舟越さんと僕の日常
最初の告白内容が内容だったからか、舟越さんは僕に対して下ネタに関する会話を遠慮なくする時がある。僕も最初が最初だから仕方ないと何も言わずに受け入れている。そうそこは僕のせいだから仕方ない。でもたまに吃驚する事が起こる。
「あのさ、金玉って攻撃されたら本当に痛いの?」
「え?」
あまりの内容に一度思考が停止する。
「いやまあ、言うなら剥き出しの内臓だからね、だから保護する物がないから痛いよ」
「そっか、やっぱり痛いのか、昔はお兄ちゃんに電気アンマしても痛がってなかったから、そんなに痛くないもんだとばかり思ってた」
いやあれ、ある程度の年齢までなら痛いとか判らなくて、笑ってられたけどある一定の歳越えてから痛い攻撃だから、なんでってそりゃ僕も姉達に散々されたからですよ。
「で? どうして痛いって話に?」
舟越さんは少し言いにくそうに言葉を濁した後に
「昨日居間で大の字になって寝てた兄ちゃんの足に躓いて、股間にエルボー食らわしたら、凄い悲鳴上げられた」
それは痛い。話を聞いてるだけで僕のもヒュンと縮んだ。
「そうか剥き出しの内臓だから痛いのか、うん、次からは気をつけるよ!」
それは気をつけてもらわないと流石に困る。
「神崎君って巨乳のパイスラに興味ないのなら、貧乳のパイスラには興味あるの?」
先日永瀬さんなら凄いパイスラできるとか話題に出たせいか、次はないほうで攻めてきた。頭の中でクラスとか今まで見た人の中でナイ部類の人達のを頭の中で想像してみる。
「そうだね、ささやかながらも主張してる所が可愛いと思うよ」
ないけれど、少しだけでもと強調しようと頑張っている胸を想像すると、やっぱり可愛いと思ってしまう。
「神崎君は胸の好みの幅広いね」
そうかな?と思いながら、でも舟越さんのパイスラにあそこまで反応したって事は、舟越さんのサイズを考えると巨乳好きに部類されるのかな? と考えてみるけれど、ふいに胸のない船越さんのパイスラを想像してみる。
あ、どうしよう、それはそれで似合ってて可愛い。
舟越さんが職員室に日直の仕事だからと日誌を届けに行ってる間、暇だったから教室の窓に腰を下ろして外を見る。この時間はまだまだ明るいなと思いながら教室の戸が開く音がしてそちらに振り向くと戻って来た舟越さんが立っていた。
「ふひひやばい、何度見ても心のちんこが反応する」
普段パイスラとか言ってるけど、女の子がちんこ言わないで! そこは夢見させて!!
戻って来た舟越さんに鞄を渡しながら
「女の子がちんこ言うのはどうかと思うけど」
とクギを挿せば
「むう、でもなんというか、そう言うのが的確な表現だったの」
と反論されてしまい、ううむと少し考え込む、パイスラとか言ってるから其処まで規制するも悪い気がするけれど、やっぱり其処はそんな言葉を口にしないと夢見たい男心もあって、どうするべきかと悩んでたら心の天秤は男心に傾いた。
「うーん、じゃあ『僕も舟越さんのパイスラ見てると反応するのを堪えるのが大変なんだ』って言っていいのかな?」
「え?!」
僕の何気ないように口にした言葉に、舟越さんは驚きながらも顔を赤くさせていく。
「ごめんなさい、次からは言いません」
僕はその言葉を聞きながら舟越さんの頭を撫でてから、手を繋ぎ廊下を歩いていく。それでも何か考え込んでいるのか企んでいるのか、舟越さんは僕に引かれるまま歩いていて突然
「…………で? 本当に反応するの?」
と聞いてきた。それ聞いてどうするの?
