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魔闘少女ハーツ・ラバーズ!  作者: ハリエンジュ
第八話『千雪のジェラシー? こずえと千雪の距離のハナシ!』
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その2 突然の決闘宣言

★魔闘少女ハーツ・ラバーズ! 

第八話『千雪のジェラシー? こずえと千雪の距離のハナシ!』

その2 突然の決闘宣言



teller:小枝(さえだ) こずえ


「っつーわけで、秋風千雪! お前にはこれからハーツ・ラバーとして地球を守る為に戦ってもらう!」


 ゼロットさんが、秋風さんと正面から向き合って胸を張る。


 私達は、たっくんと秋風さんが交流を重ねていたという『秘密基地』にいた。

 とある廃ビルの、応接室。


 中にいるのは、私と愛歌ちゃんと詩織ちゃん、秋風さん。

 それに、サポート役としてハーツ・ラバーに協力してくれている鈴原くんとたっくんと芹沢さん。

 そして――全てを知っている、ゼロットさんだ。


 今日は、秋風さんがゼロットさんからハーツ・ラバーについて詳しい説明を受けることになっていた。

 幸い、野球部もサッカー部も美術部も部活が無い日だったから、みんなこうして集まることができた。


 秋風さんは、ぱたぱたと宙に浮かぶゼロットさんをじっと見つめて、けろっとした顔で言った。


「んー……とりあえず全部ぶっ飛ばせばいいんでしょ?」


「いや、脳筋すぎるだろお前……」


 たっくんが呆れ顔で溜息を吐き出す。

 でも、秋風さんはどこか嬉しそうだった。

 ……仲、良いんだろうなあ。

 やっぱりこの二人を見ると、何故かしみじみしてしまう。


 私がしみじみするようなほんわかするような不思議な気持ちに浸っていると、愛歌ちゃんがはいはいと勢い良く挙手してきた。


「はいはーい! じゃあ、改めて自己紹介! あたし、星野愛歌! カーニバルラバーだよ! 憧れの千雪さんと一緒に戦えて嬉しいよ! よろしくね!」


「憧れって……そんな、大したもんでもないよ、私。でもよろしく、愛歌ちゃん」


 愛歌ちゃんが秋風さんに屈託なく手を差し出す。

 その手をそっと秋風さんが握ると、愛歌ちゃんがぶんぶんと勢い良く握られた手を上下に振った。

 秋風さんは少し困惑している様子だったけど、愛歌ちゃんはとても楽しそうだ。


 秋風さん、モデルさんだもんね。

 愛歌ちゃん、そういう女の子らしいことに詳しいからなあ。


 応接室のソファに座っていた詩織ちゃんも席を立ち、秋風さんに恭しく頭を下げる。


「私は河本詩織です。ロマンスラバーに変身します。愛歌やこずえとは同じクラスです。よろしくお願いします」


「うん、よろしく。詩織ちゃん」


 ……あ、そうか、そうだ、私も挨拶しなきゃ。


 正直凄く緊張する。

 年上のお姉さんだし、凄く綺麗な人だし。

 でも、たっくんもお世話になってるし、ここで挨拶しないなんて礼儀がなってないし。


 ちゃんと言わなきゃ、勇気出さなきゃ。

 ……ここまで、沢山の人に勇気をもらってきたんだから。


「さ……小枝こずえです。ブレイブラバーです……よ、よろしくお願いします……」


 私がおどおどとブレイブらしくない態度で声をかけて頭を下げると、秋風さんは心底意外そうに目を丸くする。


「……なんか、ほんとにこずえちゃんが拓海くんのお姉ちゃんだなんて信じられないんだけど。正反対だから」


「どういう意味だよっ」


 たっくんがむっとした顔をするけど、秋風さんはそれに対し、へらりと相手の毒気を抜く笑みを返した。


 ……私の挨拶、あれで良かったのかなあ。


 不安に思っていると、頭の上にぽんと手が置かれた。

 鈴原くんだ。


「続いてサポート役の紹介や! ワイは鈴原一希! こずえと拓海の家のお隣さんです! ハーツ・ラバーの正体が世間にバレんように色々やっとる! よろしゅう!」


 続いて、芹沢さんもぺこりと礼儀正しく一礼した。


「……芹沢昴。河本達とは……同じクラス、です」


「うん。鈴原くんに芹沢くんな。二人もよろしく。……でもなあ」


 ふと、秋風さんが何やら考え込む素振りを見せた。

 どうしたんだろう。


「……なんかさ、地球を守れって言われてもしっくり来ないんだよね。私は拓海くんの為に戦いたいだけだし」


「は、はあ!? 恥ずかしいこと言ってんじゃねーよ!」


 たっくんが顔を真っ赤にして怒鳴る。

 そんな様子を、鈴原くんがどこか楽しそうに見ていた、気がした。


 それに気を取られていると、秋風さんがふっと私に視線をやって。


 そして、平然と。


「あ、そうだ。こずえちゃん」


「え、は、はい」


「決闘、しない?」


「…………ふえ?」


「拓海くんを賭けて」


「…………え?」


「へ?」


 私とたっくんの、驚きの声が重なり――その場がしん、と静まり返った。

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