特注モナカと恋心
「……ぅん…?にゅん♡おぁよ……?」
起きた私は混乱していた。なんでお手々握ってるの?私、握ってた?わかんない。
まぁいいや。
「おう、アリス。起きたか。コーヒーでも飲むか?」
「もう。また寝かそうとしてるでしょ。知ってるんだからね。寝てるときに足見てるの」
「じゃあ、なぜ見てるか知ってるか?」と間髪入れずに返ってきて、私は「うーーーん。……私の足が小さくて可愛いから?」と上目遣いで返すことしかできなかった。
「違うわ!!布団蹴り飛ばしたり、俺を蹴飛ばしたり、次は何を蹴飛ばすかわからんからだ」
私は思わず息を呑んだ。いや、あの、女の子として見て欲しいんだけどなぁ。
あ、でも、女の子として見てくれてるのかな?どちらかと言うと珍獣?
「まぁ、お前の足可愛いよな。俺の手と一緒ぐらいか?」とシラっとした感じで私の足に触れる。
蹴ろうと思えば蹴れる距離……なのに…蹴る気は起きなくて、なんだか特別で……その感情の名前を知ったのはつい最近。
これが、恋………なん…だよ…ね。わからない。なんでこんなに痛いの?せっかくだから半分持ちなさいよ、ブレイズ。なんて私らしくないかも。でも、なんだか1人で持つには重たいし、……重たい物と言えば男の子が持つものでしょ?
だから、持ってよ……ブレイズ。
「わかった。持ってやる。ほれ」
そう言って私を抱き上げるブレイズ。やっぱり12センチって大きいなぁ。ブレイズの視点で見てしまうと何もかもがいつもより低く見える。
あれ?なんで持ってやるになったの?あれ?漏れてた?
そういえば、……モナカ!!!!!!
2時間経ったよね?モナカ!!モナカ!!!
「もなかぁ……」と私が言うと「わかってる。コーヒーも入ってるからな」と何故か私を抱き上げたまま魔王城のキッチンに連れてこられた。
あの、他の人仕事してるんだよ?見られてるし、恥ずかしいよ。
でも、拒む理由が見当たらなくて、本当は少し嬉しくて、何も言わずに抱き着いていた。
ブレイズの音……強いなぁ……。私の心臓も同じ音してるのかな?カッコいいなぁ。
「まだ抱き着いてたいか?」とブレイズに茶化され、「お、降りる……よ。でも、もうちょっとだけ」と本音が漏れてしまった。
ブレイズは「そうか。降りる時言えよ」と言ってしばらく抱き締めてくれていた。
「降りる。ありがとう」と言って降りる。
数分後、「もなか持って来たぞ」とブレイズが2つ皿を持っていた。きっと一緒に食べてくれるんだろうなぁ……。
特注の抹茶モナカは抹茶の苦みとこしあんの甘みがしっかりと調和してて物凄く美味しかった。でも、特注のモナカと同じくらいブレイズの淹れるコーヒーは美味しい。
しあわせぇ……。ブレイズぅ…眠い。
「了解……」
最後の方なんて言ってたんだろう。
おやすみ……。




