公爵令嬢はぼんやり令嬢との出会いを回顧する。
活動報告に書いたとうり右手の人差し指を車のドアに挟んでしまい結構血が出る大けがをしてしまいました。
まだ痛みが残っているため更新頻度落ちてしまうかのせいが大いにありますその場合前書きかあとがきか、もしくは活動報告で報告させてください。コロナ罹患といい心配おかけして申し訳ありません。
フルルが休んだとある日、ふとレベッカ様に聞かれた。
「シャルロット様とフルストゥル様は、仲がいいけれど、昔からの知り合いなんですか?」
「ん?違うわよ、一年の時に知り合ったのよ。」
そう答えると、反対側にいたギャラン様が意外そうに眼を開いた。
「へぇ、意外だな。あんなにべったりなのに」
「何がきっかけで仲良くなったんですか?」
レベッカ様の質問に、私は間髪入れずに答えた。
「あぁ、私がフルルを泣かせたからよ」
「……え?」
それを聞いてレベッカ様は固まり、ギャラン様は通常運転だが、会話が聞こえたであろう、バーナード様と、マオ先生は、信じられないものを見るかのように、目を見開いて固まっていた。
「あぁ、安心しなさい 苛めとかじゃないから」
「安心って……」
「何をもってして、安心しろと」
ギャラン様以外は驚いているけど、私は続けた。
「だって、この後友達になるんだもの、安心しかなくない?」
「……たしかに」
そうして、隙あらば自分語りというわけではないが、一年前の話に遡る。
そのころ、軽くクラスメイトとは話をするし、公爵令嬢だからか、多くの人に声をかけられるが、深い関係の友人はいなかった。
「あの、ロゼットロア公爵令嬢……これ」
「あら、拾ってくれたの?わざわざありがとう」
普通にお礼を言っても、なぜか、無駄に偶像崇拝のようなものをされていた。
しゃべっちゃった、お礼を言われちゃった、なんて大騒ぎされて、今振り返れば可愛らしいものの、その当時は、そういった羨望の表情や声が、申し訳ないがうっとうしく感じていた。
それらから逃げるために、休み時間のたびに図書室に逃げ込んでいた。
フルストゥルの存在を認識し始めたのはそのころだった。
フルストゥルは、いつも教室じゃ居心地が悪いのか、図書室で、困ったような顔をしながら、授業の復習や課題、予習を今にも泣きそうな顔でやっていた。
それが、かなり多く目についたので、ふと声をかけたのが始まりだった。
「ねぇ、あなた同じクラスよね、名前を教えてくださる?」
「……フルストゥル・ベルバニアと申します。ロゼットロア公爵令嬢」
「そう、ベルバニア伯爵家の……色々不慣れなことも多くて大変なのでは?」
嫌みも何もなく、ただ、ベルバニア家のような主に領地運営を重きに置いている家は首都での交流は少なく知り合いが少なく苦労してるんだろうな、という軽い気持ちだった。
だが、そういっただけでフルストゥルの目から涙が静かに流れていた。
「あ……えっと、ごめんなさい。」
「大丈夫?何か、嫌なことを言ってしまったかしら……だとしたら、ごめんなさい」
「何でも……何でもないんです。」
フルストゥルはそれだけ言うと、足早にどこかへ走っていった。
それから私は、罪悪感からかもしれないが、フルストゥル・ベルバニアという存在が、心に引っ掛かり始めた。
「フルストゥル嬢ですか、よくも悪くも目立ちませんよね。」
「ベルバニア…?あぁいつも図書室にいる……」
基本的には、毒にも薬にもならないような存在だという共通認識らしい、がとある女子生徒は首をかしげて答えた。
「あの娘、もったいないですよね」
「もったいない?」
予想外の言葉に驚くのが、予想できていたんだろう、彼女はぽつぽつと続けた。
「だってほら、水と風、あと火の魔力が均等にあるのに、あまり魔法が得意じゃないから。」
「ベルバニア伯爵に教わらなかったのかなって」
「あぁたしかに」
この学院に入るんだったら、幼少のうちから学んでいた方がよい部分ではある。
それに、ベルバニア伯爵は氷の魔術が得意なのだから、教わればある程度、形になりそうなもののそもそも原理すらわからない様子でとても困っていた。
「あと噂で聞いたんですけど、じつは、ブランデンブルグ侯爵家と婚約してるとかしてないとか」
「ブランデンブルグって、今結構力つけてるとこじゃない、また凄いところと婚約を結んだわね」
私が驚くも、周りの女子生徒たちがいやいや、と軽く首を振った。
「でもまだ疑惑ですよ、お二人が仲睦まじくしているところなんて、見たことないですし」
