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28話 ゴラン王国の開発

国土には、程よく雨が必要です。このカルミア大地は、平坦な島で山が無いため、上昇気流が生まれず、雲が発生しません。そこで、私は山を作ることにしました。風は一年を通して、南から北に吹いています。それを遮る形で山を作ります。


東西1000キロメートル、南北3000キロメートルの、ほぼ長方形を3つに分けて、北から北区、中区、南区と名付けました。北区の北端と南区の南端には山脈配置、中区にも真ん中に山脈を作りました。東西国にある良さそうな山脈を、コピーアンドペーストしました。だから、動植物も川も滝もそのまま生きた状態です。もくもくと雲が発生し、新たに出現した山々に雨が降ります。やがて、低い方へと水が流れ、河になり、乾いた砂漠に水が流れ込んだのです。まあ、3か月ほどかかりました。



この大改造を空の衛星から見ていた東西の国は、びっくり仰天したのです。とんでもない技術力なのか、不可思議な力なのか? 早速、東西の国から現地調査をしたいとお伺いが来ました。事実ならば、とても太刀打ちできるものではないと。

そして、ひょっとしたら、あの星からの侵略ではないかと、東西の政府は秘密裏に調査を進めるのでした。。



一般の人は、カルミア大地の殆どが砂漠であると認識されており、衛星写真を手に入られるわけでもないので、政府はゴラン王国の地形変化の情報を隠匿しました。




さて、大まかな地形改造が完成したので母船の宰相のペドロ・カガクに連絡して、まずは、開発要員の移住です。


「計画通り、要員を移送してください」


「了解しました」


続々と、ゴラン城の広場に、母船から開発要員が降りてきました。総勢30000人。まだまだ必要に応じて転送します。


「みなさーん。ご苦労様です。防御班、発電設備班、真水製造班、耕作班、水路整備班、魔石製造班、外交班、警備班、町構築班、管制班は各リーダの元に集まってください。今後の作業指示を出します」


「防御班と警備班は、迅速に動いて下さいね。東西の国などが侵略を狙っています。また、警備班は内部反乱分子の摘発と隔離を急いでください」


「管制班は、ゴラン城の地下2階に施設を構築してください」


次々と指示が飛ばされる。ゴラン国家の存亡に必要なことを迅速に備えてゆきます。


一方、東西の国に限らず、多くの国が、この新生ゴラン王国を狙っています。衛星からの画像を、形を変えてゆく地形や道路などを驚愕のうちに見入っています。そして、その科学力に太刀打ちできないと思い知るのでした。



まあ、文明力は私たちの方が格段の上にあり、魔法による防御結界などもできるので、心配はしていませんが。どう対応するかで、今後の侵略の計画が左右されます。できれば、『いつのまにか侵略されていた』にしたいと思っていましたが、無理みたいですね。



ゴラン王国を一大娯楽王国にします。娯楽は人々の心を癒します。まずは、東西国にある娯楽設備の調査ですね。湯浅ランド、UBAスタジオ、ディーバーランドなど娯楽施設を見て回り、収集したパンフレットを見ながら、意見交換をしました。


「ジェットコースターは、若い女性に人気ですね」


「小さな子供には、親御さんと一緒に遊べる広場とちょっとした遊具が良さそうですね」


「仮想体験も若者にはうけると思うわ」


それから1年後、ゴラン国は急ピッチで開発が進みました。



ここで、ゴラン王国の家族を紹介しておきましょう。


カルロス・ゴラン:お父様45歳。 ゴラン王国の国家元首、魔法使い

マリア・ゴラン:お母様40歳。カルロスの妃。水・光・土の魔法能力


ララ・ゴラン:長女20歳。魔女

リリ・ゴラン:次女13歳。歌手

ルル・ゴラン:三女10歳。会社経営・商人

レダン・ゴラン:長男17歳。政治・経済・教育

ロダン・ゴラン:次男15歳。生産・技術・魔術


ゴラン一家を中心にしてゴラン王国を運営しています。


「ロダン兄さん。国土の開発は、どの程度進んでいますか? 」


「中区と南区の2000キロメートルの主幹線が昨日完成しました」


国土の開発計画は練りに練りましたが、最初は単純にやって、追々必要な変更や追加をしてゆくことにしました。取りあえず、道路、鉄道、真水化装置などを大まかに配置した計画を実行しました。


幅50メートル、距離1000キロメートルの直線道路です。まっすぐ地平線に向かっています。その脇には鉄道と幅30メートルの水路。このような道が、東西100キロメートルごとに通っています。さらに、幅20メートルの道で、一区画20キロ四方の碁盤目を形成しています。20キロメートル四方の中には、作業用の道路が縦横に走っています。道路は農作業の補助です。トラクターなどの移動に使われます。収穫物は列車ですし、移動も客車を走らせます。


同じような景色が続くため、どこを走っているのか、わかりにくいですね。もっとも、この道路を走るのは魔素自動車のみです。電子回路を持った車や、電気自動車は走っていません。観光客や視察客にも魔素自動車が用意されます。水路には、運搬用の平底船。鉄道は、幅5メートルで重量物が運ばれます。


耕作地はおよそ15万平方キロメートルになりました。そこには灌水に十分な水路とスプリンクラーが設置されています。真水プラントは、ゴラン王国の周囲8000キロメートルに50基が稼働しており、能力は毎時1000万トンの海水を真水に変えています。用水路とは言い難い大きな水路は、東西の中央に流れてセンターにある、直径500キロメートルの大きな湖に集約されています。


発電設備もありますが、これは真水プラントや、アミューズメントパークなどに供給されており、余剰を東西の国へ売電しています。

ゴラン王国は、基本、魔素物理で動いていますので、いずれ発電設備は発魔設備に変わります。



一方、旧カルミヤ王国に巣食っていた悪者を退治するため、王の勅命で以下の通達を各家に出しました。


1,資産に応じて税金をかけるので、各家は資産を申告すること。

  税金は、資産に年10%、負債に5%、儲けに80%とする。


2,申告しない者、或いは虚偽の申告をした者は、投獄する。


3,国外に逃亡した者は、国内外の資産・口座を凍結する。


この国には、蝙蝠外交で、たっぷり儲けたものが沢山います。***開発とか、***投資とか。無能な前王は疑いもせずOKを出してきました。資金の横流しで私腹を肥やしてきたのです。また東西の国からも、それを目的にカルミア王国の家臣となったものも多いです。くすねた金で贅沢の極みを尽くし、東西の政治家に賄賂を贈り、自分たちに有利に動いてもらっていました。


それが、ゴラン王国になった途端、有り金を税金と称して没収されたのです。これには、怒り心頭で、東西の政治家を動かして、ゴラン王国を攻撃することになりました。最初は、領海・領空を重ねていましたが、ある日、東の国からミサイルが飛んできて、西の国からは得体のしれないものを空から落とすようになりました。


観光客を装って、入国する破壊分子もいますが、入国審査で防除しています。

まあ、私たちの結界を、今のホーソン星の技術では破ることはできません。毎日、手を変え品を変えて、ゴラン王国を滅ぼそうと。なかなか諦めないですね。どこかで「ガツン」とやりましょう。

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