その一部始終を見ていた私には何が起こったのか分からなかった。こいつらは何がしたかったのか理解に苦しんだ。

「少しも理解できない」

「まあ、どうも逃げるんだけが目的みたいやけどな。エボルワームを安全な場所に隠して、あとは時間稼ぎかいな」

「そうなると、エボルワームはここにはないことになりますわね。他の部隊は大丈夫かしら」

 逃亡者を追うということとエボルワームの捜索は同時で動いていた。魔法天使はエボルワームを追い、私たちは逃亡者を追っている。けれど、まだ少しも成果は出ていなかった。

「なんや、変な感じがするなぁ。なんか見落としとるような」

「どちらにせよ、逃亡者を捕まえればはっきりする」

 私は甘い匂いを嗅いで、すぐさま近くのマリの服を掴む。

「なんやねん。まだ食いもんのところにたどりついてへんのやけど」

「辿り着けば食べるだろう。こうやって危機感を募らせているところに、お前は――」

「しかし、この寂れた町には隠れるところがたくさんありますわ。見ていると空き家も多いようですし。これでは時間がかかりますわ」

 確かにそうだ、と私は考える。なにか、逃亡者をおびき出す作戦があればいいが、相手が本当に何を考えているのか分からない以上、手の打ちようがなかった。

「人質を使うのはどうでしょう?病院のあの子たちは人質でしょう?」

 リナの口から物騒な言葉が出てくるので私はドキリとする。私は病院の生意気な女を思い出し、あれが人質の役を果たせるのかと疑問に思う。

「魔法少女を裏切るくらいの奴らだ。今さら仲間が人質になっているというだけで現れるわけがない」

「そうですわね」

 なにもしないよりも人質をとるという方法をとる方がいいと私は思う。けれど、できればやりたくない作戦でもあった。

「それより、観光しようや。折角東に来たいうのに」

「何度も言っているだろう。まずは任務が先だ」

「でも、いつ終わるかこれじゃあ分からへんで」

「そうですわ。もしかしたら、逃亡者さんたちも観光に来ているかもしれませんわ」

「そんなわけないだろっ!」

 そう言いつつも、どちらにせよ、行く当てには困っていた。

「これは観光ではなく任務だ。それだけは忘れるな」

「よっしゃ!やったで!」

「それで、どこに連れて行っていただけますの?」

 そう言われて悩む。この町には本当に観光するべき場所がない。

「そそぎ灘タワーは潰れているし……噴水公園くらいだろうか」

「美味しいもん奢ってくれるなら、それでええで!」

「驕り前提か!」

 まだマリからは昨日のたい焼き代200円ほどを回収できていない。

「160円やったやろ!」

「出世払いの利息だ!」

 そのくらいは貰っても悪くはないだろうと私は考えた。


 奇跡的に残った噴水公園に私たちは来ていた。冬の寒い中なので、それほど人はいないものの、カップルらしき人々が2、3組ベンチに座って楽し気に話している。

「のどかですわね」

「そうやな」

 建物が未だ壊れたままの景色を眺めながら二人は言った。

「わたくしたちもいつか好きな人とこんな素敵な場所を訪れたいですわ」

 素敵な場所、なのだろうか。リナはいつか素敵な場所に戻るかもしれないという願いを込めて言ったのかもしれない。もしくは、私に気を使ったのだろう。だが――

「リナ。私たちは――」

「分かっていますの」

 リナは悲し気に呟く。

「きっと、言ってしまってはいけないのでしょうけど、一度魔法少女になってしまった以上は。けれど、どうしてわたくしたちは長く生きられないのでしょう。わたくしたちは――」

 いずれ、監視対象のような姿になる運命だった。魔法少女になった以上は、ワームに心を食われるか、もしくは現実と空想との境目を失い生活できなくなるか。体が不自由になるのはまだマシな方だった。私はあの終身病院でなんどもそんな姿を見た。魔法少女になる前から、何度も、見ていた。

