表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
REVOLT  作者: まな
PR
1/4

『REVOLT』第一話「革命」

界には五つの勢力が存在する。


人間。


天使。


悪魔。


AI。


怪物。


それぞれが己の正義を掲げ、終わることのない戦争を繰り返していた。


誰もが、この世界は変わらないと信じていた。


――ただ一人。


世界に革命を起こそうとする、一人の武器職人が現れるまでは。


『REVOLT』


第一話「革命」

世界は、終わらない戦争の中にあった。


空には純白の翼を広げた天使が舞い、神の名の下に光の槍を降らせる。


地上では、感情を持たぬAI兵団が無数の砲口を並べ、生命を機械的に排除していた。


そして、その狭間では悪魔たちが血を浴びながら嗤う。


「殺せ!」


「秩序を乱す者を裁け!」


《対象確認。殲滅を開始します。》


爆発。


悲鳴。


炎。


世界は、誰かの正義によって焼かれ続けていた。


勝者などいない。


あるのは終わらない戦争だけ。


そんな戦場のど真ん中を、一人の男が歩いていた。


黒いロングコートを羽織り、腰には二本の剣。


砲撃がすぐ横で炸裂しても、その足は止まらない。


天使の一人が男に気づく。


「……あれは。」


目を見開いた。


「革命家レヴァンだ!!」


その一言で、戦場の空気が変わった。


悪魔が顔色を変える。


「なんでこんな所にいる……!」


AIの赤い瞳が点滅する。


《危険度:SSS》


《革命家レヴァンを確認》


《全戦力を対象へ変更》


さっきまで互いに殺し合っていた三勢力が、一斉にレヴァンへ武器を向けた。


レヴァンはため息をつく。


「……目的地へ行くだけなんだが。」


返事の代わりに放たれたのは、数え切れないほどの攻撃だった。


光の槍。


銃弾。


呪術。


レーザー。


空も地上も、逃げ場はない。


レヴァンは静かに一本の剣を抜いた。


黒紫に染まった刀身。


見る者すべてに嫌悪感を抱かせる禍々しい魔剣。


その剣は、斬った者の異能を奪い、自らの力とする。


数え切れない戦いの中で喰らった能力は、今も剣の中に眠っていた。


レヴァンは短く呟く。


「──地震。」


その瞬間。


大地が割れた。


轟音と共に巨大な亀裂が走り、AI兵器も悪魔もまとめて奈落へ飲み込まれていく。


崩れ落ちる戦車。


砕け散る鋼鉄。


悲鳴が地の底へ吸い込まれた。


間髪入れず、レヴァンはもう一つの能力を解放する。


「──爆発。」


世界が白く染まった。


空にいた天使たちが一斉に爆炎へ包まれる。


純白の翼が燃え落ち、光の羽が灰となって舞った。


静寂。


ほんの数秒前まで戦場だった場所は、廃墟へと姿を変えていた。


レヴァンは剣を納める。


何事もなかったように歩き出す。


彼が目指すのは戦場ではない。


悪魔領。


そこにある奴隷市場だった――。

悪魔領――。


戦場の喧騒とは対照的に、そこには異様な静けさがあった。


錆びついた鉄格子。


腐臭の漂う檻。


鎖に繋がれた奴隷たちは、誰一人として顔を上げようとしない。


「さぁ見ろ! 人間! 怪物! 珍しい奴隷も揃ってるぞ!」


悪魔の商人が下品な笑みを浮かべる。


「革命家サマも買い物か?」


レヴァンは何も答えず、檻の前を歩き続ける。


その時だった。


一つの檻の奥から、鋭い視線が突き刺さる。


傷だらけの怪物。


全身は血で汚れ、片腕には重い枷。


それでも、その瞳だけは死んでいなかった。


怒り。


憎しみ。


絶望。


それらすべてを抱えながらも、世界を睨み返していた。


レヴァンは足を止める。


怪物は唸る。


「……見せ物じゃねぇ。」


レヴァンは静かに笑った。


「いい眼だ。」


怪物は黙ったまま睨み返す。


レヴァンは続ける。


「その怒り。」


「俺の革命に寄こせ。」


市場中が笑いに包まれた。


「革命だってよ!」


「その化け物に何ができる!」


「すぐ死ぬさ!」


レヴァンは商人へ袋を投げる。


中には金貨がぎっしり詰まっていた。


商人の目が輝く。


「毎度あり!」


枷が外される。


怪物は自由になった。


それでも逃げようとはしない。


レヴァンを見る。


「……俺を何に使う。」


レヴァンは背を向けたまま答える。


「好きに考えろ。」


二人は市場を後にした。


しばらく沈黙が続く。


その静寂を破ったのは、空から降る光だった。


「発見!」


「革命家レヴァンを確認!」


天使の部隊。


同時に地面を揺らしながらAI兵団も現れる。


《排除を開始します》


銃口が並ぶ。


レーザー砲が充填される。


ジンが拳を握る。


「来るぞ!」


レヴァンは静かに目を閉じた。


「……仕方ない。」


黒い紋様が首筋から広がっていく。


空気が変わる。


悪魔との契約。


十分快。


その間だけ、未来のすべてが見える。


銃弾が飛ぶ。


レヴァンは半歩だけ動く。


弾丸は髪をかすめることすらできない。


光の槍。


レーザー。


爆撃。


すべてを紙一重でかわし続ける。


ジンは息を呑む。


「見えてるのか……?」


レヴァンは答えない。


ただ剣を振るう。


敵は一人、また一人と倒れていく。


十分後。


最後の敵が倒れた。


静寂。


そして――。


「ぐっ……!」


レヴァンの身体が震える。


黒い紋様が全身へ広がる。


悪魔の声が頭の中に響く。


侵蝕。


レヴァンは自分の腕へ牙を立てた。


肉が裂ける。


血が噴き出す。


それでも噛み続ける。


「来るな……!」


ジンが駆け寄ろうとする。


「レヴァン!」


「来るなァァァッ!!」


黒い殺気が爆発した。


ジンの足が止まる。


本能が叫ぶ。


逃げろ、と。


だが。


レヴァンは震えながら叫んだ。


「仲間だけは……!」


「傷つけねぇ……!!」


その言葉に、ジンの表情が変わる。


恐怖ではない。


覚悟だった。


「……バカ野郎。」


ジンは一歩踏み出す。


そして暴れるレヴァンを力いっぱい抱き締めた。


「誰が逃げるかよ、主。」


「五分だろ。」


「俺が死んでも、お前を止めてやる。」


レヴァンは苦しみながら叫ぶ。


ジンは決して離さない。


五分後。


黒い紋様は静かに消えていった。


レヴァンはゆっくりと目を開ける。


ジンはボロボロになりながら笑っていた。


「……終わったか。」


レヴァンは立ち上がる。


「行くぞ。」


ジンが尋ねる。


「どこへ。」


レヴァンは遠くの空を見上げた。


「まずは――」


一拍置く。


「四天王を潰す。」


世界を変えるための革命が、静かに幕を開けた。


──第1話 完──

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!


第1話では、主人公レヴァンと相棒ジンの出会い、そして物語の始まりを描きました。


まだ明かされていない謎や、四天王、XZなど、これから少しずつ世界が広がっていきます。


『REVOLT』を楽しんでいただけたら嬉しいです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