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レナータの独り言

(梨音=レナータ視点です)

 都代ちゃんとマウリツィオの入った異世界通路。私があえて残したものだ。

 カルステンは、あの世界の調査を終えていた。

 魔物は多く、文明のレベルは低い。おそらく魔物が多いことと、社会の進歩が遅いことは関係があるのだろう。

 残念ながら、こちらの研究に役に立ちそうな魔法は無さそう、というのが結論だった。少し興味を惹かれたのは聖属性魔法が強力であることぐらい。


 なので、調査完了として、通路は放置。

 魔法力が無ければ通路は見えないし、異世界側に通路を守る地下部屋を作って魔法障壁を設置したので、向こうから来ることも出来ない。こっちから間違って行ってしまっても、魔法障壁は許可のない人間と一緒じゃないと通れないから問題なし。



 他の通路については、順次調査中。

 いくつかは調査を終えている。


 そして、私の帰るべき世界らしき場所に、今日、繋がった。

 気持ちははやるけれど、念入りに調査をするつもり。つながった場所も、本国から遠く離れた国だし、向こうへ行ったら何でも解決というわけにはいかないだろうし。

 出来れば、あの世界は、自分自身と信頼のおける仲間で行きたい。

 EPGのメンバーでは、無くて。

 

 都代ちゃんとマウリツィオは思惑通りに異世界へ行った。

 都代ちゃんの性格からして、いかないはずがないと思っていたわ。


 あの世界観、魔物の多さから、向こうへ行ったら絶対に魔物相手の実戦をすることになる。そうすれば、都代ちゃんの魔法は急速に上達するはず。

 たぶん、マウリツィオは都代ちゃんを守ろうとして、都代ちゃんの魔法エネルギーをコントロールして強力な魔法を使うはずだ。

 そのことが、都代ちゃん自身に強力な魔法を使う感覚を味わせることになるだろう。それは、かなり強引な魔法訓練だ。

 

 こっちの世界でわかりやすく言えば、

 ゲーム初心者が、レベル上げのための戦闘を、手練れの上級者に丸投げして代わりにやってもらうみたいな感じだ。しかも、上級の魔法を最初から覚えているというオマケつき。


 うん、チートだね。


 え?

 チートって言葉、覚えましたわよ。


 都代ちゃんが異世界へ最初に出掛けてから2週間。

 そろそろ、コンタクトを取らなくちゃ。完璧を求めたいけれど、そうしている時間の余裕は無いの。

 私は、レナータ・ディ・スカファーティーは、日本の世界の人達の都合なんて、本当はどうだっていいのだから。

 そういうのは、私と記憶と知識を共有している梨音がすればいいことよ。

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