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灼熱の銀の球体  作者: 佐屋 有斐
第一部四巻「胡蝶舞う蔓畑」
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十章



 第十章 アトゥールにて





 海の底へ沈んだ後、船は潜航しはじめた。

 澄んだ透明な海の水に違和感を覚えながら、展望台のガラスの小窓から外の景色を見てみると、大小さまざまな魚が海底から生える海木の森の中を自由に泳ぎまわっていた。海のシアンブルーの色は海木の森が放つ胞子の色のようで、第八世界の水には色がないのだと潜水してはじめて気づいた。

 海木の森は海底にずっと広がっており、潜航をつづけていくと、場所によって少しずつ住む魚も様変わりしていた。海に住んでいるのは魚だけではなかった。色鮮やかな貝類も自由に泳ぎまわり、魚なのか貝なのかなんだかわからない硬そうなこげ茶色のイボイボの生き物も多数泳いでいた。

 潜航をつづけていくと、海の景色を眺めていた乗客たちの過半数が買い物施設や娯楽室のある船内へ移って行った。それでも、三十人ほどが展望台に残り、小窓や天井に空いた大きな窓から海の景色を楽しんでいた。

 シュミレットは小窓の前にある青い長椅子に座った。背もたれに身体を預けると、自然と天井を見上げる姿勢になった。ルーネベリは小窓から海を見て、海中動物を目で探した。

 くりっとした丸い目のとぼけた顔をした海獣や、透明な羽を持った少しグロテスクな灰色の硬い皮膚をもつ獣。泡そっくりの海虫の群れ。尾ビレが七つもある大きなオレンジの魚が優雅に泳ぎ、潜航するレベールズ号のガラス窓に近づいてきた。なかには、わざと窓にぶつかってくる魚もいた。縄張りを荒らされたと思ったようだ。

 四十分ほど海を見たシュミレットとルーネベリは飲み物を求めて船内へ向かった。船内レストランでは食事しかできないだろうと思いながらも、下の階へ向かってみると、船内レストランの白いスーツを着た男性従業員が入り口前まで階段をおりてきた二人を見て、声をかけてきた。

「いらっしゃいませ。ようこそ、船内レストラン『アトゥール』へ。只今、窓際のテーブル席とステージ側の席がそれぞれ空いておりますが。どちらをご希望でしょうか?」

 ルーネベリは戸惑いながら言った。

「あぁ、いや……。その、飲み物を頂きたいんですが。ここでは食事でなければ入店できませんよね?」

 男性従業員は優しく微笑んだ。

「いいえ、お客様。レストランオーナーの方針により、当船内レストランでは景色を十分に満喫していただくため、あらゆるお客様をお迎えしております。お飲み物もご注文なさらないお客様もなかにはいらっしゃいます」

「えぇ、そうなんですか?」

 驚いた声を出したルーネベリに男性従業員はレストランの入り口に手を向け言った。

「お席の方はどちらにいたしましょう?」

 シュミレットは「窓際で」と言ったので、男性従業員はシュミレットとルーネベリをレストラン内の窓側の席に案内した。

 船内レストランの内観はパンフレットで見たものより、実物のほうがずっと良かった。明るいオレンジ色の絨毯に、オレンジ色の木製テーブルと椅子。白い花の浮遊するランプが天井に漂っていた。

 席に着くと、茶髪の毛先がくるりと外側に跳ねたウェイトレスがやってきて注文を聞いてきたので、船内レストランでおすすめの紅茶と酒を注文した。

 一息つき、テーブル席から外の景色を見てみると、大きな窓に大量の黄色い小魚が寄り集まって真っ黄色になっていた。シュミレットはその様子を見て顔を顰めた。しばらくして、ウェイトレスが注文した紅茶と酒を運んでくると、二人は遊覧船の旅に軽く乾杯した。


 真っ黄色に埋め尽くされた窓は一時間もつづいていた。小魚のせいで海の景色がまったく見えないと気分を害した客たちは、船内レストランを出て行った。半ば貸し切り状態になった船内レストランのなかで、ルーネベリは新たに注文した酒を五本、六本と魚介の小料理を楽しみ。シュミレットは小さな揚げパンをつまんだ後、読みかけの本を開いて読書に没頭した。

 二十分後、船がすこし揺れて、急に窓を埋め尽くしていた小魚たちがどこかへ泳いで逃げて行った。真っ黄色から透明な海の景色に変わったので、何が起きたのだろうかと緑色の酒を飲みながらルーネベリが見ていると、とても鱗をもつ巨大な胴体が窓を横切った。レベールズ号よりも数十倍も大きかったので、ぎょっとしてルーネベリは酒をテーブルにこぼしてしまった。

