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転生内親王は上医を目指す  作者: 佐藤庵
第16章 1894(明治27)年立冬~1895(明治28)年清明
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関西旅行(3)

 1895(明治28)年4月6日土曜日、午前10時。

(広いなあ……)

 京都御所の東、岡崎にある内国勧業博覧会の会場に、私は兄とともにいた。

「大変な人の数だな」

 周囲を見回しながら、制服姿の兄が言う。私たちの周囲の半径30mほどは、人が入らないように規制がされているけれど、その規制線の向こうは、老若男女でごった返していた。京都電気鉄道が、今月の初めに、官営鉄道の京都停車場からこの会場までの路面電車を開通させているそうだから、それに乗ってやって来た人たちもいるのだろう。

「観客の皆さんに、申し訳ないなぁ。私たちのせいで、思う存分見物できないだろうから、さっさと見学して会場を出ないと……」

 桃色の無地の着物に、海老茶の女袴を付けた私が呟くと、

「とおっしゃいますが、本当は、もっと別のものがご覧になりたいのでありましょう」

私たちのすぐそばに立つ、フロックコート姿の伊藤さんがため息をついた。

「ん?」

 思っていることを読まれないよう、とびっきりの笑顔を伊藤さんに向けてみたけれど、

「とぼけても無駄ですぞ。“早く二条城に戻って、二の丸御殿が見たい”と顔に書いてあります」

彼はズバリと私の心の内を言い当てた。

「だって、昨日は本丸御殿を見学するのがやっとだったし……」

 唇を軽く尖らすと、

「それは、増宮殿下が、じっくりと調度をご覧になったからでありましょう」

伊藤さんの隣にいる桂さんが苦笑した。今日は軍服ではなくて、伊藤さんと同じく、黒いフロックコートを着ている。

「それは、やっぱり、私の時代と違っちゃったところがあるのかなと思って、記憶と照らし合わせながら一生懸命見ていたからで……」

 私は事情を説明しようとしたけれど、

「その調子で、美術館の出展品も、目利きしていただきたいものですな」

伊藤さんが私の口の動きを封じてしまった。「妹君や弟君たちへ渡されるものも、ご購入していただきたいですし」

「そうですね、それに、ベルツ先生と三浦先生と、花松さんに渡す品も買わないといけないし、北里先生たちへのお礼の品も……」

 私は小さな手提げ袋から、4つに畳んだ紙を取り出した。紙には、贈り物を購入しなければいけない人の名前を、あらかじめ書き連ねてある。この会場には、美術館のほかに、工業館、農林館、器械館、水産館、動物館の展示会場と売店がある。それぞれに、各道府県、そして、イギリスやアメリカなどの外国が品物を出している。海外からの出展は、“工業所有権の保護に関するパリ条約”に日本が加盟しているから可能になったことだけれど、実は“史実”では、この時期にはまだその条約に加盟していなかったので、海外からの出展はなかったそうだ。

――“史実”では、日清戦争もありましたから、開催が危ぶまれましたが、殖産興業は大切でありますから、開催を強行しました。この時の流れでは、戦争の影響が無かったのと、外国からの出展があるおかげで、出品数は“史実”より3割は多くなっています。万国博覧会に、少しずつ近づいておりますな。

 伊藤さんは、そう言ってニンマリしていたけれど……。

「しかし、目利きをする、と言っても、お父様(おもうさま)お母様(おたたさま)がお買い上げになるものは、残しておかなければならないだろう」

 横から兄が指摘する。

「そうだよね。超一級品は、残しておかないといけないよね」

 皇族である私と兄には、内国博を見学するだけではなく、もう一つ、“産業奨励のため、出品されている優秀な品を買い上げる”という役目がある。伝統工芸品を買い上げることは、それらを作る職人さんたちを保護し、技術を未来に残すことにつながる。機械や農産品などを買えば、その品に多大な宣伝効果が生まれることになる。

