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(28)6日目-7 事件検証6

 名前に数字と色を持っている。

 これが、白木に見つけられる、被害者全員唯一の共通点だ。

 その部分だけに注目して、被害者の名をシンプルな要素だけに置換してみた。



 4月26日:

 赤 五十一

 五 橙


 4月27日:

 黒 五十

 緑 十四

 七 茶

 六 緑


 4月28日:

 四 紫

 紫 十二

 橙 十令三 ●

 三 朱


 4月29日:

 青 十

 二 青


 4月30日:

 黄 九



「で、どうなのおじちゃん」

「とりあえず、使われてる色だけ拾ってみる? 何らかのパターンがあるかもしれないし」


 名前に含まれている色は

 赤、橙、黒、緑、茶、紫、朱、青、黄

 の9色。

 そのうち橙、緑、紫、青を持つ人物は2人いる。


「茶色と黒の人殺されちゃうの? じゃあ、御茶屋さんやクオンちゃんも危ない人?」

「色で殺される人が指定されるなら、黄色を持ってる一岩浅黄さんも危ないことになるね」

「それよりさ。モモ気付いたんだけど。白色の人って被害者に全く含まれてないんだね」

「今のところはね。でも黄山さんの例があるから。青グループもだね。ある日突然被害者グループに仲間入りしてるよ、彼らの色」

「むむっ。じゃぁ、どの色でも油断はできないってこと?」

「かなぁ? 各色2人ずつ参加してるようにも見えるけど、微妙にそうじゃない色もあるし。桃ちゃんの桃色なんかそうだね」


 集めた色の人数に規則性があるように見せかけて、全くの偶然という可能性はある。

 2人存在している色は、どれも名前に多く採用されているベーシックな色だ。

 1人しかいない色は「水、翠、桃、朱、赤、白」。

 白と赤だけはベーシックな色だが、他は少し癖のある色だ。

 色鉛筆のセットでも入っていたりいなかったりする。


「で、桃ちゃん。集められてる、もしくは亡くなった人の色の共通点って見つけられた?」

「ぜんぜん~」

「僕も全くだよ。うん、お手上げだね」


 今わからないものは先送りするに限る。


「じゃ、今度は数字の方を抽出してみよっか」


 51、5、50、14、7、6、4、12、(10か3)、3、10、2、9


「51と50だけ突出してるけど、あとは概ね10代で収まってるね」


 企画参加者全員が記されている名簿で確認してみても、20を超える数は、赤津五十一の51と黒澤五十鈴の50だけだ。


「数字も色みたいに被りがあるのかな?」

「3か10が怪しいね」

「ドレミちゃんの数字が3だったら、三枝さんの3と被るよね。10だったら青島さんと」

「数字側は色より被りが少ないように見えるけど、生き残ってる人まで見てみると被りが何人かいるよね」


 とはいえ、被害者だけ見てみると、数字の被り疑惑があるのは橙山の数字だけだ。

 被害者の数字は被らないように殺人が行われていると考えるなら、橙山に割り振られている数字候補から3も10も外れる。

 令の字を無視して、13で採用とかあるのだろうか。


「数字さ。亡くなってない人の方も見てみると、ほとんど被り無しで1から揃ってるよね。桃ちゃんの2みたいに被りもぽつぽついるけど。そういう数字は、今のところ、片方の人だけ被害にあってるみたいな」

「数字はさ、1から1人ずつコンプを狙ってるんじゃない? うん、きっとそうだよ! だから、既に2が埋まってるモモは安全圏!」


 桃子が自信を見せる。

 けれど、白木には、その判断はまだ早いような気がする。


「桃ちゃんの言うように1から1人ずつ数字を担当していくとするとさ。50と51を持ってる2人はどうするのさ?」

「あ」

「存在忘れてたね」

「はい」

「でも、僕も、1からの数字を1人ずつ担当しているように思うよ」

「なんだ。おじちゃんもモモと同じ考えなんじゃーん」

「そこは同じだけど、桃ちゃんが安全とまでは僕は思わないけどね」


 桃子がぐっと詰まる。

 本人もそこはわかっていたのだろう。

 ただ、危険であると思いたくないだけ。安心感が欲しいのだと思う。


「ま。不必要に1人でフラフラしなければ危険度は下がるんじゃないの? 数字は1つの手がかりになりそうだから、1からちょっと並べなおしてみよっか」


 こういう時はデジタル機器様様だ。

 被害者の属性を数字順に並べ直してみる。



 二 青

 三 朱

 四 紫

 五 橙

 六 緑

 七 茶

 黄 九

 青 十

 橙 十令三 ●

 紫 十二

 緑 十四

 黒 五十

 赤 五十一



「なんかさ。すんごい綺麗な形になったんだけど」

「規則ありまくりに見えるね。7のところでさ、数字が前にあるのか後ろにあるのかが分かれてるよね、コレ」

「ほんとだね。それに、7で分かれてるって見ると、そこら辺で色もループしてるような」


 2つに分かれているグループで同じ色が見られる。

 それに、色の並びに規則性があるように感じる。

 検証を兼ねて、生き残っている人間も数と色のシンプルな形に変換してみる。

 生き残りには〇でも付けておけば、被害者と混ざることは無いだろう。



 一 黄(一岩浅黄) 〇

 一 水(一条水澪) 〇

 二 青

 二 桃(二階桃子) 〇

 三 朱

 四 紫

 五 橙

 六 緑

 七 茶

 七 翠(七野翠) 〇

 八 黒(八子黒音) 〇

 九 白(九之坪眞白) 〇

 黄 九

 青 十

 橙 十令三 ●

 紫 十二

 緑 十四

 茶 十五(御茶屋伊十五朗) 〇

 黒 五十

 赤 五十一

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