それでいいのか?!!
「わ・・うぐ・・・。こ・・ここ・・は?」
「う・・うん・・・」
「「「「「父上(父様)(父さん)!!母上(母様)(母さん)!!」」」」」
「お・・前・・達・・・・・はっ?!! ゴブリンどもは?!!!」
しばらくして目を覚ましたゼウロとリウス。
彼らが最初に目に入ったのは目の端に涙を溜めながらこちらを見下ろす我が子達の顔であった。そして段々と覚醒していく頭の中でゼウロは意識を失う前に戦っていたゴブリン達のことを思い出しまだ癒えてない体を無理矢理起こし辺りを見るが、そこのいたのは
「あのー、クレア? そろそろこの糸外してくれないかな?動きにくいんだけど」
「なんでその状態でもう普通に動けるのよ? 結構ガッチリ縛ったはずなんだけど?」
「いや、慣れた」
「普通慣れるものじゃないと思うのですが、まあヤシロだから仕方ありませんか」
「あーーうーー!!」
「あーー」
「ノア、ちょっとこの人の非常識に毒されていない? それにサクラちゃんにモミジちゃん、そこで肯定するような声をあげちゃダメ。パパのは常識じゃないんだからね?」
「ちょっと酷くない?」
プルプル
なぜかほのぼのとしている人狼と蜘蛛人(?)と山羊人(?)とその腕に抱かれている二人のまだ赤ん坊だと思われる人狼、そしてその足元でプルプルと震えるスライムがいた。
そして本当になぜか人狼は上半身が腕を組んだ状態のまま膝まで糸でぐるぐる巻きにされているのに違和感なく歩いていた。
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えっ・・・誰?
ハクロウ族族長ゼウロ、目の前の光景に始めて困惑したという。
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「なるほどそういうことであったか・・・・・」
なんとか状況を飲み込み落ち着きを取り戻したハティアちゃんのお父さんで族長であるゼウロさんはとりあえず自分が意識を失った後何があったのかをハティアちゃん達・・・というか主にハティアちゃんの姉であるアセリアさんが説明していた。
途中なんか変なコボルトが何か俺とハティアちゃん兄弟に文句を言ってきていたがすぐさまクレアとノアが雁字搦めに縛ってどこかに連れて行っていた。その際「空気読めこの阿呆が」「お仕置きですね」と言っていたが俺は知らない。
例えその横顔がバカをした親方をボコボコにするときの姉さんの横顔に似ていたとしても俺は知らない。知らないったらしらなーーーーーい!!
っとそれは置いといて。
「とりあえず、ゴブリンどものは俺が一匹残らず始末しましたし。ゼウロさんの一族も一応俺の回復魔術で回復させていますので」
「そ、そうか・・・・・・そこまでしていただきハクロウ族代表として礼を言う。 しかしなぜ・・・・」
「なぜって言われたら・・・・・おたくの娘さんと約束したから?」
「ハティアと?」
ゼウロの視線は未だリウスにしがみついているハティアに向けられた。
「ハティアちゃんは強いですね。自分達がゴブリンに襲われたと言うのに、自分の身よりも親兄弟であるあなた達の心配をしていた。しかも見ず知らずの俺たちに助けてくれと頭を下げる。
普通なら何か対価を請求されるとか色々考えて躊躇うことをすんなりとやったんだから。
あっ、ちなみに俺たちは対価なんか要求しませんので安心してくださいね。」
あっけらんかとそう言うヤシロにゼウロは目を見開き凝視する。
ハティアを「強い子」と言うのもそうだが普通であればこんな子供の願いなど対価がなければこの弱肉強食の世界では一笑に付し相手にもされないだろう。しかしこの人狼はいや、このお方はそんなハティアの言葉に耳を傾けそれどころかその願いを聞き届け叶える。そしてそれに対してなんの対価も要求もしない。端から見れば簡単に利用されそうだがおそらくそれすらも簡単にはねのける強さと器を持っているのであろう。
そう考えた後ゼウロはしばし考え決意した。
そして
「ヤシロ殿」
「うん? どうしました?」
真面目な声を出しながらゼウロはその場で正座をする。そしてそのゼウロの気配に感づいたハクロウ族がゼウロの方を見ると次の瞬間ゼウロはいきなり頭を下げ
「どうか我々をあなた様の配下に加えていただきたい」
そう懇願した。
それに対してヤシロはと言うと
「・・・・・へ? なんで?」
鳩が豆鉄砲食らったような顔をして呆けていた。




