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束子を守ります!

ブックマークしてくださった方、ありがとうございます♪

嬉しくて頑張って続きを早く書こうとしてました!

 久しぶりの束子で身体を洗う心地良さに浮かれて、結局はバレて大騒ぎになった。

 束子で洗うと血行が良くなるし、何より肌がまだ慣れてないのも大きいと思うけど少し赤くなったからだ。


 ユーリが楽しそうにしている理由を知ろうと、手元を覗き込んだマーサは動きを不審に感じたのか風呂から上がるように言い。

 バレない為に大人しく従ったユーリだが、石けんの泡をシャワーで流された後に肌が赤くなっている事に気付かれた。

 手にしっかりと握られた束子を見て、マーサは察したのだろう。大慌てでユーリの身体を拭き、夜着に着替えさせると抱えて寝室に直行。怒られながら薬を塗られる事になった。

「奥様に申し訳ないですわ。どうしてこんな事をしたのですか。痛かったでしょう。こんなに赤くなって……」

 マーサの方が痛そうな顔をして悲しそうな声で言われた。確かに少し赤くなってはいたものの、全然痛くないし久々に肌がスッキリと爽快なユーリは困っていた。母より一回り年上らしいマーサは責任感が強く心配症だ。

「あのね、いたくないの。 きもちよかったよ?」

 平気だと、むしろ気持ち良いのだと一生懸命に訴えてみたものの、マーサは悲しそうな顔で首を左右に振った。

「確かに肌に傷はついておりません。でも、使い続けたらどうなるかマーサには分かりません。明日、奥様にお話しますね。ちゃんとお話してくださいませ」


 確かに雇われている以上、勝手にする事は出来ないのだろう。束子を即座に取り上げられないだけ良しと思うしかないらしい。

 お湯に濡れた束子は、いつものように石けんを置く用の小皿に乗せられて枕元に置いてはもらえた。

 ベッドに寝かされて、タオルケットのような薄い物をかけてもらった。胸元にお休みがわりに軽くポンポンと叩くその手は優しかったものの、気持ちは通じないままのような気がした。

 悲しませてしまった事は申し訳なく思ったものの束子を諦めるわけにはいかない。

 母をどう説得するか、考えていたら眠れないかと思ったものの気付けば心地良い寝息を立てていたユーリだった。


「それで、ユーリはどうしてそんな事をしたのかしら?」

 次の日、朝食を食べた後にマーサに母の部屋まで連れて行かれた。

 話を聞いていたらしい母は、ユーリの肌を確認してホッと一息吐いてからそう言った。怒ってはいないけど心配はしているのだろう。優しげな口調でありながらも、保護者としての威厳があった。言葉を間違えると束子を没収される可能性がある。

「あのね、タワシをそだてたのはこのためなの。あつくなってから、カユいところがあったの。でも、タワシであらうとなおるの!」

 ユーリの一生懸命な主張に母は耳を傾けてくれた。でも納得まではしていない顔をしていた。

「そういえば、汗疹が出来かけていたわね。でも、薬で治っていたでしょう?」

 毎晩、風呂上がりに薬は塗ってもらっていた。でも、そうじゃないのだ。

「おクスリでなおしてもらってたけど。カユイの、サッパリしないの。タワシはカユイところ、チクチクできもちいーの!」

 熱心に気持ち良さをアピールするものの、母は戸惑った顔をして首を傾げている。ユーリは持参した束子を手に乗せて母に差し出した。

「さわってみてっ!」

 理解してもらえるはずと目を輝かせて、自信満々に主張する幼児の姿は大人から見ると抗えないほど可愛い。ユーリに可愛い自覚はなかったものの、母の頬は緩んだ。

 しょうがないという感じに手を伸ばしてユーリがするように束子を撫でてくれた。

 一度無でると、思っていた感触と違うのか首を傾げて確かめるように手に取った。

「本当、意外と柔らかいのね。確かに痛くはないわ。ユーリ、もう一度肌を見せて?」

 ユーリは「はいっ!」と元気良く返事をして、母に飛び付くように抱き着いた。

 ソファに座っていた母は「あらあら」と言いながら抱き留めて、ユーリをヒザに座らせた。そして着ているワンピースから出ている腕を撫でた。

「さっきは傷が無いかを確認しただけだから気付かなかったけど、いつもより肌が綺麗な気がするわ。最近は確かに少し汗疹の跡が少し気になっていたのに。むしろツルツル?」

 ユーリはその言葉に笑顔で頷く。

「かぁちゃ、おててかして?」

 素直に手を出してくれた母の腕に束子を置いて、円を描くように動かす。力は入れないのがポイントだ。本当はたっぷりのお湯に浸した束子に石けんを付けてから手のひらで擦ると泡々になるので、その泡があると視覚的効果もあるし感触も柔らかく感じるのだけど仕方がない。

「お、奥様っ!」

 マーサが焦ったような声を上げた。けれど、母は平気な顔をしているので止める事も出来ずにオロオロとしている。

「……本当、痛くないわ。むしろ慣れたら気持ち良いのではないのかしら。もしかしたら、今使っているボディブラシよりも。夏は肌が蒸れて痒くなる時もあるから、その時にこのチクチク感は癖になるような気がするわ。寝ている間に無意識に掻いてしまうと赤くなったりするし」

「カユイとこにきくのっ! それに、おはだツルツル!」

 目を輝かせてアピールすると、母は何かハッと気付いたような顔をした。

「まさかこれもギフト? え、でも束子の? 美肌の方かしら。この自信満々の様子は先を知っているかのようだし……」

 母は何事かを小声で呟いていてユーリには聞き取れなかった。ギフトがどうとかとは聞こえたけど、そんな変なギフトは無いと思う。考えた末に否定した上で何か納得してくれたのではないかという感じがした。

 痛くないのは理解してくれた。これはきっと大丈夫に違いない。ユーリは期待に満ちた目で母を見つめ続けた。

「マーサ、大丈夫よ。ちゃんと見守ってくれてありがとう。このまま使い続けてもいいわ。何かあったらまた教えてちょうだいね」

 母は優しい顔でマーサに告げた。

「やったー! かぁちゃ、だいすき!」

 許された事に喜び、その場でぴょんぴょん飛び跳ねるユーリは気付かなかった。

 母がマーサを手招きして、本当に肌がツルツルになるのか検証して欲しいと告げた事を。その顔が意外にも真剣で期待に満ちていた事も。

 その結果、身体洗い用の束子が作られる事になるのは当然思ってもみなかった。


 






束子の話はここで一区切りかと思います☆

趣味全開ですが、束子は本当にこれからの時季は特にオススメなのでよかったらお試しくださいませ。

束子初心者には身体洗い用の柔らかい束子がオススメですが。

ガッシリ洗いたい方は、硬い束子を慣らしていくのも良いかと。

使っている内に柔らかくなってきますので、最初は足裏から洗って徐々に大丈夫そうな所を試していくと丁度いいかと。

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