「なんなら試してみる?」
意地悪で返してみたら、舟越さんは慌てて逃げようとしたので、咄嗟に掴んでいた腕を引っ張るとその反動で前に倒れそうになったので腕で受け止める。腕に伝わるふわっとした舟越さんの体の感触に、思わずこれはやばいと思ってしまい、舟越さんの体が逃げるのをそのまま見送りった。
これは家に帰ったら間違いなく、この事を思い出してしまうなと考えながら、でも今はその事を意識しないようにしながらも僕は舟越さんの手を離さずに何でもないようにそのまま歩き始めた。
「そういえば舟越さんは僕の腰のラインが好き好きいってるけど、他に興味ある人とか居るの?」
返事の内容次第では自爆してしまうのに、つい気になって聞いてしまったけれど、舟越さんはふむ、と呟いて思案しながら
「時田君とか気になるかな?」
と口にする、ちなみにその時多君は同じクラスだけれど、もしかしたら学年一太い男子生徒かもしれない。意外な人物の名前が出てきて驚いてしまう。こうもっと僕に似たタイプの人が出てくると思っていたから。
「また、なんで?」
「あそこまで太いとさ、抱きついた時ってやっぱり感触は女の子に似てるのかなー?とかあのお腹に当たってボヨーンと跳ね返った感じでもしかしたらトトロごっこ出来るかもしれないから!」
なんというか、ちょっと安心する返答で助かった。
「女の子と違う感触かって、女の子にも抱きついてるの?」
「うん、やっぱり女の子は違うよー何処に抱きついても柔らかくてフワフワしてて、気持ちいいし腰の感触がまたいいんだ!」
「うん」
なんという羨ましい、僕だって舟越さんに抱きついてみたりされたりしてみたいのに、今まで女子に抱きつかれたとか経験をした事はあるけれど、好きな子とかだと話は別で迂闊に触れると理性が我慢できるか判らなくて何も出来ずにいるのに……。
「澤田さんとか抱きついたら遠慮なく胸を揉みに来るから、其処は困るけどねー」
え?揉まれたの?!その胸を!僕もまだ触った事もないのに!!!
僕は初めて女子に嫉妬という物をした。
「ちんこと言うと神崎君に怒られるので、次からは竿というのはどうだろう」
「…………」
また突拍子もない発現に言葉が詰まる。そこはもうチンチンでも良いじゃないか。
「で女の子だと胸の揉み合いとかたまにあるけど、男同士だと竿の触りあいってあるの? どうなの?!」
なんでまたそんなのに興味津々なのこの子!
「竿って言葉もどうかと思うし、触りあいとかしないよ気持ち悪い」
「えー残念、でもほらもしかしたら違う世界に目覚めるかも!」
……ちょっと流石に頭を抱えたくなった。
「でもさもしそれ目覚めたら、舟越さん僕とお別れするわけだから、もう腰の写真取ったりとか触ったりできなくなるけどいいの?」
っは!なんて事だって顔をしながら
「目覚めたら駄目じゃん!」
って叫ぶ舟越さんを見て安定の僕の腰好きに安心してしまった。
舟越さんとお付き合い始めてからティッシュの減る量が早くなった。今まで月1~2回位だったのが週に3~4回とか回数が増えたからだ。使用後のティッシュはビニール袋に入れて捨てたりしてるけれど、母さん辺りは気がついてるかもしれない。
舟越さんのパイスラが魅力的過ぎて脳内フォルダーに保存されてる舟越さん画像が火を噴いて事故処理速度が上がる上がるはかどるはかどる。
そんな状態なのに舟越さんに抱きつかれたりとかされたら、箍が外れて手に負えない状態になりそうなのが怖くて僕は舟越さんからの接触を極力拒否している。
でも手を繋がないとかは流石に寂しいし物足りないから無理。
「神崎君は私の下の名前知ってるよね?」
「うん?知ってるよ。舟越さんも僕の名前知ってるよね?」
「うん、知ってる」
舟越さんから突然名前の事について聞かれた。舟越さんの方は理由は知らないけれど僕の方は、下の名前で呼んでしまったら、それはそれで押さえが効かなくなりそうなので苗字で呼ぶことで線引きをしている。僕なりの防衛方法みたいなものだ。
季節はあれから4ヶ月経ってしまって、薄着から厚着に変わり舟越さんのパイスラの魅力がちょっと落ちてしまったのが残念である。
「えーと、ゆ……ゆ……」
そしたら舟越さんが何か必死に言葉を続けている。でも凄く恥ずかしそうだし、好きな人に名前を呼ばれたらやっぱり箍が外れそうだなとかちょっと思ってしまって
「別に無理して呼ばなくてもいいよ?」
と本音を伝えてみるけれど、顔を赤くしながらも首を横に振って否定された。でもそんな意地を張ってる姿の舟越さんは可愛いのでつい意地悪をしてみようと冗談で
「じゃあ名前呼べたらご褒美に腰に抱きついて良いよ、なーんて…………」
と続きの言葉を口にする前に
「結人君!!!!」
舟越さんの言葉と同時に腰に抱きつかれた。
お腹の辺りに当たる凄い柔らかい感触と、名前を呼ばれた破壊力
「由梨ちゃん、覚悟は決まった?」
舟越さんの背中に手をまわしながらどこかで箍が外れる音を聞いた気がした。
結局削った小話が1つ出たので、報告にあげておきます。
神崎君の敗因は舟越さんの腰への愛を侮ったからだと思います!