表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
忘却の都市  作者: HANA
静寂の裂け目
PR
54/152

『忘却の都市』 かすかな既視感

——城戸の予想に反して、夏希は善戦していた。

いや、むしろ——押していた。

次々と繰り出される素早い攻撃に、仮面の人物はじりじりと後退していく。

強化デバイスの加速と、正確な間合いを活かし——どちらが優勢かは目に見えて明らかだった。


——だが決めきれない。

優勢なはずなのに、決定打が届かない。

夏希の眉に、わずかな苛立ちの影が差した。

まだ、制限時間までには余裕がある。

けれど、この終わりの見えない攻防に、焦りも滲みはじめていた。


そして——。

攻防のさなか、ふと、感覚が反転する。

これは……知っている。

この間合い、この動き。体が“覚えている”。

まるで、訓練で何度も叩き込まれた動作。

新人だった頃——。

まだ都市警備隊の服が似合っていなかった頃。

——城戸隊長の隣で、黙って私の面倒を見てくれた人。

厳しかったけど、ひたすらに、まっすぐだった人。

かつての警備隊の副隊長——


「……小林、副隊長?」


その名が、思わず口から漏れた。

その名を口にした瞬間——

仮面の人物の動きが、ぴたりと止まった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