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異世界金融 〜 働きたくないカス教師が異世界で金貸しを始めたら無双しそうな件 〜 #いせきん  作者: 暮伊豆
第7章

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513、ナーサリーの皮算用

ゼマティス家までの帰りは徒歩で。第三城壁内は普通みんな馬車だけど私達には関係ないね。歩きたいから歩くのさ。


到着。門番さんも快く出迎えてくれる。


お、村長帰ってたんだ。朝帰りならぬ夕帰り? しかも意外な来客まで。村長が連れてきたのかな?


「やあフェリクス、帰ってたんだね。ナーサリーさんもようこそ。」


「先程帰ったばかりでの。この際だからナーサリー殿も誘ってみたというわけよ。」


「お邪魔してるよぉ。ここにはイザベル姐さんがいた時に一回来たっきりだからねぇ……やっぱり緊張するわ……」


へー、そうなんだね。一回だけ。意外なのか当然なのか。なんてったって魔道貴族ゼマティス家だからなぁ。


「あらカース君にアレックスちゃん。お帰りなさい。楽しめたかしら?」


おっと伯母さんだ。なんと自らティーセットを運んできたじゃないか。村長はともかくナーサリーさんまで賓客扱いか?


「ただいま帰りました。ええ、いい買い物ができました。」

「ただいま帰りました。」


「それはよかったわ。夕食までもう少し時間があるから、飲むわよね?」


「ええ、いただきます。」

「ありがとうございます。」


これまた伯母さんが手ずからお茶を注いでくれるではないか。


「すまぬな。いただくぞえ。」

「ありがとうございます奥様。いただきます。」


あっ、いい香り。正統派の紅茶って感じかな。ふぅ……美味しい。


「おおそうだカース殿よ。ナーサリー殿があそこに興味を示しておるでの。」


「あそこ?」


「北の方に街を作ったそうじゃないかぁい。そんなの誰だって気になるに決まってるさぁ。しかも治癒魔法使いが欲しいんだってぇ?」


マジか。それは渡りに船、いや門出に辻馬車じゃん。


「それはありがたいけど、いいの? 行ったらなかなか帰ってこれないよ?」


「その時ぁ何とかするさぁ。で、ラグナからも聞いてんよぉ? かなぁりデカい金が動くんだろぉ? 一枚噛ませておくれよぉー。」


「欲しいのは正確には避妊魔法の使い手だけど、ナーサリーさんならどっちも使えるよね?」


治癒魔法使いもあっちじゃかなり優遇されるしね。


「当たり前さぁ。で、どうなんだぁい?」


「もちろんいいんだけど、いくつか条件があるよ。」


「ほぉう? いいともさぁ。言ってごらん。」


「大したことじゃないけどね。あっちには代官リリスってのがいるからさ。リリスの指示は絶対ってこと。それさえ守ってくれるならかなり稼げると思うよ。」


大金が動くかどうかは知らないが、王都より稼げるのはたぶん間違いないんじゃないかな。


「ふぅん? そいつぁラグナの後輩って話だったねぇ。まあいいさ。無茶なことぁ言われないんだろう?」


「たぶんね。でも大襲撃とかバカな冒険者とかそれなりに危険はあるからね? その時はリリスだって無茶な命令すると思うよ。先輩風は吹かせてもいいけど、仕事はきっちり頼むよ?」


「当たり前じゃないのさぁ。姐さんに恥ぃかかせるような真似はしないよ。じゃあ、いいんだね?」


「いいよ。詳しい条件とかはあっちに着いてリリスから聞いてね。それで納得すれば契約魔法をかけるからさ。一ヶ月ぐらいお試し期間を設けてもいいしね。」


「ようし決まりだ。で、いつ行くんだぁい?」


うーん、どうしよう……あ、そうだ。


「明日でどう? 明日は辺境伯を領都に連れて帰るからさ。そのついでに楽園(エデン)にも行けばいい。急だけどどう?」


「いいねぇ。こぉんな美味い話は早いモン勝ちだからねぇ。そうなると私は帰るとするよ。明日の出発までに準備しとかないとねぇ。」


そこまで美味い話でもないぞ? 取らぬオーガの皮算用しまくってない? 私は全然構わないが。


「ここまで来なくてもどこかの東門で待っててくれたら拾うよ?」


「あぁ、そいつはいいねぇ。じゃ第二城壁東門の外で待つとするよ。何時ぐらいだぁい?」


「ここを朝イチに出るから八時か九時かな。」


「分かったよぅ。せいぜい遅れないようにするさぁ。では奥様、ご馳走になりました。これにて失礼させていただきます。」


「ええ。北に行っても元気でね?」


今の時間だと第三城門を通れるかギリギリかな。まぁ急げば間に合うよね。


それにしてもナーサリーさんたらどういう風の吹き回しだろうね。王都にいられないようなミスをするタイプではないだろうし。短期間でガツンと稼ぎたいとか? たぶんだけどラグナから景気のいい話でも聞いたんだろうなぁ。私としてはありがたいからいいんだけどさ。

後はリリスの判断次第だろうな。

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― 新着の感想 ―
ナーサリーからすると美味しい話なのかな。
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