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異世界金融 〜 働きたくないカス教師が異世界で金貸しを始めたら無双しそうな件 〜 #いせきん  作者: 暮伊豆
第5章

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314、オーバータイムラプソディ

「アレク、踊ろうよ。」


男達に囲まれているアレクを迎えにきた。機嫌直ってないかなぁ……


「誰お前?」

「この子は俺と踊るって言ってるんだが?」

「どこの田舎モンだよ。さっさと帰れ帰れ」


「制服で踊りに来てるようなダサ坊に田舎者呼ばわりされたくないな。お前らごときじゃこの子には釣り合わないってのが分からんのか?」


穏健派の私だけど時々口が悪くなるんだよね。ダサ坊って通じるよね? 前にデビルズホールで聞いた覚えがあるし。


「なんだこら?」

「田舎モンすぎて俺らを知らないんだろ?

「こいつは教育が必要だな?」


今はそれどころじゃない。


「アレク、他の男と踊ったら嫌だよ。僕の横から離れないで?」


「私が他の男と踊ったら嫉妬してくれる?」


「当たり前だよ。いつだったかフランツと踊った時だってやたら絵になるし妬ましかったよ?」


あれは国王の即位式の時だったか。その時私はキアラと踊ってたなぁ。


「俺らを無視すんなよ?」

「お呼びじゃないってんだよ」

「俺らを怒らせたら王都じゃ生きていけなくなるぞ?」


「うふふ、よかった。だってカースって私があの子と結構近い距離で話してるのに平然としてるんだもの。女はね? 嫉妬を見せて欲しい時だってあるのよ?」


ほっ、機嫌が直ったかな。だってアレクが他の男に靡くだなんてこれっぽっちも疑ってないんだからさ。そりゃあヤキモチなんて焼きようもないんだもん。


「お前いい加減にしろよ? 俺らなめてるとただじゃ済まないぞ?」

「俺らが一声かければ何人集まると思ってんだ、おお?」

「全員でなぶり殺しにしてやってもいいんだぜ?」


アレクが機嫌を直して私も機嫌がよくなったってのに。そりゃあアレクほどの女の子を目の前にして諦めきれないのは分かるけどさ。


「何人でも連れてこい。近衞学院の猛虎スティードが相手してやるよ。」


スティード君の二つ名は今でも猛虎なんだろうか。それにしても魔境では虎系の魔物ってそうそう出会わないのに誰が付けたんだろうね。虎系の魔物はドラゴンに匹敵するって噂はあるけどさ。


三人は私が指差した方を見る。スティード君達が何やら食べている。


「あいつ……確かにスティードだ……」

「そんじゃこいつはスティードのダチか?」

「ちっ、近衞のモンがこんな所まで来てんじゃねーよ」


「今なら見逃してやるよ。さっさと消えろ。」


だいたいナンパしたいなら他に女の子はいくらでもいるだろうが。シャルだってあっさりナンパしてきたぐらいなんだからさ。


「舐めんなこらぁ!」


沸点低い奴もいたもんだな。杖で殴ってきた。もちろん私には効かないが。可哀想に。高そうな杖だったのに折れちゃったね。


「なっ……何を……しやがった!?」


「何も? そっちの二人もやるのか? 一発だけなら反撃しないでおいてやるぞ?」


「この野郎……まぐれで調子に乗りやがって……」

「何がスティードのダチだ……一人じゃケンカもできないのかよ!」


お前らさっき人数集めるとか言ってなかったっけ? それにしても、口ではそう言うが杖を取り出してきっちり魔力を込めてるのね。意外と冷静じゃん。『硬化』かな?


「やるならやれよ。一発だけな?」


「舐めんな!」

「おらあ!」


一人は頭、一人は肩狙い。へぇ、折れてないのか。生意気だけどやるじゃん。


「カース君何やってるの?」


「いやぁこいつらに絡まれててさ。スティード君助けてよ。」


これだけ暴れてスティード君が気付かないはずがないよね。むしろ店員が止めに来いって話だけど。


「てめっスティード! 俺らに手え出したらセルジュがどうなっても知らねえぞ?」

「お前もセルジュも下っ端貴族のくせに調子ん乗りやがってよお!」


なぜセルジュ君が出てくるんだ?


「分かった。君らには手を出さない。でもその杖はカース君を殴ったからお仕置きね。」


あ、真っ二つに切れてる。早業だなぁ。まるでフェルナンド先生みたいじゃん。


「ひっ! そ、そんな……」

「俺の杖はトレンタールマホガニー製なのに……」


スティード君の短剣はドラゴンの牙製だからな。王家のお宝だぜ?


「君達危なかったね。彼は魔王カース君だよ? セルジュ君に余計なことをしたら僕も彼も黙ってない。彼は僕と違って杖だけで済ますほど甘くないからね?」


「どーも。魔王でーす。」


『風斬』


「なっ!? ま、魔王だと!?」

「そういやこの服装……」

「ほ、本物……?」


「お前ら早く出ていった方がいいぞ。急がないと危ないからな。」


実はもう手遅れかも知れない。こいつらが暴れたせいでそこそこ注目されていたから……


「ぷぷぷぷふぅ」

「あはははは」

「ふふっふふっ」


大音量に紛れて笑い声が聴こえてくる。視線はこいつらの下半身へ……


なぜ笑われているのかまだ分からないのか?


「あっ、おまっ、トラウザーズが!?」

「えっ!? うわっ! なんだこれ!」

「くそっ! いつの間に!? お、覚えてやがれ!」


足を傷つけずにズボンだけをズタズタにする見事な魔法制御。さすが私だね。それにしても……覚えてろって初めて言われた気がする。復讐に来る気? 恥の上塗りになるだけだと思うけどなぁ。


それよりあいつらとセルジュ君はどんな関係なんだ?

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― 新着の感想 ―
[一言] 若者は無謀ですからねえ。
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