「あら、そうなの?」
「それにほら、レヴィエ様は、女性との交遊関係が盛んでしょう?」
「まぁ 見たことはないけれど、有名よね」
「常に誰かが側にいるんですよ、女子生徒が」
「……まあまぁ」
度しがたいわね、と思いながらも、そういうのは個人間のやりとり、家同士のだったりするから第三者が介入するのはナンセンスだ。
が、いかんせんもし、婚約してるとしたら、外聞が悪すぎないだろうか。
「でも 不思議ですよね、ここに入学するなら、中等部から通ってた方が、絶対有利じゃないですか。」
「なのに、いきなり首都にほうりだされるなんて」
……言い過ぎ、といつもの私なら言うだろうけれど、多分、大分苦労しているということを想像するのは、簡単だった。
そうでなかったら、あんな風に涙を流さなくていいだろう。
「ありがとう、助かったわ」
「いえ こちらこそ」
その翌日から私は、フルストゥル・ベルバニアに干渉するようになった。
「ベルバニア伯爵令嬢、次の授業同じよね?一緒に行きましょう。」
「え?ぁ……はい」
最初は周りの方々も、ベルバニア伯爵令嬢もとても驚いていた。
「ベルバニア伯爵令嬢、もし嫌でなければ、私とペアになりましょう?」
「……はい」
またある時は。
「ベルバニア伯爵令嬢、私、お昼これからなんですけど、ご一緒しません?」
「はい」
となかば無理矢理、というより私が、彼女より家の爵位が高いからか、拒むことはなかったせいか、周囲はもはや、そういうものだと納得していた。
フルストゥル本人はなんで、どうしてと戸惑いはあるものの、嫌悪はされていなかったようで、そういった態度も見せることはなかった。
そうして、彼女の側で過ごすことでわかったことは何個もあった。
魔法以外の成績はそれほど悪くないこと。
寧ろ歴史は私よりもいいこと。運動は、全般的に苦手なのに、何故か馬術と弓術は上手なこと。
社交界に疎いのに、何故かダンスやマナーはトップレベルなこと、そして字が上手なこと。
知れば知るほど彼女は、彼女自身と、周囲が思っているより、優秀であることに気づいた。
「ベルバニア伯爵令嬢は、もっと自信を持っていいと思うの。今まで習っていなかった分野も、ここまで頑張ってきたんだもの」
「……ありがとう、ございます。でも、それはロゼットロア公爵令嬢が、助けてくれたからで」
いつものように遠慮がちに答えるも、私は彼女の苦労を知ってるからか、それを流すことなんてできなかった。
「でも頑張ったのは貴女でしょう?」
「……はい」
予想外の言葉だったからか、きょとんと、長い睫に彩られた猫目を開くその表情が、どこか間抜けで可愛らしかったのと、彼女のことが気に入ったこともあって、私は更に続けた。
「あと、シャルロットでいいから」
「へ?」
「だから ロゼットロア公爵令嬢じゃなくて、シャルロットって呼んで私もフルストゥルって呼ぶから」
その後、フルストゥルの側にいるのが、あまりにも楽で、というのも、彼女は他人や噂に疎いからか妬みそねみや陰口もいわないし、変に私を持ち上げることもないし、私と仲がいいのを自慢したり、そういう煩わしいことを、一切してこないことから、ずっと共に行動していつの間にか仲良くなっていった。
まさか、一年でここまで心を許せる関係になるとは、思っていなかったけれど、悪くはないと今でも思う。
「……で今に至るって感じよ?別におかしくないでしょ?」
そこまで自分がたりをすると、レベッカ様らは納得し、マオ先生は物凄く安心していたので、意地悪心で爆弾を投下した。
「まぁその後フルル、顔真っ赤に腫らして学院きたときは、ビックリしたけどね」
「え?」
「ティルディア様に、弱音はくな根性なしっ、てやられたっていってたわね」
あれには本当に驚いた、と付け足すとレベッカ様は驚愕し、マオ先生は心配のあまりうなだれつつ、ギャラン様は苦笑していた。
まぁ、その日はうちに泊まらせたけどね、とつけたしつつ、始業の鐘が鳴ったので、自分がたりはここまでで終わらせた。
その話を聞いたからか、後日、その場にいた人間は、
フルストゥルに今よりも、優しくなったのであった。
さらっとですがシャロとの出会い、シャロ視点がようやくかけました。
このころのフルルはわりとストレスで情緒不安定すぎたので優しい言葉が染みた結果泣いちゃっただけなのでマオ先生は心配しなくて大丈夫案件でした。
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