奔馬
1895(明治28)年1月26日土曜日、午後2時半。
「あのさ、なんでここに兄上がいるのかな?」
華族女学校から帰宅して、ロシア公使とオーストリア公使に面会した後、今日で12歳になった報告をするために参内した私は、表御座所で椅子に座っている兄に不審の目を向けた。
「私が花御殿を出た時、兄上、花御殿にいたよね?」
今日は大山さんに陪乗してもらい、馬車で花御殿を出た。本当は、第4土曜日だから、勝先生との面談日だけれど、私は参内するから、面談をパスさせてもらったのだ。だから、兄と勝先生は花御殿にいるはずなのに、なぜか今、2人ともお父様の御前で座っている。
「お前が花御殿を出た直後に、内府から使いが来てな」
海兵士官の冬服を模した制服を着た兄が、いたずらっ子のような笑みを浮かべた。「今日はお父様の御前で面談をすることにしたというから、馬を飛ばした」
「近道を選んだとはいえ、章子の馬車より早く着くとはな。流石よ」
椅子に掛けたお父様がニヤリと笑う。「嘉仁、後で馬場に出ろ。馬術の上達具合を見たい」
「は……承知いたしました」
兄がお父様に軽く頭を下げた。
「本当、殿下の馬の扱いは、天下一品ですぜ」
御学問所総裁の勝先生が、頷きながら言う。「どんな暴れ馬でも、殿下は易々と乗りこなされる。見てて、惚れ惚れしますぜ、陛下」
「ほう、そうか……それは負けておれんな……」
お父様が顎を撫でた。
「じゃあ、陛下の馬も準備しますかい?」
「そうだな、そうしてくれ」
お父様の返事を確認すると、勝先生は椅子から立って扉を開け、向こうにいる侍従さんに一言二言指示した。
「章子は、馬術の上達はどうなのだ?」
お父様に尋ねられ、
「あー、一応、馬を動かせるようになりました」
私はこう答えた。乗馬を大山さんに習い始めてから約10か月。“繊月”はとても気性が穏やかで、乗っていて全く不安を感じない。
すると、
「馬に乗せられておられます」
隣にいる大山さんが、短くお父様に言った。
「大山さん、何か文法がおかしくない?私、ちゃんと馬に乗れてるよ」
大山さんに抗議すると、
「繊月が、梨花さまに合わせているのです。梨花さまに似て、賢くて優しいところがありますから、梨花さまを気遣っているのでしょう」
彼は私の方を向いて、微笑みながら言った。
「私に合わせてるの?繊月が?」
暴れることはないし、乗った時も、私の指示にきちんと従ってくれる。よくなついてくれているから、私に繊月が合わせているなんて、考えたこともない。
「道理で、繊月が駆けたそうにしているわけだ」
大山さんの言葉に、兄が微笑しながら頷いた。
「え?」
「そうだぞ。厩の前を通りかかると、繊月が“思いっきり駆けたい”と、俺に目で訴えるのだ。繊月の気晴らしに付き合ってやったことも何度かあるが、あれは本気を出すと、物凄い速さで走ろうとして、操るのが大変だ」
「そうなの?!」
兄が繊月に乗ったことも知らなかったけれど、あの穏やかな繊月に、そんな一面があるだなんて……知らなかった。
「そっかあ……私、繊月に気を遣わせちゃってたんだ……」
私はうつむいた。「じゃあ、乗馬はまだまだだね。どうしよう、今年は御料牧場には行かないけれど、来年の春には、牧場から佐倉城と本佐倉城まで遠乗りできるぐらいになるかなあ……?」
「なるさ」
兄は私を見て、力強く頷いた。「練習を重ねれば、きっとなる」
「嘉仁の言う通りだな」
お父様も微笑する。
「そなた、剣は既に、ほとんどの男子に後れを取らぬが、そこまで上達したのは、幼いころから修業を欠かさなかったからだ」
「……はい」