――それを意識して、内国博で優秀な品々をお買い上げいただきたいですな。

 先月の梨花会の時、松方さんにそう言われた。

「予算が……私が1500円で、兄上が2000円だっけ?でも、兄上より、私の方が、買ったものを渡す人が多いから、ちょっと不利だなあ……。優良な医療器具があれば、それも買いたいし」

「何を言う。俺とて、節子への贈り物を買うのだぞ。これだけは、一流の品を購わなければならぬ」

「ですよねー」

 私は頻りに首を縦に振ってみせた。「それだけは本当に、お父様(おもうさま)お母様(おたたさま)に遠慮せずに、超一級品を選ばないと」

「そう思ってはいるが……何故お前はそう、偉そうに言うのだ」

「いや、前世で24まで生きた身としては、兄上と節子さまがほほえましくて、全力で応援したいわけよ」

 すると、

「背伸びをするな。一昨日、議長に色々話を聞いた時には、お前、顔を真っ赤にしていたではないか」

兄が反撃に掛かった。

「いや、だって、その……私の時代とは、男女関係に関する感覚が違うし……」

 一夫一婦の概念が広まってきつつあるとは言え、自分も母が違う弟妹を持つ身だし、伊藤さんや井上さんや西郷さんなんて、堂々と愛人を作っている。そういう時代なのは分かっているけれど……。

(それを割り引いて考えても、伊藤さんの“武勇伝”は、規格外だよなぁ……)

 思い出して、また顔を赤くしてしまう。前世だったら、絶対に全マスコミから総攻撃だ。まぁ、それを受けて動じるような、我が輔導主任ではないけれど。

「御木本どののところにも、行っていただかなければなりませんな。真珠の首飾りも、無事に出来たそうですし」

 その輔導主任は、ニヤニヤ笑いながら、私に別方向から追い討ちをかける。

「い、伊藤さん、もうやめて、恥ずかしいから……」

 うつむいた私の右手が、暖かい手に掴まれた。兄だ。

「ほら、いくぞ。まずは美術館からだったな」

 見上げると、兄は私を見ながら微笑していた。

「美術館に、黒田子爵の嗣子が描いた裸体画があるそうだが、お前は大丈夫か?」

「平気に決まってるわよ」

 “黒田子爵”というのは、総理大臣の黒田さんのことではない。彼と同じ薩摩出身だけど、黒田さんとは全く血縁関係のない、黒田清綱(きよつな)子爵の養子、名は清輝(きよてる)。後の日本洋画界の巨匠、黒田清輝、その人だ。流石に、前世の教科書にも載っている人だから、私も名前は覚えていた。その彼が描いた朝妝(ちょうしょう)という西洋画が、今回出品されるけど、“裸体画なので、皇太子殿下と増宮さまが来られるときに、そのまま展示していいのか”、という問い合わせが、先月、博覧会の事務局から東宮大夫の伊藤さんにあった。

――増宮さまに刺激が強いのでは、と先方は言ってきておりますが……。

 苦笑しながら私に問いかける伊藤さんに、

――芸術の一環でしょ?裸婦像なんて、前世でも美術館の絵にある題材だし、何度も見たことがありますよ。それに、私は医者だから、裸を見たところで動じません。

と、平然と答えた記憶がある。

「私は医者だよ?裸にいちいち動揺していたら、診察ができないよ」

 あの時と同じように答えて、ギロリと兄を睨み付けると、「そうだったな」と、兄は深く頷いた。

「では、行こうか」

 私の右手を取ったままの兄に、私は一つ頷いて、微笑を返した。


 美術館では、兄と一緒に、昌子さまたちのために、蒔絵の施してある硯箱を4つ選び、将棋の稽古相手である原さんに渡す日本画を購入した。

 その後、兄は節子さまのために香炉を買い上げ、私は東京に残っているベルツ先生に渡すための品として、三味線を弾く美女が描かれた屏風を買った。それから、三浦先生、北里先生、森先生、石神先生には、蒔絵で装飾された小箱を選び、陸奥さんのために山水画の掛け軸を購入した。花松さんには反物にしようと思ったけれど、それは売店にたくさん種類があるそうなので、そちらは売店で買うことにした。

