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異世界金融 〜 働きたくないカス教師が異世界で金貸しを始めたら無双しそうな件 〜 #いせきん  作者: 暮伊豆
第7章

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180、左手の親指

ふぅ……どうにか股関節まで到達したぞ……

アースドラゴンの体内を、正確には肉と皮の間を、まるで障害物競走の網をくぐるかのように切り開きながら。これ私のように自動防御を使ってないと体中血と脂まみれになっちまうぞ……スティード君大丈夫か? いくらセルジュ君が切り離した分の皮を持ち上げてるからって。


だが問題はここからだ。どうにか股関節から後脚を切り離さないとな。とりあえず脚に沿って切っていくか……骨に到達するまで。その骨、大腿骨の骨を骨盤から外さない限り終わらないはずだし。

あ、でもあらかた切り離したら後は自重でどーんと落ちたりしないだろうか? めちゃくちゃ重いわけだしさ。


そうなると……ちょっと待とう。他の進捗を確認せねば。なに私リーダーっぽい動きしてんだ……


『みんなー。一旦外に出てきて。ちょっと打ち合わせしようよ』


スティード君の所まで行こうかと思ったけど、皮の波間を進むのは大変だからな。それにダークエルフ達とも相談が要るもんだから休憩を兼ねて全員でミーティングだ。


よし。全員集まったね。とりあえず全員に『浄化』

まあ汚れてるのはスティード君だけだが。ダークエルフ達は水の魔法を薄っすら纏ってるのね。


「さて、ちょっと打ち合わせをしたいんだよね。えーっと、僕が担当してるとこは股関節辺りまで行った。で、ここから後脚の切り離しをしたいんだけど。その場合、片方だけ先にやっちゃうとバランスが崩れて事故が起こったりしそうなの。だからスティード君とタイミングを合わせて行いたいと思ってんのね。あと、その時はダークエルフ達も避けておいて欲しいし。」


「カース君早いね。こっちはまだまだかな。たぶん半分ってとこだね。ダークエルフさん達は?」


「んあー、こっちは終わったぜぇー。今は首周りをやってるとこだぁ。後脚を外す前に首を外しておきたいとこだがなぁ……」


その場合背中周りの肉がごっそり取れて頭部は背中からの皮で繋がってぶらんぶらんするってことだな。なんせ皮が切れないんだからそうするしかないわな。

首の骨を外すのもハードそうだが……最悪そこは外さなくても自重でぶち折れそうな気もするが。


「分かった。じゃあスティード君はそのまま継続で。僕も少しそっち方面を手伝うから。クライフトさん達も首周りを継続ね。終わったら教えて。首が切れてから後脚を外すから。」


「分かったよカース君!」


「んあー。任しとけぇー。」


では作業再開。ご安全に。


スティード君は背骨から左脇腹まで、私は逆に左脇腹から背中へと切り開いていく。途中でかち合うとまずいので私の方が少し先に進んでおく。

でもこれって進めば進むほどアレク達にとっては皮を持ち上げるのがハードになってくるんだよな。重荷が吊り下がったワイヤーを途中から持ち上げるようなもんだからね。しかもそのまま固定するわけだし。

どうにか動ける程度の隙間を作ってくれたらそれで充分さ。べろーんとめくるのは不可能だしね。




ふぅ、よし……股関節まで行ったぞ。ぶっとい背ロースもゲットした。肋周りの肉は後でいいよな。

あー疲れた……スティード君もそろそろだろう。


『クライフトさん。そろそろ後脚に手をつけるよ。そっちはどう?』


『んあー。首周りも肩周りも全部肉は切り離せたけどよぉー。首の骨に苦戦中だぁ。もう少しでいけそうなんだけどよぉー。』


普通なら首なんて頸椎の骨と骨の隙間にナイフを入れて内側を切れば比較的すぐ外れるんだけどね。なんせアースドラゴンだからなぁ。クライフトさんが苦戦してるってことは技術的な問題じゃないんだろう。


『もう少ししたら見に行く。』


その前に背中周りの肉を全部回収しておかないとね。


「ぷはぁ! ここまでかな? すっごい大変だね……」


よし。スティード君も追いついてきたね。


「じゃあ脚を外す前に肉をなるべく魔力庫に収納しておこうか。細かいのは後回しでさ。」


「うん、そうだね!」


その間に私は首の方へと。




「クライフトさん、調子はどうだい?」


おお、すごいな。首周りの肉が全てきれいに落とされてる。肩も首も骨が剥き出しじゃん。


「んあー、ここんとこよぉ。いつもならここに刃ぁ入れて首ぃ落とすんだけどよー。全然入りもしねーの。」


椎間孔って言うんだっけ? 逆さ吊りの態勢なんだから首の骨と骨の隙間だって広がりそうなもんなのに。これがアースドラゴンの頑丈さか。

そうなると、もう無理やりやるしかないな。


水鋸(みずのこ)


「これで地道にやろっか。少しでも隙間が空いたら何とかなるんじゃん?」


「んあー、まあなー。しっかしこれすげぇなー。どんだけ速く回ってんだぁ? 俺の『旋回転磨(せんかいてんま)』より絶対切れ味いいんじゃねーの?」


「そりゃ分からないよ。目的だって違うしね。」


私のはただ切れさえすればいいんだから。クライフトさんのは切るってより磨くためじゃん? 私みたいにごり押しするわけにもいなだろ。


まだか? マギトレントでも切断する私の水鋸。アースドラゴンの首の骨に通用するんだろうか。魔力アップ、回転アップ、しかし刃は薄く……


「危なーい! 肉が落ちた!」


うおっ!? スティード君、ぐえっ、痛ってぇ……ぎゃああああぁぁーー


マジかよ……


左手の親指……どこ行った?

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― 新着の感想 ―
えらい騒ぎになってきましたね。
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