「嘆いても何にも始まらん」

 マリもまた、寒空のような響きを持った声で言った。

「ウチも自分勝手な奴で、自分に正直屋から、『誰かが自分の代わりに幸せになってくれたら命なんてどうでもいい』なんて思わんし、きっと思ったらいかんのやろうな。でも、決めてもうたからな。ふたりとも、戦姫になるって決めた時点で、もう普通の生活を諦めたやろ。薬物を注入するたびに体は壊れていく。変身したら魔法少女としての寿命を大幅に縮める。もう、前に進むことしかできへん。だから――」

 マリは大きく息を吸った。そして、公園にいるカップル全員に聞こえるように叫ぶ。

「今を全力で楽しもうや!誰かが幸せであることを喜ぼうや!ウチらにはそれしかできへんのやから、それすら精一杯にできんかったら、生きてきた意味があらへんで!」

「声が大きい!」

 私はマリの頭をはたく。

 マリは寂しそうに笑っていた。

 マリも辛いのだと私は思った。私だって辛い。でも、マリは必死で不安と向き合おうとしている。なら、私は――

「そうですわ!早く任務を終わらせて!わたくしはみんなといろんな場所を見て回りたいですの!」

 リナは私に目を向ける。私にも叫べと言っているようだった。

「カップルに迷惑だろうに……」

 私は溜息を吐く。そして、勢いよく息を吸い込んだ。

 そんな時である。

 黒い色をした巨大な悪魔が再び私たちの前に姿を現した。


「くそっ。ワームの出現率が明らかに異常だ!どうなっている!」

 ハザードワームは先ほどまで私たちが歩いていた商店街に出没した。その商店街には多くの人々がいた。そして、そのほとんどがハザードワームの姿が分からない。見ることができない。

(もう、嫌なんだ。誰かを……失ってしまうのは!)

 私はチョーカーのボタンを押す。ドクリドクリと首筋が脈打つ。体が熱を帯び、得も言われぬ感覚が私を包む。

「くんっ。くぅうぅんっ!」

 ウォッチに向かって叫ぶ。

「来い!一式!」

 私の体は魔法少女衣装に包まれる。

「着装!」

 掛け声とともに宙に浮かんだ装甲は私を包み上げた。

「わたくしたちも――」

「ダメだ!私が行く」

 それに、時間制限がある以上、私が時間切れを起こした後に任せることができるのは二人しかいない。

「走って後から来てくれ!頼む!」

 私は宙を飛んでハザードワームのもとに向かった。

 中装型戦姫、一式。初めて考案された戦姫であった。特徴としては私の手に握られている薙刀と、軽装でも重装でもない中間の中装であることだ。そして、移動の推進力は変化系の魔法を使っている。箒と同じ原理で動いている訳だが、初動の加速はとても遅い。だが、加速性能は驚くほどのものだった。故に、接近でも遠距離でも運用されるように作られたわけだが、ぶっちゃけ、中途半端な性能でもある。

(そう、私のように。)

「ハザードワーム――!」

 見えてきたワームの姿を捉え、私は薙刀を握る手に力を入れる。

 その時だった。私はハザードワームと敵対している魔法少女の姿に気がつく。

 白い衣装を身に纏った少女と黒い衣装を身に纏った少女。だが、ハザードワームは激しく暴れ、手が付けられない状況だった。

「そこの二人!早くこの場から離れろ!お前たちの敵う相手ではない!」

 だが、二人は私の声が聞こえないようだった。もしかしたら、今回の任務に関係のない魔法少女なのかもしれない。今回、逃亡者を追う任務を任された魔法少女には通信用の装置を渡されていた。インカムのようなそれは目に見える人物や知っている人物と簡単に通信することができる。ただ、相手がインカムを持っていない場合はそれができない。

(くっ。だが、あれほど暴れていては、私も攻撃が加えられない!)