確かに、花御殿に移った6歳の頃から、よほどのことが無い限り、稽古が無い日でも竹刀は振っている。それは否定しようがない事実だ。
「それに比べれば、そなたの乗馬の経験はまだ少ない。だから修練を積めば、朕の子である故、きっと上達する」
「あのー、お言葉ですが、お父様」
私は恐る恐る右手を上げた。「今の文脈だと、お父様が、馬に乗るのがすごく上手いように聞こえるんですが……」
「ほう」
一瞬、お父様の眉が跳ね上がったような気がした。
「そう言えば、そなた、観兵式に出たことが無いから、朕が馬に乗っているのを見たことがないか」
「はい」
私は頷いた。更に言えば、一緒に住んでいないし、馬に相乗りしたこともないから、自分の父親の馬術が上手いかどうかなんて知らない。
すると、
「よし、章子、今日は朕と嘉仁の馬術を見て帰れ」
お父様は私に言った。声が、何となく硬い。
「いや、それは……お母様にもご挨拶しないといけないですし」
嫌な予感がした私は、何とかして逃げようと思ったのだけれど、
「美子も馬場に来させればいい。そこで挨拶すればよかろう」
お父様に、見事に逃げ道をふさがれてしまい、
「わ、わかりました……」
と返事するしかなくなってしまった。
「藪蛇だったねぇ、増宮さま」
勝先生がニヤニヤ笑いながら言った。
「陛下は馬術がお得意さ。赤坂にいらっしゃった頃から、良く馬にお乗りになってたよ」
「勝の言う通りだ」
お父様は両腕を組み、得意げに胸を張った。
「それは、失礼いたしました」
私は素直に謝罪した。
「繊月が章子に本気を見せるようになったら、馬で参内せよ。そなたの馬術を見てやろう」
そう言ったお父様に、私は黙って頭を下げた。
「さて章子、嘉仁から聞いたが、またニコライ陛下とフランツ殿下から、贈り物があったのか?」
私と大山さんが椅子に掛け、改めて人払いがされると、お父様がこう尋ねた。
「はい。ニコライ殿下……じゃない、陛下からは、ホフロマ塗りのお皿、フランツ殿下からは、バラの花の砂糖漬けがまた贈られてきて……」
会った時は皇太子だったけれど、昨年11月のアレクサンドル3世崩御に伴い、ニコライ陛下はロシアの皇帝に即位していた。
「へえ、また贈られてきたのかい、バラの花の砂糖漬け」
勝先生が、からかうような調子で言う。
「そうなんですよ……秋までかかって、やっと使い切ったのに、あの砂糖漬けと闘う日々がまた始まると思うと……」
盛大にため息をつくと、大山さんとお父様が同時に吹き出した。
「お前、その戦いに、俺も大分加勢してやっただろう」
隣に座った兄が苦笑する。
「うん、兄上には本当に感謝してる」
昨年のバレンタイン以来、兄が私の部屋に来ると、私は必ず紅茶を淹れ、例の砂糖漬けを添えて出していたのだ。そのおかげで、昨年の秋までに、なんとかバラの花の砂糖漬けを使い切ったのだけれど、また敵が復活するとは思ってもみなかった。
「まあ、頑張ってもらうしかないな」
お父様がこう言い、「返礼は、また金平糖と菓子器にするのか?」と私に尋ねた。
「はい。今年の意匠は、広島城の天守閣にしました」
「変えたのか……」
「そうよ、兄上。せっかくなら、今はあるけれど、私の時代には残ってない天守を模しておこうと思って」
私はニッコリ笑った。今年も、“梨花会”の面々がバレンタインの贈り物をすると言ってきたので、私も彼らに、バレンタインの日に贈り物をしてしまうことにしたのだ。その贈り物を、ニコライ陛下とフランツ殿下への返礼にも使うことにした。
(バレンタインデーのプレゼントの習慣を撲滅するのは無理でも、バレンタインデーに男女で贈り物をし合えば、将来、ホワイトデーなんて馬鹿げた催しは作られないはず……!)
