第14話 それでも隣に
キルフスはエルニャを連れて出掛けた。
キルフス「此処覚えてるかい?前に二人で来た所」
エルニャ「ええ、覚えているわ」
キルフスは少し安心した。
キルフス「良かった」
エルニャ「綺麗な場所ね」
エルニャは嬉しそうだが表情が無かった。
キルフス「エルニャ、どうだい楽しいかい?」
エルニャは一瞬黙った。
エルニャ「…楽しいわ」
キルフス「ホントに?」
エルニャは無表情になり言った。
エルニャ「だって貴方は私に楽しんで欲しいんでしょ?」
キルフス「俺はそんな事望んでない!」
エルニャ「じゃあどうしたいの?」
その質問にキルフスは答えた。
キルフス「俺はただ、前みたいなエルニャに戻って欲しいだけだ」
エルニャ「今の私しか居ないの、昔の私はもう居ないわ」
そんなエルニャの横顔を見てキルフスは知った。
二人の失った物がどれだけ大きかったかを。
エルニャ「ねえ、貴方は昔の私を愛してるの?今の私よりも?」
キルフス「違う!」
エルニャの問いに我に帰ったキルフスは、自分の愚かさに気づいた。
キルフス「俺は、今のエルニャを愛してる!」
エルニャ「そう」
しかし、エルニャの瞳には何も映っていなかった。
キルフスの気持ちは確かに届いたはずだったがエルニャの心は動かなかった。
それでもキルフスはエルニャの隣に居ると決めた。
もう何も手放さない為に。
優しさの代償と悪魔の契約Ⅱ
〜サレオス編〜
完




