話の続きなはずなのですが…?
前半はセイ視点、後半は一話以来久し振りのコウ視点です。
あのよく判らないロリコンクソ野郎はもう遠くへ行き、それが来る前の静かな平穏を場は取り戻していた。
男二人はグーグーと、又はスースーといびきか寝息を立てて私とコウさんの膝枕で寝ている。
ブリキさんからほのかに匂い、鼻腔を爽やかに通り抜ける。匂いもちゃんとチェックしているのか、男臭いような汗の臭いは無く、代わりにミントのような鼻を通る臭いがする。
「じゃあ、話の続きを……と思ったけど」
コウさんはこっちを見て少し考えた。
「どうしました?是非そのお話聞きたいんですけど」
「いやぁね?ほんとに教えるべきかな、と思って」
どういう意味だろう。あちらから話を振ってきたのに、教えてくれないのか……。なんだかふかふかのベッドを徹夜明けの時に目の前に用意したのに寝かせてくれないような。流石にそこまでは無いかも知れないがそれに似たようなもどかしい気持ちを感じた。
「あの変態ロリコン盗賊団団員ナンバーワンが来た直後にこんな話をしても、ロマンが無いしね」
「むぅ……まあ、確かにそうですね」
「だしょ?んだから今はお・あ・ず・け!」
仕方ない。話してくれる本人が話したくないと言っているのだ。私がどうこうできる問題じゃない。もしかしたら子供のように「聞きたい聞きたい~!」とやれば教えてくれるかも知れないが、私がしたくない。
それにしたって何もない道だ。基本的には同じ様な景色が延々と続き、たまに木や岩がある程度。道もなだらかなので、滑る様の移動していく。
ああ、なんだか私も眠くなってきた。
十時頃のぽかぽかとした暖かみを車の扉越しで味わい、会話の無くなった車の中には二人の寝息しか響いていない。
そういえば、何でコウさん今はあんまり喋っていないんだろう。いつもはうるさいくらいに喋るというのに。やっぱり二人も寝てるから遠慮してるのかな。でもコウさん遠慮するような人じゃないよな。………………。
いつの間にか、お昼前の陽気に誘われ気持ちよく意識を手放していた。
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思えばこの数週間で色んな事があった。
ブリキに出会い、その直後に誘拐され。
犯される直前に意識を無くしたと思ったらいつの間にかブリキの家のベットの中。
変な武器や魔法を知って。
ブリキは俺のわがままに付き合ってくれて外に出たら、俺のこと誘拐した盗賊団がいて。
そこでもっかい意識を手放したんだっけ。
目が覚めたらなんか二人、赤いのと青いのがプラスされてて。
図書館で働いてディクさんに会って。
働いてる途中に知らない女の人が来て、また意識を無くした。
目が覚めたら俺の中から確実に何かが無くなっていた。ブリキに全てを聞いて、セイ、セキと修行を始めた。
最初はなかなか勝てなかったけど、最後の方は良い勝負だったんじゃないかなぁって思ってる。手加減してくれてるのかも知れないけど。
んで、今旅の途中にあのロリコン賊に会ったと。
濃い日々だ。東京で毎日電車に乗って通学していた頃と比べたら天と地の差だ。東京にだって面白いことはいくつもあった。でも、新しい出会いほど面白い物もないだろう。
新しく見る物も沢山あって。見える建物や人は全て知らない。これほどに俺に少し残った少年の冒険心をくすぐる物はあるだろうか。いや、ない。
ふと、隣を見るとセイも寝ていた。通りで寝息が増えたと思った。
女の子らしい、小さな寝息だ。ブリキとセキはもっとデカくて豪快。では俺は?
男の寝息だろうか、女の寝息だろうか。
そもそも、俺は男なのか、女なのか。
精神は男だ。今の俺にはまだその自覚がある。マイサムが無くなった感覚はもう慣れてしまったが、今でもたまに男子トイレに入りそうになる。入ったらまずいよね。
でも、男の精神を持った俺が女子トイレに入って良いのか?限りなくアウト。まだトイレは個室に区切られているから良いが、銭湯の脱衣所とか、プールのロッカールームとか、もろ見えである。あれとか、あれとか?
俺的には何の問題もないんだけど?流石にやっぱりトイレだけでも罪悪感があるし、周りにいる女の人たちに申し訳ない。
俺、男なのに女子トイレ入ってて良いんですかー?って。
とは言えトイレしないわけにも行かないし、この体で男子トイレ行ったら体も心も男の奴らが何するか判ったもんじゃない。東京ほどモラルの学習はされていないのだ。それでも十分有ると言えるけど。
俺は男か?女か?問題はモヤモヤと心をくすぶり続けている。
TSしている主人公ってこんな感じの自問自答、しないんですかね?もし私だったら絶対これ以上に悪い考え方になる自信があるので、オブラートに包んでコウに喋ってもらいました。
振り返り、と言うかロリ賊見て思い出してる感じ。
PV9403件、ユニーク3404人、総合評価96ポイント、感想1件。
PVは一万、総合評価は百の大台を超えそうな勢いです。ありがてぇこったい。
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