私が密かに右こぶしを握り締めていると、
「章子は、本当に城が好きだな」
お父様が苦笑した。
「春休みに京都と大阪に参る時も、御所ではなくて、二条離宮に泊まりたいと言ったそうだな」
お父様の言葉に、
「当たり前じゃないですか!」
私は思わず立ち上がった。
「だって、4年前に行った時には、ついカッとなってヴェーラに体当たりしちゃったから殺されかけたし、ニコライ陛下に挨拶しなきゃいけなかったし、やっと二条城が見られると思ったら、大山さんに“御所に戻れ”って言われちゃったし、……ゆっくり二条城を見られてないんです!」
二条離宮……二条城は、私が生きていた時代も残っていた。だからこそ、明治の状況を確認しておきたかったのだけれど……。
「名古屋城……ではない、名古屋の離宮にもまた泊まるのに、か」
「お父様、何回見たって、お城はいいものなんです。2年前の春に忍城に行って以来、お城に行けてないから、私、お城に飢えて、ストレスがたまってるんです!」
私が必死にお父様に訴えると、
「ストレスがたまる……苛立ちが募る、という言葉と似た意味だと言っていたな」
兄が顔に微笑を浮かべた。「お父様、それは梨花の言う通りにしなければまずいと思います。梨花をずっと押さえつけたら、繊月のように、どこかに物凄い速さで走っていってしまいます」
「皇太子殿下のおっしゃる通りですな。そうなっては、俺の手が回りかねます」
大山さんがため息をつくと、勝先生が「違ぇねぇ」とクスクス笑う。
「ちょっと、なんですか、みんなして」
ジロリと回りを見渡すと、
「なるほどな、確かにそうだ。昨年の避暑の時も、そなたは城跡の探索に出掛けることもなく、美子の側にいてくれたのだから、そろそろ城が恋しかろう」
お父様が微笑しながら言った。
(まあ、夏場って、城跡探索には、そんなにいい時期じゃないし……)
それに、お母様の側にいられることの方が、私にとっては重要だった。お清書を見てもらったり、実際に文字を書くところを見てもらったり、時にはお母様が和歌のことを教えてくれたり、自分で筆を取って、お手本を書いてくれたり……あんなに親子で一緒の時間を過ごせたのは、今生では初めてで、とても幸せな夏を過ごせた。
「ならば、章子の気散じのためにも、城に行かせなければならぬな。章子、折角の機会だ、他に行っておきたい城はあるか?」
お父様の言葉に、
「行きたい城跡はたくさんありますけれど、全部行っていたらキリが無いから……そうですね、今回の目的地は京都と大阪だから、淀城の跡を新しい方と古い方と両方、それから伏見城の跡も……可能なら指月伏見城も木幡山伏見城も、両方見ておきたいです」
私はこう答えた。淀城は、安土桃山時代に廃城になってから、江戸時代に500mくらい離れた場所に新たに築城されている。城の東側にある巨椋池の干拓が、昭和に入ってから行われているから、城跡からの景観は、私の時代とかなり違うはずだ。伏見城は、指月伏見城が慶長伏見地震で倒壊した直後、近くの木幡山に建て直されたのだけど……。
「4か所もか……内国博と京都帝大だけでなく、第4軍管区の司令部にも、医科研の大阪分室にも行くのに、日程の中で全部回り切れるのか?」
お父様が呆気に取られたような表情になる。
「ダメだったら、せめて伏見城、いえ、木幡山伏見城だけでいいです」
「木幡山は……確か、御料地になってたはずだが、増宮さま、名古屋城の多聞櫓みたいに、何か急ぐ理由があるのかい?」
不思議そうに私に尋ねる勝先生に、
「あ、あのですね、そこ、私の時代には、大規模に開発されちゃって……」