(美術工芸品は、やっぱり値が張るなぁ……)

 それも、一流と思えるものほど高い。ベルツ先生に渡す品は、280円もしてしまった。前世(へいせい)で言うなら、高級自動車1台分以上の価値になってしまうだろう。だけど今回、ベルツ先生は、私が手を回して東京に残るように仕向けたので、そのお詫びの意味も込めなければいけない。

(ベルツ先生、“関西方面に行くついでに、美術工芸品のコレクションを増やしたかった”って、ずーっと言ってたからな……)

――再三交渉してみましたが、どうしても陸奥次官は、7日の日曜日の午後でないと、エックス線写真が撮れないとおっしゃるので……高峰先生のところに私も行きたかったのですが、三浦君と一緒に東京に残ります。

 東京を発つ前日の夜、わざわざ私の所にやって来て、とても残念そうに言うベルツ先生に、「それは残念です」と、私も悲しそうに調子を合わせた。ベルツ先生が帰った後、側にいた大山さんに、芝居が上手く出来ていたかを確認したら、「完璧だった」という意味のことを言われたから、私の策略が、ベルツ先生に気づかれることは無いだろう。

 短い昼食休憩をはさんだ後、動物館、工業館、農林館を回っていく。動物館と工業館には、残念ながら私の興味を引くものは無かったけれど、農林館の和歌山県の展示場で、面白いものを見つけた。

「蚊取り線香だ!」

 4年前だろうか。渦巻き型の蚊取り線香が無いと知り、大山さんが“きちんと開発させた方がいい”と指摘したことがあるけれど、それが形になった。蚊が嫌がる成分の抽出の研究も、産技研でされているけれど、まずは除虫菊から作る渦巻き型蚊取り線香の普及を、ということで、棒状の蚊取り線香を販売していた和歌山の上山(うえやま)英一郎(えいいちろう)さんに協力してもらい、この4月から、渦巻き型の蚊取り線香が売り出せるようになったのだ。もちろん、特許も取得している。

「私が使う用と……あと、緒方先生の所にはないとまずそうですね。マラリア原虫を持ってる蚊のいるところに、お弟子さんたちが出かけていきそうだから、無用な感染は予防しないと……ああ、それから、お父様(おもうさま)の所にもある方がいいですよね」

「となると、それなりの数を準備してもらわなければなりませんな。展示してある分では足りないでしょう」

「じゃあ、この場で買うんじゃなくて、後日改めて交渉して仕入れる方がいいですね、伊藤さん」

 私と伊藤さんの会話を聞いていた上山さんが、目を丸くした後、慌てて最敬礼する。具体的な交渉は侍従さんに任せることにして、私は先を急ぐことにした。長時間同じところにとどまれば、観客の皆さんにご迷惑が掛かるし、器械館と水産館も見学しなければならないのだ。

 水産館の三重県の展示場では、羽織袴姿の御木本さんが、誇らしげに展示物の前に立っていた。世界初の養殖真円真珠でできたブレスレット……。ドイツのベンツさんが作った自動車と並び、この第4回内国勧業博覧会の目玉展示の一つである。展示ケースの側には、警官が2人立って、大事な展示物を盗まれないよう、あたりを警戒していた。

「全て、増宮さまのおかげでございます!」

 御木本さんに頭を下げられた私は、曖昧な微笑を顔に浮かべるしかなかった。前世では、あのバレンタインの失恋以来、宝飾品に何の価値も見出せず、興味も持てなかった私が、まさか今生で、その宝飾品を生み出す手伝いをしてしまうとは……。しかも、産技研の産物だから、私が身に付けないという選択肢はないのだ。随分と、皮肉な巡り合わせである。