「コトちゃん!私が動きを止めるから、最後、お願い!」

「でも、私は――」

「コトちゃんが危ないのは分かってる。私が弱いから、力になれないから。でも、私はコトちゃんを守ると誓ったから!」

 どこかで聞き覚えのなる声がした。そして、やっとのことで私は気がつく。

 二人の魔法少女は箒で空中を移動していない。

 そんな特徴を持つのは新たなタイプに進化した魔法少女か。

 それとも、逃亡者の魔法少女と魔女のみ――

「どうして、ワームと戦っている――!?」

 逃亡者はワームの仲間ではなかったのか。魔法少女も、そして、魔女もワームを倒そうと協力している。

(魔法少女と魔女が協力だと……?)

 馬鹿々々しいという感情以上に目の前の光景が信じられなかった。

 白い魔法少女は魔方陣でワームの体を包み込む。すると、ワームは大人しくなった。

「今だよ!コトちゃん!」

 魔女は待機させていた魔方陣を発動させる。エネルギーを持った魔砲は魔方陣の前で展開されて――

 直後、魔方陣は機能を失った。当然、魔砲はキャンセルされる。

「コトちゃん!?」

「どうして――!」

 魔女は眩暈でも起こしたように頭を下にして地面に落ちていく。

「コトちゃん!」

 魔法少女は落ちていく魔女を追って地面すれすれを翔け抜ける。

 魔法少女の作っていた魔方陣は徐々にかすれて行っている。ワームはだんだんと動きを取り戻し始めていた。

「てやぁ!」

 ハザードワームに向けて、一刀両断の一撃。それだけでハザードワームは灰となって消えていった。

「あなたは――」

 地面に降り立った私に向かって魔法少女は言葉にする。

「私はセラ。魔法少女セラ、だ。そして、お前たちを追う任務についている」

 すると、魔法少女はあの時と同じように魔女を地面にそっと横たえて、立ち上がり、大きく腕を伸ばした。

 私から魔女をかばうように。

「お前は何をしているのか、わかっているのか!」

 怒りが上ってきて、私は薙刀の切っ先を魔法少女に向ける。鼻の先まで魔法で編まれた刃が伸びているというのに魔法少女は微動だにしなかった。切っ先のように鋭い眼差しで私の瞳を覗いている。

「私は、おともだちを守っているだけです!」

 予想外の答えに私は戸惑う。魔女がともだちだと?

「そいつは魔女だ!世界を貶める、邪悪な存在!お前は騙されている!」

「あなたも見ていたはずです!コトちゃんがワームを倒そうとしているのを!」

 そうだ。だから、私は私が信じられないのだ。

「魔女だからって、悪い人だと限りません!そして、魔女だって魔女になりたくてなったわけじゃないんです!辛いことや悲しいことは誰にでも起こるから!それに耐えられないことだってあるから!私は弱いです!だから、そんな気持ちがよく分かるんです!」

 力強い言葉だった。強固な意志だった。薙刀の先が震えてしまっている。

「どうして、なんだ」

 どうして私はためらっている。二人は敵なのだ。

「どうしてお前は恐れない!目の前に死が迫っているというのに!」

 薙刀を握る手が恐怖を拒むように震えていた。

 きっと、私は、自分が死んでしまう運命にあることが怖いんだ。だから、どうして彼女が怖がりもしないのか、どうして夜空お姉ちゃんが死を覚悟しながら魔法少女になったのか、知りたかったんだ。

「恐れてなんかないです。死ぬのは私だって、怖い。けれど、それでも守りたいものがあるから!叶えたい夢があるから!」

 それはなんだ、と尋ねようとして、ウォッチに通信が入る。

『どうしたんや?ワームは倒したんやろ?』

 ウォッチを確認すると二人はこっちに向かってきている。

 私は魔法少女に向けていた薙刀を下ろす。

「早くどこかに行け!もうすぐ仲間が来る。そいつらが来れば、戦闘は免れない」

「どうして?」

 魔法少女は呑気なことに不思議そうな顔をしていた。

 そんなこと、私が聞きたい!

