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異世界金融 〜 働きたくないカス教師が異世界で金貸しを始めたら無双しそうな件 〜 #いせきん  作者: 暮伊豆
第7章

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354、明暗

それにしても……何から聞いたもんかな。私から見てもドストエフの腕はかなりのものだった。たぶん私が奴と同じ装備でやり合った勝てないだろうな。短期決戦ならね。

ダミアンの指摘した通り、今なら奴が稽古不足でスタミナに難があるのは分かる。ダミアンの単純な誘いにホイホイ乗るほど実戦経験が少ないの分かる。

分からないのはドストエフの剣が折れた理由だ。


「で、ダミアン。その革鎧はどういうことよ? ムリーマ山脈で手に入れたとか聞こえたけど。短剣も。明らかに普通じゃないよな。」


「なぁに、大したことねーさ。おめーなら知ってんだろ。これ、サウザンドミヅチだぜ?」


「え? あー! そういや二、三ヶ月前に出たとか言ってたな! マジかよ……サウザンドミヅチの革鎧と……牙を短剣にしたってわけか。そりゃほぼ無敵だな……」


マジかよ。そりゃどこかで見たことあるわ。だってアレクもサウザンドミヅチの牙製短剣持ってるもん。


「しかも成体の、だぜ?」


「マジで!? つーかよく勝てたな!?」


それは初耳なんだが。私がいつだったか蒸し殺しにしたサウザンドミヅチは幼生だったってのに。

そりゃあ私の白王龍ウエストコートには及ばないにしても、かなりすげぇもん持ってやがるじゃん。ここらじゃ絶対無敵だろ……


「まっ、バーンズ達が居てよかったぜ。俺ぁ邪魔んならねーようなウロチョロしてただけだからよ。」


「現場に居ただけでも上等だろ。つーかお前マジでよく生きてたな……」


かの剣聖ヘイライト・モースフラット先生でも三日三晩かかったって話だよな。まああの人の場合は二対一だったからだっけ? こっちは五等星が三人に六等星だって大勢いただろうし。おまけにラグナも。


「ダミアンはよくやったさぁ。戦場を走り回っちゃあ細かく指示出してさぁ。ほんっと、あんなバケモン相手によく勝てたもんだねぇ……」


「かかかっ。運が良かっただけだぜ。そんでまぁバーンズ達の好意でよ? 革鎧と短剣用の素材を貰っちまったってわけだ。」


マジか。バーンズさんは好意でこんなくそ高い素材を譲るような人じゃないだろ。つまりダミアンはそれ程の活躍をしたってことだ。やるじゃん。


「ついでにもう一つ。ドストエフがお前の母上に暴言吐いたって? それ初耳なんだが。」


いつぞやは、母親が『ダミアンが辺境伯になった姿を見てみたかった……』と言い残したって聞いたんだが。


「ちっと待てよ。脱ぐからよ。こいつ防御に全振りでよぉ……着心地ぁ悪いし暑苦しいしで大変なんだぜ? ほら見てみろよここ、かなり擦れてんだろ? おー痛ぇ。」


Tシャツの上に革鎧かよ。そりゃあちこち擦れそうだな。つーかサイズ自動調整も温度調節も付与されてないってことだよな? そりゃ暑くてやってらんないだろうに……てことは代わりに『硬化』とか『堅牢』とかが付与されてんだろうなぁ。

仕立て屋の腕にもよるけど、一つの素材に付与できる魔法効果は二つか三つって話だもんな。多くやればその分一つ一つの効果が落ちるとも聞くし。

増してやサウザンドミヅチだもんな。仕立て屋もかなり苦労したんだろうなぁ。


『浄化』


「お疲れ。ちっとは腹も引っ込んでんじゃん。」


「ふぃー、すっきりいい気分だぜ。ありがとよ。んで、兄貴が俺の母親を売女(サロープ)と呼んだ件だろ? そりゃ言ってないんだから当たり前だろ。リゼットもラグナも知らねーさ。」


「まったく、あんたって奴は……そのぐらい言えばいいだろうにさぁ?」


確かにね。でも言わなかった気持ちも分かる。しかし、普通ならその場で斬りかかってもおかしくないところを……ダミアンはよく我慢したよな。いくらその時は勝ち目がなかったとしてもさ。私なら絶対暴れてるよ。とてもじゃないが許せるもんじゃない。


「言ったらお前すぐ兄貴やりに行っちまうだろ。それじゃあ意味ねーからよ。リゼットもそうだ。怒りで冷静な判断を狂わされちゃあ困るからな。今日までずっと我慢したんだぜ? まぁ、本当ならパーティー会場で立場を分からせた上で後日闇討ちする気だったんたけどな。」


闇討ちかよ! まぁ、勝てるかは賭けだって言ってたもんな。ドストエフのあの剣、いくらサウザンドミヅチの革鎧でも防ぎきれるかは分からないし。たまたまドストエフが稽古不足な上に剣の手入れもしてなかったから良かったものの……

例えばドストエフが突きなんかしてきた日にはダミアンの技量じゃ避けるのも防ぐのも無理だったはずだ。


権謀に溺れて自分を磨くことを忘れ周囲を駒のように扱った長男と、こつこつと周囲を味方につけた三男の差が出たってとこなのかな。ドストエフだってあれだけの技量を身につけてたんだし、昔は青雲の志とか持ってたはずだろうに。

ほんと、どこで差がついたんだろうね。


「ダミアン……やってくれたわね……」


ん? この人は……


「げっ、奥様……」


辺境伯夫人のクリスティアーヌさんじゃないか。さすがのダミアンもこの人の前じゃあ小さくなるんだな……


「カース……」


「アレク。来てたんだね。」


なぜこんな時間に? たまたま……なわけない。私やダミアンが見落としてる視点ってもしかして……辺境伯夫人のこと?

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