「では、増宮さまに、こちらを献上いたします」

 御木本さんが差し出した紺色のビロードのケースを、桂さんが受け取る。

「桂司令官。そのケースを、わたしによこしてくれ」

 その兄の声で、桂さんは恭しく一礼して、兄にケースを渡す。兄はケースの蓋を開けると満足そうに微笑んで、「梨花、おいで」と私を手招きした。

「見てごらん」

 兄に視線で促され、私はおずおずとケースの中を見た。真珠が連なった、シンプルなデザインのネックレスが、ケースの中に鎮座している。真珠の粒の一つ一つから、薄桃色の輝きがじわりと湧き上がっているかのようだ。美しい。それ以外に形容する言葉が見つからない。

 と、

「美しくて気品があって、それでいて、どこか暖かい……まるでお前のようだな」

兄が囁くように言った。

 余りのことに声も出せず、兄の方を振り返ると、兄の瞳の奥で揺れる優しくて頼もしい光に、たちまちのうちに捕らわれた。兄に顔を向けたまま、私は動けなくなった。

「梨花、首飾りを付けてやる」

 諾とも否とも返事できないままに、兄の両手が私の首の後ろに回された。数瞬して、首周りに微かに重みが掛かる。

「着物ゆえ、少し合わぬかもしれぬが……とても美しいよ、梨花。やはり俺の誇りの愛しい姫君は、我が国に産した美しいもので飾らなければな」

 兄の言葉が耳に届いた瞬間、暖かくて優しい光が、身体の奥に灯った感覚に襲われた。

(あ……)

「さて、梨花。手を握ってやろう」

 兄が私の右手を取ると、優しい何かに包まれた心が、静かに宙に浮き上がった。まただ。この、ふわふわした心と身体。いつもと違う。けれど……心地がよくて、安心できる。

「喜んで、兄上」

 軽く頭を下げて、周りを見渡すと、伊藤さんと桂さんが、私をじっと見ているのに気が付いた。御木本さんもだし、ついてきている侍従さんたちもだ。

(みな)、どうしたのですか?」

 口を開くと、全員が一斉に頭を下げたので、私は驚いてしまった。

「どうしましたか、改まって。形式ばったことは、私は余り好きではないのです。もう少し、気楽にしてくれていいのですよ」

 すると、

「梨花、仕方がないよ」

兄が苦笑した。「本当に美しくて気品のある、堂々とした姫君ぶりだ。普段も美しいのに、更に美しさを増して、威厳を加えるとは……」

「お褒めの言葉をありがとう、兄上」

 もう一度、兄に軽く頭を下げる。この私の身に、一体何が起こったのだろうか。正直、見当もつかない。ただ、この状態は、全く辛くない。兄が握ってくれている手が、とても暖かく感じる。

「でも兄上、早くしないと、売店を回る時間が無くなってしまうよ。花松さんへのお土産を手に入れないと……」

「そうだ。3時には会場を出なければならないのだったな」

 兄は制服のポケットから、片手で懐中時計を取り出すと、器用に蓋を開けた。「今が2時30分だ。あと30分しかないから、すると、すぐ売店に行かなければならないか」

「ご……ご案内いたします!」

 兄の声を聞いた桂さんが、慌てて動き出す。

「そうですね、では桂さん、お願いします」

「となると、俺もお前をエスコートしなければなるまいな」

 微笑する兄に、

「ええ、是非。兄上、お願いいたします」

私は丁寧にお辞儀をした。


 馬車で二条城に戻ると、私は二の丸御殿に直行した。「ネックレスを外しましょうか」と伊藤さんに言われたのだけれど、首を横に振った。時間が惜しい。一分一秒でも長く、二の丸御殿と向き合っていたいのだ。

 侍従さんを遠ざけ、私は一人、車寄せから御殿の中に入った。障壁画を眺め、欄間の彫刻や飾り金具に目を走らせながら、少しずつ奥へと進んでいく。心と身体が宙に浮いたような、優しくて暖かい何かに抱き締められているような感覚は、未だに続いていた。

