プロローグ:乙女ゲームに転生しました。ですが兄弟がブラコンです。
ブラコンな兄さんや弟を買わせるのでしょうかこの主人公?
こんにちわ、それともおはよう、こんばんわか?俺の名前を紹介しよう、一応公爵家次男のアメリア=バッカスというものだ。所詮世間一般的には勝ち組と呼ばれる奴らの1人であることは誰よりも理解している。
ちなみに 転生者 だ
そう俺は転生した。おそらく乙女ゲームの世界に。
なぜおそらくか、それは俺自身がプレイしたことがなくて従姉妹がプレイしていただけでちゃんとした内容は知らないが主な世界観と登場人物、いわゆる攻略キャラの名前が一致していることからそう推測しているからだ。
がしかし、それだとしたら俺は勝ち組ではない。なぜなら俺は悪役令嬢と手を組んで結局はドナドナ()をされていく雑魚キャラだからだ。
ドナドナとかまじ勘弁(土下座)
とりあえずなぜ俺がドナドナされるキャラか思い出したかから説明しよう、それは将来の悪役令嬢から手紙をもらったことから始まる。
「拝啓アメリア=バッカス様
ご機嫌麗しゅう、よければ私と一緒に水族館へ行きませんこと?待っておりますわ。
メフィスト=キャメル」
実は俺と悪役令嬢ことメフィストことメフィーは方向音痴仲間である。簡単に言えば幼馴染だ。早いと思わないか?俺たちはちゃんと現12歳にしてもうすでに方向音痴仲間を自覚している。…まぁつまりこの手紙は迷子フラグになるわけだが俺はもちろん即OK。迷子?それより可愛い幼馴染とデート(仮)だろ?
「アメリー…またキャメルご令嬢と一緒にどこかへ行くのかい?」
翌日俺が侍女にOKの返事の手紙を渡したとほぼ同時に俺は長兄に抱きすくめられた。
「…はい 水族館へ行ってきますロミオ兄様」
俺は成長期に入り一気に背の伸びた長兄を見上げながら言った。俺より3つ年上でもうすらっと身長も高くルックスのいい長兄はなぜか俺のことを溺愛している。
「…2人きりでかい?」
この一言で俺は全てを思い出した、もうちょっとマシなセリフで思い出したかったとおもったのはここだけの話だ。
「はい、あ、でもナクトさんとメフィスト嬢の家の方もなので4人です。ロミオ兄様と行くとき兄様を案内できるようにちゃんと見てきます」
俺はニッコリと笑いながら長兄に言った。地味にこれ死亡フラグおったんだぜ?信じられないだろう?
実はこのセリフ、俺の貴重な乙女ゲームについての重要な記憶の一つだ。
実は俺ことアメリアはこの長兄に溺愛されていたのは幼少期だけだった。長兄からすれば可愛い弟は俺以外にもいるわけだから自分を一番に慕ってくれる弟で亡くなった俺は興味がなくなるらしい。
このシーンはこの長兄が俺のことを見放す原因になったシーンだ。
ゲームでは
『はい!2人で行ってきます。』
だ。
これくらい別にいいじゃ無いかとも思うのだがどうもいけないらしく、どんだけこの人ブラコンなんだよと思った。
さっきの俺のセリフの次に行くとき兄様と楽しめるように、という言葉をうまく汲み取ってもらえれば一応嫌われるフラグはたたき折れる。
「!そうだね、可愛いアメリー、今度2人っきりで行こうね。」
蕩けるような笑みを浮かべながら俺を抱きしめて頬ずりしてくる長兄に俺は「はい!」と笑顔で答えた。
ゆっくりコーシンしていきます☆