夏山縦走
なし
しかたなく、指示された場所に座る。そこは男子、女子それぞれ2人ずつの班。
みんな無愛想な感じで話しかけてはこない。黙って会釈をしみんなが見渡せる王様席、
もとい誕生日席に座る。
田村先輩は、3人とも全員女子の班に入る留学経験者。ロンドンでの留学経験からか
ハーイなんて挨拶して自然に輪に入る、私からすれば
ちょっとこうるさい感じ、大げさに言えば、日本人の品位をけがされた
そんな氣もしないこともない、
そんな事を考える自分に少し憤慨しながらもグループの人たちにそれを悟れないよう
物見遊山ごとく教室を見渡してごまかす
そしてわかったこと教育学部は、万国共通か!やはり女子が多い!!
教室の8割は女性であった。
マクグリーン氏が学生にプリントを配り始める
配られた学生を観察すれば、まずは問題を読み考えている。
いつ書いたのかマクグリーン氏、黒板に授業内容を書いている。
行程の順番ごとに目安の時間が示されている
自分で問題を解いて、わかってもわからなくても解答をだし
その後、グループ4人で話し合って答えを出すようだ。
アメリカとかにありがちなディベートとかをするのか
私の英語力で大丈夫か?
どんな問題が出るのか。数学大嫌い、文系人間としては驚愕の瞬間。
プリントを見れば問題は(-1)-(-2)マイナスが入った四則計算。
この教室に入って2度目。何がしたい!!!謎の多い授業。
問題はその一問。シンプル。
単純すぎてどういう意図があるのか、逆に裏の意図を疑う。
しかし、わからない。
席が席でどうしたって、皆様の様子がわかるのだが
なぜか、空氣は重い、頭が下がり、筆記用具は動いていない
その問題に何があるのかわからないが
ひたすら空氣がよどんでいる
英語で書かれてあるところに何かあるのか、なにか条件設定があるのだろうか
教室に淀みが広がっている。まあ英語はよくわからんし
(-1)-(-2)=(-1)+2
= 1
と書いた。あとはどうとでもなれ。
数学は怪しい。まちがっているかもしれないので私も頭を下げる
時計が考えタイムを終了した。
グループがぎこちないのは、どうやら、お互いに慣れていない氣配。
聞けば今学期はじめての授業とのこと。
そうか、私だけというわけではないのか妙に安心する。
はじめてでないのか。そこであることを思い出した
日本出発前の夏山縦走
深谷とともに北海道の骨、原野をそして山を登ったり降りたりした
登るしかなく、尾根を歩くしかなく、下るしかない
そこでいろいろな話をした
イギリスの生活について、その時、英国の教育について深谷が教えてくれた。
北海道の素晴らしいくらいに雄大な山々をみながら
こちらはもう、息がとぎれとぎれだったけれど
深谷は、淡々とまったくもって憎いくらいに急登で少しも息もきらせず
イギリスの教育について私に語った。
なし




