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社畜が送る異世界デスマーチのすすめ  作者: Maskwell
二章 小さき心に意思を!
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二十二話 捕まえたあなたはなんですか?

投稿不定期で申し訳ないです。

俺の渾身の一撃。


「な!」


魔眼の発動によって、頼りない雛雀のような速さになっていた標的。


しかし、虫取り網がその姿を捉えようとした瞬間、再び魔力が上がり加速する。


どこにそんな魔力隠してやがった?!


無理か?


いや……


「やらせねー!」


俺は魔法阻害の効果範囲を極限まで標的に絞り込む。


まるで目の前の時間が止まったかのような感覚。


「俺のっっ!勝ちだ!!!」


!!!


魔眼が自動で解除される。


魔力を一気に半分以上使ったせいで、予め魔眼に込めていた安全装置が発動したのだ。


「あちゃーー、捕まっちゃったかー」


俺の焦りとは裏腹に気の抜けそうな明るい声が網の中からする。


ん?なんだこれ?


捕まえた魔獣は俺の予想とは大きく外れたものだった。


「妖精?」


網の中には透明な羽の生えた人型の生物がいた。


「ピクシスのマチだよー」


羽虫妖精は網の中から手を振る。


「ピクシス?魔獣じゃないのか?」


いや、魔眼アルマスを通して見たときに魔石らしき魔力は確かにあった。


「魔獣って言えば魔獣だけど、これでも一応立派なエデムだよ」


小さな妖精はぴっちりとした水色のドレスに身を包んでいる。意外と出るとこは出てる。


「あ!オーカがピクシス捕まえてる!」


声に振り向くとそこにはアルカがいた。


「あれ?アルカちゃんなんでいるの?」


いや、アルカだけではない他の悪魔たちも数名、闘技場フロアにいる。


第二班以降の受験生が追いついてきたってことか?


ジンの姿も見えない。また抜かれたか。


いや、あの熊が二匹目だった可能性もあるな。


「オーカを追いかけて来たのだ。すごいでしょ?」


いつも心配ばかりかける出来の悪い弟で申し訳ないよ。


「アルカちゃん、俺がんばるよ。アルカちゃんもがんばって!」


第二班が追いついてさすがに焦った俺は、アルカへの対応もそこそこに檻へと向かう。


「おーい!オーカ?だっけ?」


マチが網の中から俺に声をかける。


「なんだよ、何言われても逃がさないぞ」


魔力の半分もってかれて捕まえたんだ。例え美人グラマラス妖精の願いとはいえ、心は揺らがない。


たぶん揺らがない。


「いや、別に逃げはしないけどさ。実はワタシ……」


「あ!すみません。二匹目捕まえたので確認お願いします」


マチの言葉を遮って、俺はボンテージお姉さんに声をかけた。


「だいぶ苦労してたみたいね。成果の方はどうかしら?」


お姉さんは頭の羽をパタパタとさせて俺のかざした網の中を見る。


「どーもー。二匹目のピクシスで-す」


マチがお姉さんに手を振る。


お姉さんの顔が曇る。


「スフェールくん?」


あれ?このお姉さん、何で俺の名前知ってるんだろ?


「はい」


「これ、採点対象の魔獣じゃないのよ」


へ?


俺は背筋に冷たいものが走る感覚とともに、改めて網の中の羽虫を見る。


「えへへ……」


マチは頬をポリポリと掻きながら、申し訳なさそうにこちらを見てる。


おい!なんてこったい!!!


おそらくその時、お姉さんとマチからは俺が白目で半泣きになっている間抜け面がよく見えたことだろう。

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