「どうかしたのかい?」と、シュミレットが本から顔をあげずに言った。ルーネベリは言った。

「あぁ、いえ……。俺、もう酔ったみたいです。今、怪物が窓を横切った気がして……」

「君は確かに酔ってはいると思うけれど。気がしたのではなくて、実際に横切ったのだろうと思うよ」

「えっ?」

「だからね、君。大蛇が船を横切ったのだろう。何をそんなに動揺しているのかな」

 目線だけあげてシュミレットはなぜか呆れていた。

「大蛇って何ですか?」

「第十一時の世界の生物、ヘルビウスだよ。時術師のように時空を行き来する高知能の大蛇。第八世界の海の底にはヘルビウスの巣があるから、この遊覧船の売りの一つにしているのだろうね。ほら、外を見てごらん。海用保護スーツを着込んだ客たちがヘルビウスに餌をやりに行こうとしているよ」

 大きな窓の外を見てみると、シュミレットの言った通り大勢の客たちが海底を歩いていた。ぱっと見たところでは、普段着のままに見えるが、彼らは皆、零点一ミリにも満たない極薄い透明なスーツを身に纏っていた。スーツは外側と内側は異なる科学繊維でできている。非常に薄いが、一億層も織り込まれた丈夫なスーツは非常に強い耐久性、防水、耐圧、保温性、空気循環機能を有し。水深三万メートルまでの水圧に耐えられる脅威的なスーツだった。そして、そのスーツに合わせて作られた科学技術の最骨頂、全自動空気生産機をスーツの下にペンダントとして身に着ければ完璧だ。何十時間、海の中にいようと、地上にいる時とまったくかわらない状態になるのだ。

 地上を歩くのとほとんどかわらないように海底を歩く客たちは、二列になって赤い籠を持っていた。あの籠に餌が入っているのだろう。レベールズ号の白い服の先導員が青い三角の旗を振っていた。きっと、大蛇の餌やりもオプションの一つなのだろう。

 船の席を立ったルーネベリは大蛇を見ようと、窓ガラスに近づいた。シュミレットも本を閉じ、同じように席を立って窓際に立った。

 ルーネベリは窓の外を見ながら言った。

「ヘルビウスっていう生き物は海洋生物なんですね」

「一概にはそうとは言えないね。ヘルビウスはどんな環境でも生きていける生物なのだよ。火の海の中でも、針の筵でも寝床にしてしまう。珍しい生物ではないけれど、自然界でなければ見られないから観光の目玉にしているのだろうね」

「へぇ、そうなんですか」

 ガラス越しにずっと海の中をみていると、遠くに大蛇らしき生き物が二匹も見えた。船の方へ、いや、餌をもった客たちの方へ近づいているようだ。透明なヒレのついた尻尾をくるりと捻りながら泳いでくる。独特な泳ぎ方だ。背中に黒い剛毛が頭から尻尾まで一直線に生え、ふさふさした頭には雄々しい角が二本。胴体には腕が二本あったが、足はなく、間違いなく蛇だった。

 遠くから見ていると、まるで怪獣が人間を食べようと襲いにきたように見えるが。巨大な大蛇は客たちに近づくと、ゆっくりと海底でとぐろを巻いた。賢い生物だ。慣れたように頭を下げて、大きな口を開いたまま大人しく餌を貰うのを待っていた。客の子供たちが、そっとヘルビウスの長く赤い舌に餌を置いていたが、間違っても大蛇は子供たちを食べようとはしなかった。

 ルーネベリは「あの身体で何を食べるんですかね」と言うと、シュミレットは「ヘルビウスは草を食べるそうだよ」と答えた。

「そうなんですか。詳しいですね。先生はヘルビウスがお好きなんですか?」

「好きでも嫌いでもどちらでもないね。ただ、ヘルビウスを見ると、思い出すのだよ。力を使えるのは人間だと思うのは、人間の傲慢さだとね」

 二匹のヘルビウスの舌の上に餌を置き終えた客たちは、大蛇の鱗に触っていた。楽しそうな客たちになすがままにされていたヘルビウスはゆっくりと口を閉じて、舌にのった餌を一飲みすると、体を捩った。海底に大きな水の流れができたが、海用保護スーツを着た客たちにとっては強風に当てられた程度ですんだ。だが、大蛇の動きを見た先導員が客を船へ誘導しはじめた。これ以上は危険だと思ったのだろう。客たちはゆっくりと大蛇から離れ、船へと戻りはじめた。

