第三十七話
長く待たせました。あーでもないこーでもないで仕上げた話です。
「おかえりー兄さん!」
背から押し出されるようにアルベルさんが倒れて込み、その背中に僕と年が近そうな子が乗っている。と言うかどうゆう状況?
混乱している僕とは対象にアルベルさんは冷静だった。
「重いからどけ」
「何何、感じた?」
「死ね」
とても家族とは思えない会話に固まる僕とアルベルさんから降りていたずら成功した顔している。茶色のロングヘアに帝国ならではの茶色の目、顔は可愛い……妹さんかな?
混乱する僕に立ち上がったアルベルさんから紹介を受けた。
「いきなりですまない。こいつは妹のサーシャだ」
「あなたが兄さんの手紙で書いてあった子。どうもサーシャ・アンダーソン…サーシャと呼んでね。今年で16歳となります」
右手の人差し指と中指を立てて頭に当てながら挨拶してくる。そうゆう挨拶はここでもあるんだと謎の感動があったが……僕も挨拶をすると抱き着いて戸惑った。が、さっきのはかつてのWW2時代のポーランドの軍の敬礼だった。異世界でも地球の文化と重なるな~。
「兄さんの手紙以上に可愛い子じゃない! 兵隊辞めてウチの子にならない!」
「えぇぇぇぇ!?」
「こら、サーシャ…レーナが戸惑っているだろ」
その通りなんだけど…けど……孤児院では可愛いは慣れたけど…今言われると恥ずかしい。
アルベルさんと妹のサーシャが言い合っている。そしてキレたアルベルさんがサーシャの頭の横を拳でグリグリとしている。家からスッゴい人妻感ある女性が出てきた。具体的には纏めた髪を右肩から前に出して唇の下にホクロ。
「騒がしいと思ったら、何してるのかしら」
「サーシャ、落ち着きを覚えろと教育してた」
僕はどうしていいのかを混乱してある。兄妹の会話も慣れているのか僕には分からない感じで会話が進んでゆく。
「おかえりなさいね、アルベル」
「あぁ、ただいま、義姉さん」
ここまでの会話である程度人物構成…が分かった。最初のはアルベルさんの妹でで出来た人妻感のは義姉なのにね。
「それで隣のお嬢さんはだ誰かしら?」
問われると僕じゃなくてアルベルさんへと義姉さんから圧力が感じる。何もこちらでは知らない子を連れてくるとか何考えてるのという感じで圧力である…笑顔で。
「て…手紙に書いていた新兵のレーナだ」
「その子が手紙のね。お客さんなら部屋に案内するわ」
「いや、俺が」
義姉
こうして騒動は収まり、客人の部屋へと案内された…義姉さんに。アルベルさんとサーシャはどうなったかは闇の中で。
「ごめんなさいね~、騒がしい子たちで」
右頬を右手で押さえながら謝ってくる義姉さん。人妻感あったんだけど今はお母さん感を感じる。
「あんなアルベルさん見れて新鮮でした」
「なら良かった。ちょっとは休みが貰えたと聞いたから自分の家と思って過ごしてね」
「ありがとうございます」
微笑み合っていると赤ん坊の泣き声が聞こえてきた。義姉さんは慌てて部屋を出て行くので思わず後を追い掛けてしまった。
大きめのベットがある部屋……夫婦の部屋かな……それっぽい家具もあるし。
ベットの側にはベビーベットがありそこで赤ん坊が泣いていた。
「よしよし……ママはここにいるよ~」
義姉さんが赤ん坊を抱いてあやしてる姿を見ると僕と同じ髪色した綺麗な女性の顔がノイズみたいに思い出した…いや出てきたと言うのが正しいかも。あやしてる光景に右目から涙の雫が溢れた。
懐かしい…見た光景…訳の分からない感情が僕の中で生まれていく。
「あら、レーナちゃんも来たのね」
気が付いた義姉さんは僕の姿を見て優しい笑顔を浮かべて寄ってくる。
そして僕の頭を赤ん坊を抱いた左腕をそのまま右腕を伸ばして僕の頭を撫でてくる。そこからやってくる安心感に今度は両目から涙が出てくる。




