第六十一話
遅くなりました…言い訳せず言います。仕事とアニメ「幼女戦記」第一期と第二期を見直したり見てました!
茂みに隠れてから何分が経っただろうか。1時間は経ってないとは思う。周りを見るのも頭を動かさないように目を動かして周りを見ている。汗が頬から顎に流れて雫として地面に落ちる。
敵兵士はもしかしたら、もうここから離れているかも知れない。
そう思い立ち上がろうと瞬間にパキッと木が折れる音が聞こえた。
『クソ、忌々しい帝国の制服を着るハメになるとは』
『同志殿、今は我慢して下さい』
『うるさい、貴様が降伏してせいだ』
声が聞こえてくる…二人…でもトラックにあった血の数。運転席、助手席、監視役を制圧すると考えると二人ではなく最低三人いるかも知れない。
出てきたのは帝国の将校服を着た人と一般兵の服を着た人。将校服を着てるのが政治将校だろう。
『このまま戻っても私やお前たちは終わりだ。なんとか手柄を立てないといけない』
『だからと言ってどうするんですか?』
『このトラックで基地に侵入して将校殺すなり、機密情報を奪うまでだ』
あいつらが何をしたいのか聞けた。行き当たりばったり過ぎる。基地に侵入するにもトラックを使うとか馬鹿なの?
入り口には警備してる兵士がいるし、周りにも歩哨がいるのに侵入出来ない。放置しててもいいんじゃないかな?
このまま見逃してもいいかと思った時に、もうひとつの可能性が思い浮かんだ。もし侵入が失敗してもこっちは無傷かも知れないが、ここまで侵入された事が問題になるじゃないか?
これ以上いなくても、この侵入された事があるってだけでも周囲に警戒網やパトロールが入る。つまりその分の人材が割かれる。
占領地なら当たり前だが、ここはこちらの領土…全戦線も浸透出来る場所がない。敵から攻撃あれば後続の部隊が来るが、その人数を割かれるのは痛いじゃないか。いや、割かれても戦闘員ではなく憲兵隊になるのかな。
でも、こっちに注意が向いてないなら不意討ちでいけるかも。
慎重にモーゼル拳銃を構えた。先に照準を向けたのは政治将校ではなく、一般兵の服を着た人。胸に向かって素早く二発撃った。当たったかを確認せず、政治将校に向かって二発撃った。それは3秒も掛からなかった。
政治将校はトラックのタイヤに背中を当てて崩れて、一般兵服の人は地面に倒れた。
確認して後でも気を抜かず動かなかった。もしかしたら、まだいるかも知れないから。だが何も聞こえない。ゆっくりと立ち上がりモーゼルを構えながら歩いて行く。
トラックに近付いた時に木々から音が聞こえてた。音が鳴った方向に振り向きがら背中から倒れた。その瞬間にパンと音が聞こえた。
倒れた時視界に入ったのはライフルを構えている中年のディーク兵と青年だった。撃ったのは中年の方か。そしてその中年に向かって二発撃った。反動で一発目は胸に二発目は頭に当たった。
地面に倒れた後は狙いを青年に向けたまま立ち上がった。反撃を受けるかも知れないから警戒していたけど、両手を上げて降伏している。ちなみに武器は持っていなかった。
『抵抗しないなら撃たない』
『しないしない!』
素直過ぎる反応にさっきまで警戒の気が抜けた。気を抜け過ぎてモーゼル拳銃の照準を下ろしてしまった。
『なら、こっちに来て。撃たないし拘束はしないから』
『本当に?』
『生きたいの?死にたいの?』
『死にたくない!』
両手を上げながら近付いてきたが、僕は全く警戒してなかった。むしろ水筒差し出した。
それを受け取りグビグビと飲みだした。全部飲んだのか水筒を返してくれた。そして青年は安心したのか地面に座り込んだ。
『先の三人がトラックの人たちが殺した?』
『う…うん。君がさっき撃った人とそこの人が隠しナイフと口をふさいで見張りの人を刺して、後はトラックの座った人たちを後ろから』
なるほど、考えは間違えてなかったみたいだ。でも予想外なのはこの青か。
トラックの運転は出来ないし、どうするか考えてたらすぐ近くからパンと二発の銃音が聞こえて、青年が倒れる。銃声の方向を向くと先程の政治将校が震える手で(※)ルガー…P08を構えていた。カッとなりモーゼル拳銃の残った弾薬4発を撃った。ボルトが後退して弾切れを意味する。後先考えず撃ったが政治将校は絶命したようだ。リロードも忘れて青年に向かった。胸から血が溢れている。服のボタンを外して見る撃たれた箇所は1つだけだ。応急手当する道具はない。青年の右袖て左袖を破いて銃剣で上下に切り込みを入れる。完全に切る訳ではなく4~5cmくらい残して緊急用の包帯とした。傷口を塞ぐのに足りないから自分のシャツの両袖を破き、止血帯変わりして結んだ。
『やだ、死にたくない。戦いたくない』
その言葉に心のどこかに残った。前の時は死にたくない兵士は慈悲のトドメを刺したが、助けたいと思った。
包帯代わりをしっかり締め付けた後はストックと分離してモーゼル拳銃とストックをベルトに差し込み、青年を背負いトラックの助手席に座らせた。
自分は運転席に座り1個ずつ確認しながら掛かるように願いながらエンジンを入れた。ブロロと音が鳴って成功を心で喜び発進した。
※:1908年、オーストリアの技師。ゲオルク・ルガーが設計。名称「ピストーレ・パラベルム」の特許取得しました。それがルガー拳銃と名が広がった。