 二匹の大蛇は客や船から遠ざかり、くるりと胴体半ばのところを丸めて輪っかをつくった。ルーネベリは窓にかじりつき、目を見開いた。大蛇のつくった輪の向こう側は海ではなく、暗闇になっていた。大蛇は頭を輪へ向けて、中へ入って行った。頭部が暗闇の中へと消えると、胴体も見えない向こう側へすっと滑らかに入って行った。そうして、大蛇が海から消えてしまったのだ。ルーネベリはシュミレットを見て、窓の外を指さしたが驚いて言葉が出なかった。シュミレットはクスリと笑い、言った。

「彼らは時空を泳ぐのだよ。時術式をつかわずにね」

 客が皆船に戻ると、船は再び潜航しはじめた。時刻が夕暮れから夜になるにつれて、海の中も薄暗くなっていった。飾り布が光り、船の側面に付けられた無数のライトが潜航する船の行き先を照らしていた。目覚めはじめた夜行性の魚たちが船のガラスを興味深そうに見ていた。先ほどが嘘のように、船内レストランには人が詰めかけ、皆、優雅に船内レストランの海鮮料理に舌鼓していた。

レベールズ号が船着き場に浮上した頃、外はすっかり暗くなっていた。他の客たちと同じように船からおりようと船内レストランから甲板にあがってきたシュミレットとルーネベリは、案内係の女性の声に従い、船をおりた。

 船乗り場には次の便に乗船しようと待っていた客で一杯だった。夜の便の客は、家族層はぐっと減り、カップルの数が多くなっていた。ロマンチックな夜の船旅はまさにデートに相応しい。親友ジョラムの助手イーフェスが言っていたように、若い娘なら誰でも憧れるはずだと、ルーネベリは思った。

 二人は遊覧船の乗り場から海岸通りへと歩きだした。船旅を満喫したうえ、夕食もすんだので、宿に戻るつもりだった。ルーネベリが酔っ払いながらシュミレットにはじめて遊覧船に乗った感想を興奮しながら話していると、シュミレットはクスリクスリと笑った。――そんな中、楽しそうに会話しながら去っていくシュミレットとルーネベリの背中を、じっと見ている人物がいた。

 膝に温かい赤い毛布をかけ、茶色いアンティークの車椅子にのった黒いレンズの眼鏡をかけた女性だった。漆黒の長い髪を後ろで結び、膝の毛布でわかりづらいが、深緑のドレスを上品に着こなしていた。

 黒いワンピースの短い金髪の侍女が女性に言った。

「奥様、どうかしましたか?」

「……いいえ、カナン。行きましょう。乗り遅れてしまうわ」

「はい、奥様」

 侍女が車椅子を押して、女性はレベールズ号に乗り込んだ。


 宿に帰った後、二人は汗を流してからベッドで休んだ。翌日はこれといって急ぐ仕事がなかったので、朝はのんびりするはずだったが。朝のはやいシュミレットは顔を洗った後、奇術式で朝食を頼み、本にした依頼書を魔術式で元の大きさに戻した。ルーネベリが目覚めた時には、あんなに綺麗だった部屋は書類の山に埋め尽くされていた。

 リゾート地に来てまで、朝から晩まで賢者様は宿の部屋で依頼書の処理をこなしていた。ルーネベリも処理済みの書類と手づかずの書類を分類し、シュミレットの処理した依頼書の内容を一枚一枚きっちり読むなど仕事に明け暮れた。夜になると、さすがに疲れたシュミレットは仕事をやめたので、解放されたルーネベリは一人で海岸通りを散策した。海岸通りには、酒場のほかに賭博場、放映館、本屋、洋服屋、風変りな土産屋が多数あり。そのうえ、酒場で数人と親しくなったので、退屈はしなかった。そうして、一週間もとい――十六日が経ち、ローディア・シスケイルとの約束の日がやってきた。

 朝食を取った後、ルーネベリは前日に海岸通りで買った新品の青いシャツを着てから、シュミレットが購入し読み終えた今日の新聞をテーブルにひろげ、リュックから手帳を取り出した。黒い革の手帳だった。手帳のページをめくり、簡易カレンダーがプリントされたページを開いて新聞の上にのせ、派手な腕時計を見た。ルーネベリが一体、何をしているかというと、現在の日程と時間を確認していたのだ。





            挿絵(By みてみん)





