27話 カルミア王国を買収してゴラン王国を設立する。
移住先候補が絞られてきました。現在カルミア王国と呼ばれており、東の大陸と西の大陸に挟まれた、東西1000キロメートル、南北3000キロメートルの小さな陸です。ほとんどが砂漠であり、人は南のほんの一部のみ住んでいます。これから、ここを取得する策を練って行きます。
ある日、ララ・ゴランと名乗る少女が、カルミア王に謁見を求めてきました。このころのララは、投資家として巨額の富を稼いでいました。その資金で、カルミア王国を買いたいと、1年前から王家に打診していたのです。見た目は中学生かと思しき小柄なララ・ゴランを見て、カルミア王国の関係者は冗談だと思って気軽に応対したそうです。それが、『王国を買い取りたい』と言ったのにはびっくり、王国側もなぜか渡りに船、いや東西への蝙蝠外交に嫌気が差していたのか、即日OKを出したのです。
『2月11日13時、最新のニュースをお伝えします。カルミア王国でクーデターが発生し、ゴラン王国になりました。国王には、カルロス・ゴランが就任しました』
まさかね・・・アウセラ王国の第3皇子カラムヂが呟いた。
(まさかニュースで言っていたゴラン王国と関係があるとは、普通思わないよね。ララ・ゴランって名前も、ありふれたものだしね。でも、王家の第一王女がララ・ゴランで、あのララちゃんが写真に写っていたよ)
カルミア王国の砂漠の下には地下資源が豊富にあるそうですが、開発が進んでいません。理由は東西の国が取り込もうと虎視眈々で、双方が開発しないように牽制しあっているためであると。石油、液化ガス、レアメタル、鉄鉱石など鉱物資源は砂漠の下に眠っています。そういう訳で、王国と言っても、南の海岸近くに町があって、およそ20万人ほどが住んでいるだけです。
クーデターは、「金で買われた」という誹りを受けないための嘘です。
そして、今日は、その王権譲渡式とゴラン王国の建国宣言日です。各国の要人や経済界、メディアたちが挙って列席しています。
各国の要人や経済界は、この地で再び、ゴラン王国に取り入って、或いは取り込んで、甘い汁が吸えないか、涎を垂らしながら、思案しています。既得権を有効に使おうと取り入ってくる商売人などが右往左往しています。
「余が、ゴラン王国のカルロス・ゴランじゃ。我が国は世界の中心になるであろう。皆の者、努々疑うことなかれ」
「王が退席されますので、皆さん、頭を下げてください。礼!」
「大事なことをお伝えします。このゴラン王国に許可なく近づくことはできません。攻撃は攻撃元に返されますので注意願います。それでは、この後、王に変わって、私ララ・ゴランが、皆さんの質問をお受けします。質問をお持ちの方は右側の部屋に進んでください」
まあ、素直に礼をする者もあれば、睨む者もいます。まあ、世界は広いです。
「みなさん。手元にあるパンフレットをご覧ください。これからの我が国のプランを載せております。発電プラント、真水プラントや農園、牧場、アミューズメントパークなどを計画しております。この後に予定地を案内します」
プランを30分ほどかけて説明しました。そして、ゴランド株式会社を設立したので、そこへの投資を促したのです。ゴランド株の配当は10%ほどになると。
会場からは、ひそひそとつぶやきが聞こえます。
(アミューズメントパークに約36兆円の投資? )
(これは、破格だよ。投資しない理由がない)
(大風呂敷だよ。こんなところまで遊びに来るはずがない。カラカラの砂漠で何ができるのやら)
先立って、発電プラント、真水プラントの最小版を作って、王城の横に設置しました。見学希望者を率いて10分ほど歩いたところで、見学者は、見たことのない技術の塊を見て、驚愕したのです。
「ララちゃーん」と前から青年が声を掛けてきました。
おぉ・・アウセラ王国の第3王子のカラムヂだ。確か、この前の競馬場では、ルイス・シャーマンって偽名を名乗っていましたね。
「これはこれは、ルイス様、ようこそおいで下さいました。ありがとうございます。今日は忙しいので、またの機会に遊んでやってください。失礼します」
と、足早にすり抜けました。




