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33話 異世界探検ツアー

男の子には人気の異世界。冒険ものです。


「「「いらっしゃいまっせー」」」


異世界探検ツアーのお客様が、お着きになりました。


「「「おおぉ・・・」」」


ずずーっっと。ネコミミ、ウサミミ、キツネミミ・・・のメイドさんたちに迎えられました。


「こちらは、展示室です。この中から、行ってみたいなと思われる異世界を選んでください。そして、右側のエレベーターで、該当する階へ移動してください」


A君は、展示室の一角に『田舎でのんびり薬師』を見つけました。プログラマーの彼は、毎日夜遅くまで開発とデバッグに明け暮れていました。ついに一念発起、会社の辞表を叩きつけたのです。そして、今日ここにいます。ゆっくりしたい! その声を聞きつけたのか、展示室の一角から呼ぶ声がしたのです。


エレベーターで該当する階に降りると、そこにはウサミミの少女が出迎えてくれました。少女の後ろについて行くと、通路の脇には沢山の先客が横になっています。


深々とシートに身を横たえると、ウサミミさんから説明がありました。薬師と言う看板の家から始まるそうです。村人が時々薬を買いに来ます。薬草畑の面倒を見ながらのんびりできます。一人では何かと不便でしょうからと助手にキツネミミの少女をつけてもらいました。実時間は3時間で、仮想世界は最長10年過ごせます。



Cさんは、令嬢ものに取り憑かれています。自分の容姿を美しく華麗に設定します。登場人物はもちろん、イケメンです。囲まれてお茶会や、舞踏パーティーを楽しみます。


D君は、自分がスライムになって、無双する物語を選びました。


E君は、勇者になって、モンスターを薙ぎ払い、魔王を倒すストーリーにはまっています。


みなさん。楽しんでいます。

ホーソン星の仮想世界は、まだまだ視覚が主ですが、私達の技術では、5感すべてに実体験できます。

でも、ちょっと問題も出ています。帰りたくないって、仮想世界のままで良いなんて人が少しづつ増えています。これには、とにかくお帰り願っており、場合によっては強制送還もやっています。


私ララは、ちょっと思案しました。


「でも、サクラちゃん。そのまま仮想世界にとどめてもいいのよ。あと8年したら、この星は壊滅するのだから」


「本人が望むならば、それも良いかもね」とサクラ。


お金のない人を無限に遊ばせるほど、私たちは暇でもありません。金が尽きた人は、即刻帰ってもらいます。

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