いってらっしゃ~い
彼女が現したたポイントで追加購入できるものといえば、
「アイテムトートバックにはまだ手が届かないけれど、少し安くなっているわね」
「きしし、これがレベルアップというものです」
「それで武器は他に、小型の拳銃か……」
「自分の武器が奪われた時に使うには良いかもしれませんよぅ?」
楽しそうに笑う“占い部”の部長に百菜は嘆息して、
「じゃあそれ一つ。それで後は、くじを引かせてもらおうかしら」
「はーい、ふひひ」
嗤う彼女とお化けのような物体を見ながら百菜は、差し出された花びらを一枚を摘み取る。
本当は今すぐそこのカーテンを開けて阿鼻叫喚の嵐に放り込んでやりたい気がしたが、百菜は必死になって我慢した。
そんな百菜の引いた花びらに、
「そうですね。
1、時間が長くなる懐中時計(一日の間で多数イベントを攻略できます)、
2、他の部屋へと瞬間移動出来る懐中時計(移動時間が短縮できます)、
3、やり直しが3回出来る懐中時計(戻る時間は3日)」
とこの少女は説明した。
それに百菜は思う。
この前と同じではないかと。
けれどもらえる範囲が同じなのは仕方がないので、
「じゃあ、2、他の部屋へと瞬間移動出来る懐中時計(移動時間が短縮できます)、でおねがいします」
「かしこまりました」
そう言ってまたも懐中時計が渡されるとともに、百菜の手の中で消失した。
突然消えたそれに、「!」状態の百菜だがそこで、目の前に複数の選択肢がある。
それは、校内の運動場などといった場所が列挙されて、そこにはところどころ星印のマークがついている。
それを見ながら百菜は気づいた。
「これってターゲットの居る場所なのかしら。でも今倒したのが、二人だけだから十四人から引いて……十二人。でも星は十一個しかない」
「百菜、何を見ているんだ? 俺には何も見えないんだが」
「ここに行き先の場所が示されていて、そして、その横に星マークがあるのよ。その星マークがターゲットの居る場所だとして、現在十一個しかない……あら、三つ消えた」
そこで目の前の居場所を示す選択肢から星が消える。
どうやら時間変化するものらしい。
百菜がどうしてだろうと悩んでいると浩斗が、
「移動しているんじゃないのか?」
「なるほど。それとも未知の存在である14人目、その招かれざる客は出てこないのかも」
「隠しキャラだからか。ふむ、確かにありそうだな」
「それでこの場所にもしかしたら触れると瞬時に移動できるのかも」
「いよいよもってファンタジーな世界だな」
「すでにファンタジーになっているんだから問題ないわ。それよりも今すぐ一つ飛んでみる?」
「いや、俺も今日の分のくじとポイントで手に入る武器を手に入れる」
そう言って、浩斗は選択するが、今回手に入れた武器はハサミだった。
しかも布を切るハサミである。
もう少し過激な武器(魅了)だといいなと嘆いていた。
そしてくじを引くと今度は、
「1、ネコミミ(魅力アップ)、
2、イヌミミ(魅力アップ)、
3、ウサミミ(魅力アップ)」
浩斗が絶望したかのような表情で百菜を見た。
なので百菜は深々と溜息をついて、
「私が付けてあげるから好きなのを選べば」
「本当か! じゃあ、ネコミミ!」
嬉しそうに浩斗が選び、受け取って、それを百菜がつける。
黒髪に白い猫耳だが、特に問題はない。
むしろ魅了が上がるので装備が上昇したと思えばこちらからお願いするレベルである。
しかも浩斗も喜んでくれるので一石二鳥だ。
そして百菜は浩斗に次は音楽室に行くと告げる。
その場所に誰がいるかは分からないが もしかしたなら百菜だけが飛ばされる可能性もあるので事前に場所を告げておく。
この能力は占い部の中では使えないようなので祖から外に出る。
「いってらっしゃ~い」
「……不安を感じる見送りな気がする」
そう百菜がつぶやきつつも、選択画面で音楽室を選んだのだった。




