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嘘つきルージュ  作者: 月影輝
9/9

 直子は、そのまま真っ直ぐ家に帰らず、亜希子の家に行った。


「どうしたの?この服!」


 ブティックの袋から直子が出したワンピースを見て、亜希子は目を丸くする。


「さっき買ってきたの」


「いったいどういう心境の変化?踊ろいた!」


 直子は、たどたどしくも一昨日の電話の事を離した。


 その日の夕方、直子が店から家に帰ると、家の中には誰もいなかった。妹の伝言が電話の上に貼り付けられていた。


 ”バイトに行ってきます。竹田さんちです。帰りは9時になります。”


 妹の茜は、自立心旺盛で、現在高校2年生だが、いくつかのバイトを掛け持ちしている。


 家で働けばいいのに、としか思ってなかった直子とは、偉い違いだった。


 部屋に戻り、バッグから携帯を取り出すと、着信の履歴があった。電話に気付かず、留守電に変わっていた。


 何気なく再生してみると、聞き覚えのない声が流れた。


「もしもし、あの・・・高木直子さんの携帯でしょうか?」


『はい。そうです。』


 と、思わず答えそうになる。


「森田慎也といいます。先日、ハンカチを貸して貰った物です。返すのも兼ねて、も一度お会いしたいと思ったので、お電話しました。連絡お待ちしています。携帯番号は○×○ー○○○・・・」


 慎也は、電話番号を言い、


「何時でもいいです。待ってますので・・・」


そして、電話は切れた。


「17時15分です。このメッセージを・・・」


 と電話が機械的な声で録音された時間をいった。


 直子は、胸がドキドキしていた。密かに彼からの電話を待ちわびていたのだから。


 いかにお尻が痛かったとは言え、直子はそう軽々しく電話番号を教えるような娘ではない。


 確かに、クリーニング代を渡さないと思っていたし、それで教えたとも言える。けれど、それだけではないかも、と帰ってからずっと考えていのだ。


 なかなかの容姿だったし、服のセンスもよかった。そして、何よりもあの心配そうな表情と、謝る彼の姿に交換を持った。考えてみれば、彼の被害の方が、直子よりもずっと酷いのだから。


 それに対して、謝りたいから、もう一度会いたいと思ったのか、それとも・・・


 両親は、8時を過ぎないと戻ってこないし、姉の典子は旅行に行っている。直子は、緊張しながらも、リターンボタンの3を押した。


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