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異世界金融 〜 働きたくないカス教師が異世界で金貸しを始めたら無双しそうな件 〜 #いせきん  作者: 暮伊豆
第7章

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536、五つの死体と二つの条件

問題は隊長の証言だよな。こっちの冒険者から攻撃したってさ。そんなの誰が信じるってんだよ。


「で、隊長とやらはどこだ?」


「申し訳ございません。昨夜呼び出した時にはいたのですが、今朝になって姿を眩ましてしまいまして」


やれやれ。あからさまに証拠を消してくれるじゃないか。隊長以外のそこら辺の奴から聞き出してもいいが……


『狙撃(スナイプ)』


「な、何をなさるので……」


「お前が弁解できないってことは有罪ってことだ。ただ、話も聞かずに皆殺しにするのはやりすぎだと思ってな。こちらの死人に合わせて今の五人だけで勘弁してやる。」


貫通しても他の奴らを巻き込まないようちゃんと角度を調整したんだぜ? それでも一瞬で五人の額に一発ずつ。我ながら惚れ惚れする魔法制御だね。ちなみに楽園で死んだ奴らはカウントに入れてない。


「てっ、てめぇああああ!」

「やりやがったなぁクソがあ!」

「さっきからナメたことばっかしやがってよぉ!」

「もう許せねぇ! やっちまえやぁ!」

「ぶち殺せええええあぁあぁあ!」


「シュガーバ、動かなくていいぞ。」


カムイ、適当に暴れて。


「はいよー。」

「ガウガウ」


『グォオオオオオォォォォーーーー!』


あらら。カムイったら面倒くさがったのか? 魔声(ませい)一発で終わりかよ。


ほとんどの奴が気絶してるが……ふーん、やるじゃん。


「番頭さんよ。お前こいつらを止めようともしなかったな? 威力偵察でもしたかったのか?」


カムイの広範囲魔声をくらって平然としてやがる。明らかにただの商人じゃないねぇ。


「は、ははは……さすがは魔王の牙とも呼ばれるフェンリル狼ですね……寄せ集めの兵では相手にもならないようで」


「なあ番頭さんよ。お前はバンダルゴウの商人か? それともメリケインの尖兵か?」


「な、何を異なことを言っておられるので? 私はバンダルゴウはシャイロック商会の番頭であり商人に決まってございます」


「じゃあ腹を割って話そうか。お前がメリケインの尖兵だろうがただの商人だろうがここに港を作るのは許してやっていいと思ってるぜ?」


「そ、それは、ありがとうございます……」


おやおや。自分に有利すぎて怪しんでる顔だね。昨夜はめちゃくちゃポーカーフェイスだったくせにさぁ。


「場合によってはこちらから警護の人員を出してもいい。ここらはかなり危険だからな。昨夜一晩泊まってよく無事だったな?」


「それなりに警戒しておりますので。で、そこまでしてくださる理由は何でしょう?」


「簡単さ。俺らにとってここに港があった方が得だからな。」


もちろん本当。私個人にとってはどうでもいいことだが、エルネスト君やフランツウッドにとってはかなり助かる話だろうさ。楽園の発展にも繋がるしね。

くく、発展か……ただの別荘のつもりで作った楽園がねぇ。これまた個人的にはどうでもいいことだけど、リリス達従業員には不幸になってほしくないからな。なるべく楽に暮らしてもらうためにも発展の必要はあるわなぁ。ナーサリーさんみたいな治癒魔法使いがいつまで居てくれるのかも分からないんだしさぁ。


「ではもし、私がメリケインの尖兵だったらどうされるので?」


「別に? 少なくとも港の完成までは見逃してやるよ。あぁそうそう。昨日あれからさ、ヒイズルの天都イカルガまで行ってさ。天公クワナと話してきたんだよな。」


「なっ!? さ、昨夜、ですか!?」


ほう。意外と驚いてくれるじゃん。私の移動速度や距離はリサーチ不足だったか? それとも天公様にアポなし訪問が可能な方か?


「ああ。ちょっとお前らのことが気になってな。ヒイズルではどうなのか聞きに行ったわけよ。あの船、ヒガンテブランコだっけ? ヒイズルに寄ってないんだってな。てことはメリケインからいきなりここに来たのか? たいした技術じゃん。」


この場合技術を褒めるべきか、無事にここまでたどり着いた戦力を褒めるべきか。

まぁ、その場合この番頭はどこで船に乗り込んだのか少しは気になるけどね。わざわざバンダルゴウに寄ったとは思えないし。


「そこまでお見通しでしたか。しかし本当によろしいので? 私も詳しいわけではありませんが、メリケインの技術や戦力は侮れないものがあるかと。ヒイズルより東のオースター海はどこまでも広く深い。そこを乗りこえてやってきたわけですから。確かにヒガンテブランコの一隻や二隻なら魔王様の敵ではないかもしれません。しかし百や二百なら……」


やけに素直になったな。実はメリケインの尖兵ではないってか?


「その時考えるさ。百や二百でも上陸する前なら正直楽勝だしな。で、そんなことよりどうするんだ? 港を作りたいならとりあえず……そうだな。死んだ五人に対して見舞金でも出してもらおうか。大金貨五枚でいい。」


実は海にいようが上陸されようが、地獄のような奥の手があるんだよね。できれば使いたくない『呪いの魔笛』という最悪の手段がさ。私は持ってないけど王家に一つあるよな。ゴレライアスさんも持ってるはずだし。いくらでも借りてきてやるぜ。あれを海のど真ん中で吹いたらマジで地獄絵図だよなぁ……


「はは……そ、そうですか。私には冗談でも言えませんな。しかし、かしこまりました。港に関しては許可をいただけたと思ってよろしいでしょうか?」


「まだだな。もう一つ、いや二つ条件がある。」


敢えて言うまでもないことが一つ。そこそこ大事なことが一つだ。


「お聞かせ願えますか?」


「これは条件と言うほどのことではない、港ができた後のことだが…………」


さあ、番頭さんどうする?

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