第9話 悪魔についての勉強会① 悪魔的な他己紹介
説明回的な何か。パート1。
今作は短編集的に各話の字数を多くとってましたが、試験的に分割。
「と言うことで! 『悪魔』について学ぼうの会、開催~!! 拍手~!」パチパチパチ…!
「「「「…、」」」」
「お、お~…!」拳を突き上げ…
う~ん。ノリが悪い。反応を返してくれたのが1人だけとは。まあ、このメンバーじゃ仕方ないか。
「ありがとう、スザクちゃん。君が立派に成長して誇らしいよ…。」うるうる…
「どう言う意味だよ…。」バカにされてる…?
「チュチュ。」上から目線ですわ~…
純粋に感心してるんだけどなぁ。まあいいや。
「さて。ここからは真面目にいこうか。
皆さん、本日はお集まりいただき有り難うございます。司会進行を務めるのは、マジカル・リタファンクラブ会員ナンバー4のスクルです。よろしく。」
「お、おぉ…。」なんか大人モードだ…
「「「…、」」」
「…っ…!! (もっと言うべき紹介が有るでしょうがっ…!)」この下衆悪魔…!
僕の説明で最も重要な部分がこれだよ? 会員ナンバー666の求道ユミちゃん。
「シッッ!!」ビュンッ…!
「危な。」パシッ…ジュウ…
弓も無しに矢が飛んできた。しかも悪魔力だけ分割する毒付き。もうこれは忍者の苦無では?
「もう。人払いの結界張ってるとは言え、公共の施設の中なんだから自重してよ? アーチャーちゃん。」ここ、公民館の中だよ…
(自重してるからこの程度なんでしょうがッ…!!)その呼び方止めろ…!!
「名前で呼んだら怒るから職業名で呼んでるんじゃない。」
「心を読むなッ…!」思わず怒鳴り…!
「いや魔眼を使うまでもなく読めるよ。」その表情見れば…
まあ、彼女ら彼らの貴重な休日だ。前座の漫才はこの程度でいいだろう。
「時間がもったいないしサクサクいこう。
今日は新しく仲間に加わった魔法少女カシュウ、本名火野朱雀ちゃんのお披露目と言うか、改めての紹介の場です。
そして、そんな彼女から『強くなりたい。』との要望が有ったので、手始めに座学をしてみようと皆を召集しました。仲良く、悪魔について学びましょう!」
困惑やら嫌悪の視線が突き刺さる。あと無関心に顔を背けてるのも居る。
会議室の中は雰囲気がなかなかに悪い。
「さて、スザクちゃん。自己紹介どうぞ。」この流れでパース…
「え、えと、うん、分かった…。」
どぎまぎしながらも彼女は椅子から立って軽く頭を下げた。行動力有るって良いよね。
「火野、です。炎の魔法少女…、やってます。こいつは相棒のナッツです。」
「ジチュ~。」ナッツですわ~…!
「「「…、」」」
「み、皆? 軽くで良いから返事くらいしましょう?」
「仕方ないよ、アーチャーちゃん。この子達はこんなもんだって。」
来てくれただけまだマシな方だ。ここには居ないけどリタちゃんの人徳の賜物だね。
「スザクちゃん、ちょっとアレな子達だけど、一応は君の先輩達だから仲良くしてあげてね。」
「それは、良いけどよ…。
なぁ、お前、梳宮だよな…? 隣のクラスの。」
「…、」ふん…
スザクちゃんが声を掛けたのは、彼女と同じ中学生の男子だ。目を合わせたくないのか、そっぽを向いてしまう。
「実は火野さんが魔法少女になったことを教えてくれたのが彼なの。学校での貴女の様子から見当を付けてね。私が直接確認して仲間に引き入れたって流れなの。」
「え? そうなの?
なんだよ、お前魔法騎士なの? 言ってくれたらいいのに。」
「…、」
「無視かよ…?」
「ちょっと、梳宮君。会話ぐらいしてもよくないかしら?」
「…、別に…。」
「──梳宮 我流。中学1年生。」
「!」ピタ…
僕が喋り出した途端に妨害しようと動き出すが、魔眼で口と体が動かない様に精神支配を掛ける。
「魔法騎士としての能力は、『強欲』の魔。『物語のヒーローみたいに格好良い勇者になりたい。』って願望から炎の剣を生み出し、それを操って戦うスタイルだった。
悪魔との戦闘で心が折れて、救援に駆け付けたリタちゃんがその悪魔を瞬殺したことで自信喪失。魔法が使えなくなった弱虫男子。現在は僕らの庇護の下、後方支援の活動をしてくれてる。
普段はそこそこまともな少年なんだけど、自分が見つけた同級生の女の子が自身より遥かに強く、しかもリタちゃんと肩を並べていると言う現実を受け止めきれず現在いじけの真っ最中。もしかしたら『嫉妬』の魔も発現できるかもねぇ~。」やったね念願のスキルアップだ…
「…、…っ、っっ…。」顔真っ赤プルプル…
「ちょ、ちょっと、流石に言い過ぎよ…。」
「うわぁ…。」
2人から軽い嫌悪と困惑の視線を向けられる。嫉妬男子君への軽蔑じゃなくて、暴露悪魔の容赦の無さに引いているっぽい。
「僕の意図を説明しよう。強くなるにはまず、『弱さ』とは何かを知ることが大事だと思うんだ。
君達が使うのは、大罪の名を冠する悪魔の力。欲望を源にして現実を歪める恐ろしいものだ。精神力って言うのはとても重要な影響要素になる。恐怖は戦闘力を奪い、過度の欲望は暴走を引き起こす。
それを肌で感じてもらう為に偉大なる先輩達の姿を見せてもらおうと思ってる。」
(筋だけは通ってるのが質悪い…!!)
(晒し上げてるだけじゃね…??)
顔に疑問符を付けたスザクちゃんが質問を投げる。
「リタ先輩とかユミ先輩とバトる方が強くなれる気がするけど…。」
「それはそうだと思うよ? でもスザクちゃんは戦闘センスが元から有ったからね。伸び率的には、座学とか精神修行とかのが高いはずだよ。」
「そうかぁ…?」
「まあ、その2人は色々忙しいから追加の雑事は別にしたいって思惑も有る。
ちなみにそのユミちゃんも、今現在精神修行の真っ最中だよ。既に失敗してるけど。」
「…っ!」
「失敗?」
「リタちゃんに叱られた彼女に課された修行内容は、『大嫌いな悪魔と仲良くしながら後輩達と楽しく交流する』こと。交流が始まっても無いのに、魔法矢で攻撃するなんて酷いよね~。帰ったら未熟者だってリタちゃんに報告しよ~。」
「~っ!!」きぃいいいッッ!!
ふふふ、屈辱ストレスの感情エネルギー、ご馳走さま~。なかなか刺激的なテイストだ。
「ね? こんな先輩でも言葉1つでこうなるんだ。学べることはたくさん有るよ、スザクちゃん。」
「お、おう…。」確かにそうかも…
「~~っ!!」むっぎぃっっ!!
「──…、」真っ白燃え殻…
「…、」真顔沈黙…
「…、うるさいなぁ…。」不貞腐れ…