 大広間を抜け、黒書院を通り過ぎ、一番奥にある白書院の畳の上に正座して、室内の障壁画を鑑賞する。見事な筆致に目を奪われていると、

「梨花さま」

この3日ほど、聞いていなかった声が耳に届いた。

「大山さん」

 私は、開け放った障子の方を見やった。軍服を着た大山さんの背後の庭で、満開に近くなった桜が、夕陽を受けて静かに咲いているのが見えた。

「お疲れさま。無事に到着して何よりです」

 声を掛けると、大山さんは急にその場に正座して一礼した。

「どうしたの、突然。畏まらなくてもいいのに」

 私は苦笑しながら大山さんに近づいて、彼の側に正座した。

「いえ……」

 大山さんは、頭を下げたまま言った。

「梨花さまがご立派な、本当にご立派な淑女(レディ)でございますゆえ。一昨年、フランツ殿下の答礼に赴かれた際や、この2月に、メクレンブルク公とお会いになった時にも、そう感じましたが……」

「そう。私は、心と身体がふわふわして、妙な心持なのだけれど。そう言えば、フランツ殿下の答礼の時や、メクレンブルク公と会った時も、こんな感じだった。……ねぇ、大山さん、頭を上げて。話がしにくい」

 私の言葉に、大山さんはゆっくりと頭を上げた。一瞬泳いだ彼の視線が、私の首周りで止まった。

「そのネックレスは……」

「ああ、内国博の会場で、御木本さんから頂いたの。これを、会場で兄上に付けてもらってから、ずっと心と身体がふわふわしていて……」

「そうでしたか」

 大山さんは、優しい声で相槌を打つと、深く頷いた。

「その“ふわふわした感じ”というのは……お辛いですか、梨花さま?」

「いいえ。辛くはない」

 私は首を横に振った。「だけど……誰かに手を握ってもらいたい。その方が、暖かくて、安心できる」

 すると、

「では……その役目、(おい)にお命じいただけませんか?」

大山さんは言った。

「もちろんよ。私が心から信頼する、逆立ちしても敵わない、本当に有能で経験豊富な、とても大切な臣下だもの。あなたには、私の手を取る資格が十分過ぎるほどあるわ」

 私は微笑すると、右手をそっと前に出す。

「大山さん、エスコートしてくださる?2人でゆっくり、本丸御殿に戻りましょう」

「御意に」

 大山さんは、壊れ物でも扱うかのように、私の右手を慎重に取る。握られた手から、暖かさが伝わってきて、身体と心が、ますます軽くなっていくのを感じた。

「空に舞い上がってしまいそう……」

 思わず呟くと、

「それはよくありません。天界の楊貴妃の美しさを称える、“梨花”という名をお持ちの方であるとはいえ、地上に留まっていただかなければ」

大山さんが、微笑を含んだ声で返す。

「では、しっかり手を握って」

 私は唇の端に少しだけ、笑みを浮かべた。

「この梨花が、空に飛び出していってしまわないように、この手を離さないでいて」

 そう言うと、大山さんは一瞬目を瞠ったけれど、次の瞬間、私の右手を握る力を少し強くした。そして、穏やかな微笑みを私に向けてくれたのだった。

※内国博への海外からの出展は、実際には1899(明治32)年に“工業所有権の保護に関するパリ条約”に加入した後の、1903(明治35)年の第5回内国博からになります。


※蚊取り線香は、1890(明治23)年に棒状の蚊取り線香が発売、渦巻き型の蚊取り線香が発売されたのが1902(明治35)年です。渦巻き型の着想自体は1895(明治28)年にされていますが、拙作の世界線では、渦巻き型の出現が早まりました。


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― 新着の感想 ―
[良い点] 内容が難しく、濃いです。苦悩の時代に悲惨な出来事が主人公を中心に襲いかかる。上医を目指すためあらゆる学問をまなばなければならず。主人公の葛藤が見えます。周りの人物に讃えられたり、怒られたり…
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