夏休みになりました
都代視点です。
夏休みに入ったよ。
終業式の後に恐怖の通知表を貰ったけど、思ったよりも悪くなかったよ。
うん、まあ「1」は無かった。「5」も無かったけど。ザ・中間。
ま、そんなことはどうでもいいんだ。
私は魔法使いトヨちゃん。学校の成績なんてものわぁ~。
・・・という勢いで帰って来た。
実際のところ、うちは放任主義なので学校の成績は、あんまりとやかく言われない。補習が必要なレベルじゃなきゃいいよ、というくらい。
ま、まだ中1だからってこともあるけどね。来年とか再来年はどうなるかね。
それで、夏休みに入ったところで、ドイツからメル友が泊まりに来るっていう話を親にした。
「は?都代、あんた、何、言ってるの?ドイツ人?メル友?そいつはドイツんだ?」
あんたこそ、いつの人だよ?と突っ込みたいのを我慢して、説明したよ。あ、お母さんね、これ。
「メールで知り合った子で、今、6歳になるの。それでね、今度、両親と日本に来ることになっているんだけど、両親は仕事なのね。日本で知り合いがいないから、良かったら家に泊めてもいい?ってことなんだけど」
うん、ナタリーちゃんのことね。異世界から連れてくるなんて話は出来ないから、外国人ということにしておく、と先週、ナタリーちゃんと相談して決めた。
というか、作り話はナタリーちゃんがほとんど考えた。
さすが、中身40過ぎのおっさんだね。有りそうな話をでっちあげてたよ。
「6歳?なんでそんな小さい子が一人で放っておかれるんだい?というか、日本語話せないんじゃないのかい?」
うちの母は何故か古臭いしゃべり方をするんだよ。あと方言も混じってる。
「日本語はペラペラ。6歳だけど、ギフテッドっていうんだって。飛び級で高校生なんだってさ。それで、日本の大学も見てみたいなあっていうのもあって」
「てことは、天才少女様かい。それはすごいねえ。いや、でも、いいんかい?あんたみたいなおバカと一緒で」
「うるさいよ、おバカは余計だよ」
「何日泊まるんだい?」
「んと、三日間」
「ふーん、まあそのくらいならいいよ。んで?いつからだい?」
「えっと・・・明日から」
「・・・馬鹿なのかい、あんたは?なんでそんなギリギリで言い出すんだい?前から決まっていたんだろ?」
「うん、まあ・・・忘れてた」
「はあ・・・馬鹿だねえ、ほんとにあんたは」
そうは言いながらも、お母さんは早速用意を始めていた。私の部屋に予備の布団を出す。それと掃除や片付け・・・
「いきなり明日じゃなんも出来やしないけど、ご飯と寝る場所くらいならなんとかなるだろ。昼間は、大学見に行くんだっけ?ていうか、あんたも大学行くんかい?見に行っても仕方あんめえ?そもそも将来、大学に入学できるかどうかさえ怪しいってのに」
「ちょ、お母さん、それはひどい」
「何がひどいもんかい。外国から幼いお客様が一人で来るってのに、その用意さえロクに出来やしないんだから。その天才少女様の爪でも煎じて飲ませたいわよ」
・・・とにかく、親に許可は貰った。
明日は、ナタリーちゃんを迎えに行って、お家でお泊り会。明後日はナタリーちゃんの前世の家族に会いに行くよ。