私は慌てて誤魔化しながら答えた。まさか、自分の今生の父親の陵墓があるために、前世では本丸の跡に入れなくなっていたとは、口が裂けても言えない。
「ふーん、そうかい。まあ、伊藤さんにも相談しとくよ」
「ありがとうございます!」
私は勝先生に最敬礼した。
「他には何かあるか、章子?」
お父様の声に、
(あ、伏見って……)
ふと、思い付いたことがあって、私は真面目な顔をして、お父様に向き直った。
「あの、お父様、もう一つお願いがあります」
「なんだ?城か?」
「じゃなくて……鳥羽・伏見の戦いで亡くなった、両軍の兵士の慰霊がしたいんです」
「ああ、それは俺も思います」
私の言葉に兄が頷いた。
「両軍……薩長も、徳川も、ってことかい?」
「はい、勝先生。城跡の見学より、こっちの方が優先ですね」
戊辰戦争の始まりの戦い……。勝ち負けがついてしまうのは戦争の常だけれど、両軍ともに、お父様のことを思っていてくれたのは、変わりないはずだ。それならば、今生ではお父様の子である私は、せめて、両軍の亡くなった兵士の御魂にお礼を申し上げて、安らかに眠れるように祈るべきだと思う。今後2度と、戊辰戦争のような悲しい戦いが、起こってほしくはないから。
「へぇ、城より優先か……そりゃあ、ありがてぇな」
勝先生が微笑んだ。
「ですな」
大山さんも満足げに頷く。
「わかった。勝よ、そちらを優先して手配してやれ。5月に朕と美子が内国博に行く時も、立ち寄って、両軍の戦死者の霊を慰めたい」
「承知しました」
勝先生はお父様に頭を軽く下げると、
「しかし、そうなると、予定が本当に詰まっちまうな……どうしたもんだか」
とため息をついた。
「華族女学校の春休みが始まる4日には、東京を出発するとは聞きましたけれど」
私が勝先生に確認すると、
「ああ。そんで、4日は名古屋に泊まってもらって、5日の昼過ぎに京都に着く、ってところは決まってるんだ」
彼はこう答えて、手に持った何枚かの紙を繰った。
「だから、5日の午後に京都帝大に行って、向こうの先生たちと会ってもらって、6日は内国博を見てもらうことになるなあ」
内国博。正式名称は、“内国勧業博覧会”という。数年おきの間隔で、既に3回行われていて、今回は平安建都1100年記念事業を兼ね、京都で4月1日から開催される。工業・農業・機械のみならず、美術品や動物なども見ることが出来るようだ。
(んー、技術方面だと、産技研から時々報告はもらっているから、予定が詰まってるなら、内国博は見なくてもいいような気がしてきたけれど……)
こう思っていたところに、
「今の時代の、様々な分野の技術水準を把握していただくためにも、是非ご覧いただかなければなりません」
突然、大山さんがこう言ったので、私はぎくりとした。
「え、ええと?」
「産技研のことを御存じだと言っても、産技研が扱える技術の範囲も限られております。それに、美術品は、梨花さまの教養を磨かれる意味でも、ご覧になっていただかなければ。それに、御木本どのも内国博に出展されるそうです。是非梨花さまに、会場でお目にかかりたいと連絡をもらいました」
「あー……」
――増宮さまの教え通り、春にアコヤ貝の手術は終えましたゆえ、来年の末には結果が出るでしょう。
一昨年の7月、花御殿に自らが養殖した半円真珠を持ってきた御木本さんの、得意満面の笑顔を私は思い出した。あの時の言葉通り、昨年末に御木本さんは真円真珠の養殖に成功していた。もちろん、一粒だけではなく、総計で100粒ほど真円真珠が出来たらしい。
「それは是非、章子に会わせなければならないな」
