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丘陵のさき 世界の先  作者: 玲於奈
14/57

夏山縦走

なし

しかたなく、指示された場所に座る。そこは男子、女子それぞれ2人ずつの班。

みんな無愛想な感じで話しかけてはこない。黙って会釈をしみんなが見渡せる王様席、

もとい誕生日席に座る。


田村先輩は、3人とも全員女子の班に入る留学経験者。ロンドンでの留学経験からか

ハーイなんて挨拶して自然に輪に入る、私からすれば

ちょっとこうるさい感じ、大げさに言えば、日本人の品位をけがされた

そんな氣もしないこともない、

そんな事を考える自分に少し憤慨しながらもグループの人たちにそれを悟れないよう

物見遊山ごとく教室を見渡してごまかす

そしてわかったこと教育学部は、万国共通か!やはり女子が多い!!

教室の8割は女性であった。

 

マクグリーン氏が学生にプリントを配り始める

配られた学生を観察すれば、まずは問題を読み考えている。


いつ書いたのかマクグリーン氏、黒板に授業内容を書いている。

行程の順番ごとに目安の時間が示されている

自分で問題を解いて、わかってもわからなくても解答をだし

その後、グループ4人で話し合って答えを出すようだ。

アメリカとかにありがちなディベートとかをするのか

私の英語力で大丈夫か?

どんな問題が出るのか。数学大嫌い、文系人間としては驚愕の瞬間。

プリントを見れば問題は(-1)-(-2)マイナスが入った四則計算。

この教室に入って2度目。何がしたい!!!謎の多い授業。

問題はその一問。シンプル。

単純すぎてどういう意図があるのか、逆に裏の意図を疑う。

しかし、わからない。

席が席でどうしたって、皆様の様子がわかるのだが

なぜか、空氣は重い、頭が下がり、筆記用具は動いていない

その問題に何があるのかわからないが

ひたすら空氣がよどんでいる

英語で書かれてあるところに何かあるのか、なにか条件設定があるのだろうか

教室に淀みが広がっている。まあ英語はよくわからんし

(-1)-(-2)=(-1)+2

         = 1

と書いた。あとはどうとでもなれ。

数学は怪しい。まちがっているかもしれないので私も頭を下げる

時計が考えタイムを終了した。

グループがぎこちないのは、どうやら、お互いに慣れていない氣配。

聞けば今学期はじめての授業とのこと。

そうか、私だけというわけではないのか妙に安心する。

はじめてでないのか。そこであることを思い出した


日本出発前の夏山縦走

深谷とともに北海道の骨、原野をそして山を登ったり降りたりした

登るしかなく、尾根を歩くしかなく、下るしかない

そこでいろいろな話をした

イギリスの生活について、その時、英国の教育について深谷が教えてくれた。

北海道の素晴らしいくらいに雄大な山々をみながら

こちらはもう、息がとぎれとぎれだったけれど

深谷は、淡々とまったくもって憎いくらいに急登で少しも息もきらせず

イギリスの教育について私に語った。


なし

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