158、ソンブレア村へ
いやー、昨日は昼から夜中までよく飲んだなぁ。でも途中でネクタールや激まず魔王ポーションを飲んだせいか目覚めはばっちり。体調もかなりいいね。
「おはよう。カースも元気そうね。」
「おはよ。アレクも早起きだね。今日もかわいいよ。」
顔色がいいね。肌艶も素晴らしい。アレクはノーリスクでネクタールを飲める側の人間だからね。
「もうっ、カースったら。嬉しいわ。ありがとう。」
ふふふっ、ほっぺにチューして貰っちゃった。朝から嬉しいね。
「じゃあサンドラちゃん達の様子を見に行こうか。もう起きてると思うんだよね。」
「そうね。でもカースはちょっと待って。私が見に行くから。」
ん? 別にどっちでもいいけど……一緒に行けばいいような……
「そう? じゃあ待ってるね。」
うーむ、アレクのやることだからきっと何か理由があるに違いない。どんな?
まあいいや。それより朝食はどうしようかな。村長に作ってもらうか、アレクに作ってもらうか。それが問題だよね。
「ガウガウ」
おう。カムイ起きたか。腹へったって? お前昨日かなり食べてたのに……
「ガウガウ」
昨日の分まで手洗いとブラッシングしろって? 悪かったって。昨日はそれどころじゃなかったんだからさぁ。
じゃあ朝飯食ったらやってやるからな。それまで待ってくれよ?
「ガウガウ」
肉の塊が食いたいって? 表面だけ軽く炙ったやつを? 仕方ないなぁ。先にお前の分だけ焼いてやるよ。つーかお前いつから炙るなんて言葉使いだしたんだよ……
まったくもう。朝から贅沢言いやがって。
「カースったらここにいたのね。サンドラちゃん達は起きてたわよ。みんな元気いっぱいだったわ。あと朝食は村長が作ってくれるそうよ。昨日のお礼ですって。」
「それは楽しみだね。ところでアレクが一人で行ったのは何か意味があったの?」
「大したことじゃないんだけど、サンドラちゃんがあられもない姿だったらいけないと思っただけよ。」
「あ、あー……」
さすがアレク。よく考えてるのね。自分の裸体にはそこそこ無頓着なのに……
「ちなみにサンドラちゃんだけど、早速ダークエルフの村に行きたがってたわよ?」
「あら、そうなんだね。別に行ってもいいよ。僕も気になるしね。」
イグドラシルの成長具合や村人の状況とかさ。みんな元気ならいいんだけど。
それにしてもサンドラちゃんの好奇心が止まらないねぇ。いいことだ。
ふーぅ。村長謹製の朝食。美味かったよ。味の濃い麦のお粥って感じだろうか。肉と野菜もほどよく入っててさ。朝からヘルシーかつ腹いっぱいって感じ?
「ご馳走様。美味しかったよ。あ、そうだ村長、今からソンブレア村まで行くんだけど誰かあっちに用があるならついでに乗せてくよ?」
「ほう。もう行くのか。ちゃんと帰ってくるのだろうな? ふぅむ、特に用はないが一人二人連れていって欲しいところではあるな。何かの助けにはなるだろう。あやつらは同胞ゆえの。」
おおー、優しいねぇ。これもう全エルフ族の盟主レベルじゃない? 実際ハイエルフってこの村長含めて二、三人しかいないんだったっけ?
「じゃあ適当に選んでくれる? もうすぐ出るからさ。」
「うむ。」
おっ、魔力が動いてる。誰かに伝言を使ってるな。
「三人ほど行くことになったぞ。カース殿の配下のあの三人がの。」
「あ、あー……別に配下じゃないけどね。」
あいつは自称舎弟だけど別に下に見たりはしてないからね。私これでもエルフへの恩を忘れたわけじゃないんだしさ。上も下もないよね。
「分かったよ。あ、もちろん戻ってくるよ。蟠桃も捥ぎに行きたいしね。」
「うむ。それもよいな。では、早く帰ってきてくれいのぉ。」
「サンドラちゃん次第かな? ねっ。」
「そんなの行ってみないと分からないわ。だいたいこの村でさえまだまだ知りたいことだらけなんだから!」
サンドラちゃんたら蠢く闇の話がよほど気になるんだろうなぁ。そりゃあ私達としてはあれこれ備えておくべきではあるんだろうけど。
でもまあ化け物ハイエルフ村長がいるんだし、何とでもなるよね。私は気にせず過ごすぜ。