お父様が笑みを零す。「大方、真珠の首飾りを章子に献上したいのだろう」
「そのようです」
(で、ですよねー……)
大山さんの返答に、私はひきつった笑いを顔に浮かべた。「春には、増宮さまの首を真珠で締める」……御木本さんのセリフは、完全に現実のものになるようだ。
「どうした、梨花?」
兄が心配そうに、私の顔を覗き込む。
「真珠の首飾りでは、お前を飾るには不足か?」
「い、いやいやいや、兄上、ふ、不足だなんてそんな!」
(むしろ……私の方が、真珠の首飾りに不足なんじゃないかな……)
必死に両方の手のひらを振りながら否定すると、
「そうだな」
と兄が微笑して、私の右手を掴んだ。
「梨花は前世も今生も、我が国で生まれ育ったのだ。ならば、我が国に産した美しい物で、お前の身を飾りたい」
「?!」
激しく動揺した私の目を、兄がじっと見つめているのに気が付いた。まっすぐで優しい光が、騒めいて奔り出そうとしていた私の心を抱き止めて、あるべき場所にそっと鎮める。
「時々、奔馬のようになるな、お前は」
兄は小さく呟くと、
「梨花」
私の手を掴んだまま、私の名を優しく呼んだ。
「御木本から真珠の首飾りをもらったら、俺がつけてやろう。よいな?」
私は反射的に首を縦に振って、
(あれ?)
次の瞬間、自分自身が取った行動に驚いてしまった。なぜ私は、真珠の首飾りなどという、綺麗で美しいものを身に付けるのを、あっさり了承してしまったのだろう。その疑問に対する答えを得る暇もなく、
「首飾りと言えば……、もうすぐ、フリードリヒ・ヴィルヘルム殿下が来るのであったか」
お父様がこう言ったので、私は頭に浮かんだ疑問を振り捨てた。
「そうでしたね。参内されるのは、来月の13日でしたっけ」
今の時代のドイツは、プロイセン国王をドイツ皇帝として戴く連邦国家である。フリードリヒ・ヴィルヘルム殿下は、連邦を構成する国家の一つであるメクレンブルク・シュヴェリーン大公国の現当主、フリードリヒ・フランツ3世の異母弟だ。ドイツ海軍に奉職している彼は、乗り組んでいる軍艦が横浜に寄港するため、その際に参内することになっていた。これは、ドイツの皇帝、ヴィルヘルム2世の命令によるものらしい。
「先方は増宮さまに会いたいって言ってるけど、フランツ殿下の時みたいに倒れられたら困るから、増宮さまに接吻は絶対にするなって、ドイツ側にきつく伝えといたぜ」
勝先生が苦笑しながら私に言う。
「ありがたいです、勝先生。正直、キスされて倒れないという自信が無いので……」
私は苦笑した。キスされても、あの嫌な記憶がフラッシュバックしないという保証はない。それなら、手へのキスはやめてもらうしかない。事前に“キスをしないように”と、先方に折衝をしてもらわなければいけない手間と、私が倒れてしまった後の手間と、どちらが大きいかと言えば、圧倒的に後者だ。
「今度はあの首飾りだけではなく、伊藤が贈った真珠の耳飾りも付けなければならないからな。頑張れよ、章子」
お父様がニヤニヤする。
「はい、出来る限り体調も整えて、フリードリヒ殿下との面会に臨みたいと思います」
お父様に一礼した私に、
「心配するな、俺がついておる」
兄が微笑みかけた。いつもと変わらない、頼もしくて優しい兄の瞳を見ながら、私は軽く頷いた。
※フリードリヒ・ヴィルヘルムさん、フルネームはフリードリヒ・ヴィルヘルム・アドルフ・ギュンター・ツー・メクレンブルクですが、フリードリヒ・フランツ2世と、彼の3番目の妻の子供です。大公国自体は異母兄のフリードリヒ・フランツ3世が継いでいます。




