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異世界金融 〜 働きたくないカス教師が異世界で金貸しを始めたら無双しそうな件 〜 #いせきん  作者: 暮伊豆
第6章

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508、長老の遺志

岩山を出て、バルダを先頭にドワーフ達は歩く。長老の遺体は板の上に乗せられてドワーフ達が担いでいる。ノミーデスは変わらず長老の胸の上だ。


「参ったね。まさか長老がここまでするなんてさ……」


「どうしてもカースにお礼をしたかったのね。それに、たぶん寿命だったみたいだし……」


それは分かる。だいたい二百年だって言ってたもんな。だからたぶん最後の力を振り絞って……たぶん私への礼もあるんだろうけど、残されたドワーフ達のためでもあるんだろうな……


「見事な最期だったね。何と言うか、本当にみんなのことを考えてああしたんだろうね。」


「そうね。ギリギリまで生きて導き続けることと、ああして命を使うことを天秤にかけて後者を選んだんだわ。たぶん正解ね……」


故郷に帰れたし、中にも入れた。もう悔いもないだろうし……残りわずかな命をだらだら使うより一気に使ったわけか。普通そんな判断できないよなぁ……見事だわ長老……


「それに他のドワーフも見事なもんだよね。いきなりリーダーが死んだのに、みんな冷静で、粛々と葬儀を始めてさ。」


「それはたぶんカースのおかげよ? だってカースの一言でみんな落ち着いたわけだし。」


「そう?」


どの一言だっけ?


「そうよ。長老が亡くなった以上してあげられることは葬儀のみ。カースの一言でドワーフ達はそれを思い出したのよ。だからみんな一致団結して動いているわけね。」


あー、ドワーフ達の葬儀について質問したからか。だってそりゃあローランド式とは違うだろうからなぁ。

あ、葬儀と聞いて嫌なことを想像してしまった……地下で働かされたドワーフって死んだ時はどうなったんだろう……砂漠葬なんか不可能じゃん……どうせゴミみたいに捨てられてたんじゃないだろうか。いや、あの外道どもならもっと酷いことしてそうだな……何かの実験に使うとかさ。さすがにドワーフ達には聞けないな……


「たまたまだよ。ちょっと気になったから聞いてみただけ。でも、ドワーフ達の役に立ったんならよかったよ。」


「役に立つか……長老が宝玉をカースに渡したのってその辺りにも理由がありそうね。」


「ん? どういうこと?」


「ほら、カースったら何から何までやってあげたじゃない? もう役に立つとかって次元じゃないわ。それって言い方を変えるとドワーフ達の自立の芽を摘んでるわけじゃない? 長老はそこを心配して宝玉の力に頼りっきりにならずとも自立できるようカースに託したんじゃないかしら。」


なるほど……さすがアレクは鋭いなぁ。そんな気がしてきた。でもそうなると何十年後とは言わず五年後ぐらいにまた来てあげたくなるじゃないか。


「それもそうかもね。長老ったらしっかり考えてるんだね。」


「それなのに族長を名乗ってなかったところを見るとみんなに対する引け目でもあったのかしらね。仲間をあんな目に遭わせてしまった責任を感じてるとか……」


言われてみれば族長ではなく長老だもんなぁ。バルダを族長に指名したぐらいだしリーダー的存在なのは間違いないだろうに。


「もう分からないね。そんなのも全部含めて宝玉の復活に尽力したってところかな。偉大な男だったね。」


「そうね。二百年耐え忍び、そしてついに日の目を見た……尊敬すべき男ね。」


まったく、その通りだよ。む、ドワーフ達が止まっている。着いたのか?


ほう、高さ三メイルはある大岩が円状にぐるりと並んでいる。隙間は大きいけど。直径は二十メイルぐらいか?


「カース、今から葬儀を始める。見ててくれ」


「ああ。長老のご冥福を祈るよ。」


私は合掌しよう。

ナマス・アミターバ……


「これより我らが長老チョルビトラウスティの葬儀を始める! まずは長老を中央にお運びしろ!」

「おう!」


四人のドワーフにかつがれて、長老の遺体は円の中心へ。他のドワーフ達はばらばらに岩と岩の間へと移動していく。

全員がどこかしらの隙間から中央を覗きこむ。私達はバルダの後ろから見ている。


四人は板ごと静かに長老を置き、名残惜しそうに岩の隙間に戻っていった。


「偉大なる長老チョルビトラウスティが無事に天上宮(ヴァルホル) へ辿り着けるよう祈りを捧げる!」


『イスガダール ガーディッシュ エーメン ディベーラ』


「「「イスガダール ガーディッシュ エーメン ディベーラ」」」


『オーベゾウム べヤーミク エーメン コホーテ』


「「「オーベゾウム べヤーミク エーメン コホーテ」」」


『ウェイスナーセ ウェイスナーセ エーメン エーメン………………』







終わったか……体感で三十分。長老の胸に乗っていたノミーデスがバルダの所に移動したタイミングでドワーフ達は祈りを終えた。ノミーデスが葬儀に関係してるのか……


「ありがとうなカース。これで長老は安らかに旅立てる。お前のおかげだ」


「そんなことないさ。でも、いい葬儀だった。戻ったら酒でも飲むか?」


「いいのか? 風習としては葬儀の後は宴会をするのだが、今の我らにはそんな余裕はないからな。その申し出はありがたい」


「いいさ。今日は飲もうぜ。肉も焼くからさ。」


「ありがとうよ。何から何まで世話になりっぱなしだな。長老も飲みたかっただろうな、はは……」


「ねえカース、あれ……」


おっ、どうしたアレク?

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― 新着の感想 ―
いつも思うんですが、未知の言葉をひねり出すのがうますぎる(笑)
(=人=)ラーメン
何か起こりましたか。
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