「次に会う時には容赦はしない。本気でお前たちを捕まえる。いや、殺してしまうかもしれない。だから、覚悟しておけ」

「フキちゃん……」

 目を覚ました魔女が掌を私の方に向ける。攻撃が来るか、と思い身構えるが、魔女は魔方陣で魔法少女と自分自身を包んだ。そして、その場から姿を消す。

「結界系か」

 同じく結界系をぶつければこの場に再び二人を呼び戻すことができるだろう。けれど、私はそうしなかった。

 バタバタと足音が聞こえて、マリとリナが私のもとに駆け寄ってくる。

「変身したままでどうしたんや。まさか、我慢大会のつもりやなかろうな」

 私はまだ変身を解いていないかったことに気がついて変身を解く。

 すると、体がすごく重く感じた。地球の重力を何倍も強く体に受けているような重さが加わっていた。

「なにかアクシデントでも起こりましたの?調整不良とか」

「いや」

 私はリナの言葉に短く答える。

「ただ、逃亡者は何のために逃げているのか、と思ってな」

 そんな答えは出るはずがなかった。

 そして、そんな答えは必要ないはずだった。

 けれど、ワームと戦う二人の姿を見て、私はあの二人が悪い存在ではないと感じ始めていた。

 逃げることに徹するのなら、わざわざワームの相手などしなくてよいのだ。あのワームが二人の仕業でないとしたら、なおさら、ワームや襲われている人々を放っておいて逃げてしまえばよい。なのに……

「さあな。でも、ウチに言えるんは、どちらにせよ、理由があって逃げとんのやろうな。逃げんとあかん理由があるから逃げとる。ええ理由か悪い理由かはウチには分からん。でも、逃げる必要があるくらい大切な理由なんとちゃうか」

「結局答えになってないよな」

「それもでも、わたくしたちにも譲れない理由がありますわ」

 私はリナの言葉に頷く。

「なあ、ウチだけ厳しくないか?セラ?」

「日頃の行いだ」

「なんでやねん!ウチ、ええこやんか」

「いい子なら、今すぐに金を――」

 返せ、と言おうとしたところで眩暈に襲われる。

 倒れかけた私をマリとリナが体の両方から支えてくれた。

「ほら。怒ってばっかりやから、神様からバツが下ったんやで」

「まあ。確かに、怒ってばかりでは体に障ると伺ったことがありますわ」

「ちなみに、関西の神様は足の裏を触ってお願い事をするんやで」

「まあ!とても気安い神様ですのね!?一度お会いしてみたいですわ」

「マリ。リナにいい加減なことを吹き込むな」

「嘘やあらへんで!?」

「嘘であろうとなかろうと、リナが変な知識を覚えてしまったらどうする!海外で笑いものにされるだろ?」

「いや、海外で間違いかどうか分かる人おらへんし」

 なんだか普通に突っ込まれてしまった。

「いつか、みんなで関西に行ってみましょう!」

「ま、こんな町よりかはおもろいところ多いで?人もええ人ばっかやし。少なくとも、すぐ金払えとは言ってこん」

「それはどうなのか。私は知ってるぞ?ミナミで金を借りるととんでもないことになるってな」

「何ちゅうマニアックなこといっとんねん。それいうなら、どっかのウシジマくんもすごいやろ!」

「うん。小学生の女の子の会話だとは思えませんわね」

「というか、小学生の女の子の会話ってどんなや?あれか?好きなアイドルとか語るんか?」

 そう言われて、三人ともが微妙な沈黙を生み出す。

 誰も流行のアイドルなど知らなかった。

「私は――」

 私はおもむろに口を開く。

「私は、守りたい。作りたい。世界中の人々の笑顔を」

 今の私たちのように世界中のみんなが笑っていられるような幸せな世界を作りたいと私はそう願った。



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