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【完結】不遇職の盾職人が神と崇められるまで~魔盾(まじゅん)は異世界のゲームチェンジャーとなる~  作者: テツみン
第一章 盾職人は異世界のゲームチェンジャーとなる

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第13話 不良在庫となる

 翌朝――


「すまないが、それは要らないよ」

「――えっ?」

 

 さっそく、魔盾(まじゅん)を武具屋に持って行って売り込んだのだけど、オヤジから買い取りを断られてしまう。


「そんな……使ってみたら、絶対にこの盾のスゴさがわかりますから!」


 ボクは、魔盾の素晴らしさを一生懸命に伝えるのだが、オヤジには伝わらないようだ。


「ヒロト君、だからといってもねえ……結局、盾に求められているのは性能じゃなくて、安さなんだよ。なのに、魔石を取り付けたりしたら、かえって価格が上がっちゃうでしょ?」


 付加価値より、原価を下げ、できるだけ安い盾を作ってほしい――そんなことを言われてしまう。


「原価を下げる――と、言ったって……」


 これ以上、安い材料を使ったら、盾の性能も耐久性も下がってしまう。品質だって安定しない。そんなモノを客に売るなんて、盾職人としてのプライドが許さない。


「でもね、それが今のニーズなんだ」


 そう言われると、もう説得のしようがなかった。


 仕方ない……今日も在庫を持ち帰ることにする。


「残念ですけど……大丈夫ですよ。きっと、いつか魔盾のスゴさをみなさんわかってくれます」


 アリシアはボクをはげましてくれるのだが……


「そうは言っても、こんなにたくさんの在庫、いったいどうすれば……」


 こんなことなら、二十枚全部、魔石を取り付けんじゃなかったと後悔する。


 工房に戻ってきたところで、ボクはアリシアに頭を下げた。


「ゴメン。アリシアの魔石十四個の代金だけど、しばらく待ってもらえるかな?」


 今日の売り上げから、彼女に支払おうと思ったのだけど、そのアテがはずれてしまい、申し訳なく思う。


「そんな。あれはヒロトさんの魔盾があったから手に入ったのです。だから、ヒロトさんのものですよ」


 彼女はそう言ってくれるのだが、やっぱり、それじゃダメだ。


「それに、魔石に魔法を封じ込めた作業代も払わなくちゃいけないし……」

「それは――そう、私を泊めてくれたお礼です。おカネなんてもらえません!」

「でも、料理も作ってくれたし――」

「食材はヒロトさんが買いました。逆に私が食べた分をお支払いしなければ……」


 そんな言い合いをしているうちに、二人とも笑ってしまった。


「もう、その話は終わりにしましょ?」

「うん、そうだね。後悔しても仕方ないし……お金が足りなくなったら、昨日みたいにダンジョンに行けばいいんだよね」

「はい!」


 ダンジョンで狩りをすれば、お金は稼げる。だから、もう生活に困ることはない。そう思えるだけでも、ずいぶんと気持ちが楽になる。


「それじゃ、ボクはアーノルドさんから預かった盾の修理を……」


 その時、外から笛の音が聞こえた。


 ピーッ! ピーッ! ピーッ!


 長い笛の音が三回。


「これって……」


「スタンピードだ!」

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