 十三世界の一週間は十三日あり、ひと月は十三日しかない。そして、十カ月は一年。一万年は一代となる。普通に考えればひと月や一年がとても短いと感じるが、一日の標準時間の長さは必ずしも決まっているわけではないのだ。球体のでたらめな自転公転の変動が一定した時間測定を不可能にするため、過去と未来を行き来する時術師が、球体個々が迎えるだろう時を正確に測り、予測してつくられた時間を「世界時間(未来時間)」と呼び。十三世界の世界時間の平均が「標準時間(外時間)」と呼ばれている。

 世界時間と標準時間は必ずしも一致しておらず、ある世界ではすでに次の日の朝になっていたとしても、日付はすべて標準時間優位になるので、日付だけは前日のままであることもあるのだ。

 ルーネベリは新聞に記された日付と、手帳の簡易カレンダー、腕時計を確認した。新聞には一月数七と書かれており、腕時計は現在の標準時間の朝の五時を示していた。

 ルーネベリは半球の窓際で外を眺めていたシュミレットに言った。

「第八世界は今日もきっかり三日進んでいますね。新聞によれば今日一日の標準時間は五十時間ですが、第八世界の今日の世界時間は二十二時間なんですよね。……シスケイルさんとの約束は夕方のはずですが、この場合、何時に向かえばいいと思いますか?」

 シュミレットは外を見たまま言った。

「そうだね、この世界の夕方にあたる時間でかまわないのではないかな。外時間や世界時間をわざわざ気にするのは君ぐらいなものだよ。滞在している世界に適当に合わせればいいのだよ」

「それが難しいから聞いているんですよ。五時頃でいいですか?」

「そのくらいでいいと思いますよ。――それまでに、この部屋にまだ残っている書類を片づけよう。だいぶ片付いたと思ったのだけれどね。まったく終わりが見えないよ」

 振り返ったシュミレットは床にまだまだ山積みになっている書類を見て目を細めた。処理済みの書類は本にされて、ベッドの上に置かれていた。






 五時前まで仕事をしたシュミレットとルーネベリは宿屋の従業員に道を教えてもらい、宿屋街から海岸沿いを歩き、約束のレストラン「アトゥール」に向かっていた。

 レベールズ号を思い出すようなカラフルなレンガの道を歩いていると、人々がのんびりと歩いていた。当然のように若いカップルは沢山いたが、老夫婦の姿も多数あった。海岸通りのベンチに座り、飲み物片手に寄り添いながら海を眺めていた。第八世界のこの海岸は思い出の場所なのかもしれない。ただ訪れただけで、あちらこちらにちりばめられたロマンスに出会う。ますますルーネベリは親友の助手イーフェスが不憫に思えてならなかった。

 カラフルなレンガの道は右へくねり左にくねりしながら、海岸に建てられた大きなレストランにつづいていた。レストラン「アトゥール」は白い箱型の建物だった。入り口はガラス戸になっており、温かい明かりが室内についているのが遠くからも見て取れた。

 レストランに着き、シュミレットが最初にガラスの戸の前に立つと、ガラス戸は入り口の部分だけが消え去った。シュミレットの後にルーネベリが入店し、振り返ってみると、ガラス戸は完全に元に戻っていた。

 最新の科学道具かもしれないなとルーネベリが思っていると、レストランの受付の奥から男性が一人歩いてきた。こげ茶色の柔らかそうな短めの髪をふわりとくねらせ、口ひげを蓄えた黒いスーツ姿の紳士だった。四十代か、五十代かそれぐらいだろう。

 男性は少し低めのよく通る声で挨拶した。

「いらっしゃいませ。ご予約のお客様でしょうか」

 シュミレットは軽く片手をあげた。

「『ローディア・シスケイル』、あるいは、『ユアン・レガート』の名で夕方から四名で予約しているはずです」

 男性は予約票を確認せず、名前を聞いただけで微笑んだ。

「シスケイル様でございますね。特別なお客様だと聞き及んでおります。ご来店ありがとうございます。当レストランのオーナーをしております、ラス・アトゥールでございます」

ルーネベリはオーナーの名前を聞いて、「はぁ、レストランと同じ名前なんですね」と何気なく呟いた。アトゥール氏は深く頷いた。

「はい、私の名前が由来です。このレストランは私が一から築きあげた自慢のレストランです。インテリアから料理につかう素材まで、最高のものを取り揃えました。お客様に楽しいひとときを提供できれば幸いでございます」

 丁寧にお辞儀した後、ラス・アトゥールは言った。

「シスケイル様はすでにお部屋にいらっしゃっております。ご案内いたします」








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