カイン・ジクルセイド伯爵
ジクルセイド伯爵家は、魔騎士が主流になる前からフォルンスタイナー王家に仕えて来た騎士貴族である。
初代は、平民から武功を重ね伯爵家に成り上がったまさに無双の騎士だったとか。
伯爵家の中でも、ジクルセイド騎士団は上位に位置する強者だ。
俺の父、カイン・ジクルセイドは、王宮で近衛騎士団長を務めている王の剣。
親の意を傘に来て好き放題やるクオルグを見て、カインは冷めた目で見ていた。
父親との関係修復も急務だが、望みは限り無く薄い!!
「うわあーー!!あーー!!」
取り敢えず部屋に戻ると、俺は叫んでみる。
結局キサラと俺の格闘術は互角で、毎日キサラと試合することになった。
俺の運命は前途多難だーー!!
キサラside。
夕暮れ時、旦那様がお帰りになられました。
旦那様は愛馬カティーラから降りると、馬屋番に愛馬の手綱を預けて真っ直ぐ玄関に向かわれます。
「旦那様、お帰りなさいませ」
私は他のメイドや侍女と共に一礼して出迎えました。
長い金髪の髪を背に流し、前髪をオールバックにして近衛騎士団団長の白い制服を着た旦那様は、今でも若く凛々しい。
「クオルグの様子は?」
侍従に上着を脱いで渡されると、旦那様は問い掛けられる。
「途中まではいつも通り我が儘なぼっちゃまでしたが……部屋で何かあったのか、人が変わったように礼を言われたりしました。先程まで御自分の魔騎士をアップグレードすると言って冒険者を目指すと仰有られたのです」
「……ほお?」
歩きながら私が答えると、カイン様は目を見開いた。
「剣術を習うと仰有られたので実力を計りましたら、ぼっちゃまは既に身体強化魔法を自在に使いこなされておりました。戦闘センスも抜群で、私と格闘術は互角だったのです」
私は興奮しながら答えた。
「……妙だな?私はクオルグに格闘術など教えた覚えない。何処で格闘術を学んだのだ?」
旦那様は不思議そうな顔をされて玄関から屋敷に入られました。
「私にも分かりません。ですが、とても洗練されていた技で努力して身に付けられたものだと思います」
「ふむ、ならばクオルグが冒険者になれるように鍛えてくれ」
「承知致しました」
私は旦那様に命じれ答えた。




