12話 偽りの昆虫採集クエスト
「で?これはどういう事なんですかねダン教官?」
密猟者の捕縛と傷付いた飛竜種の治療など、事後処理の為にギルド本部から派遣されてきたダン教官を問い詰める。
「悪かったよ……一から説明するとね?今回の昆虫採集クエストは偽装依頼だ」
「近頃、この辺りでは密猟が多発している。それを食い止め、あわよくば犯人を捕らえる為にギルド本部は一計を案じた……つまり、偽の依頼(公式)で森に人を集めて抑止力にしようという物だ」
な……なるほど、ギルド本部の考える事はスケールが違いすぎてわからん……!?
いや、ちょっと待って!?つまり——、
「昼間、森に集まっていた冒険者達は全員、サクラってことか……」
——アリオンが僕の思ってた事全部言ってくれた。という訳で僕から話すべき事は特にない。
「理解が早くて助かるよ。それにしても、フリュー君は既に気付いていそうだったけどね?そもそも、黄金五本角カブトはニチャン・ネラー遺跡周辺にしか生息していないから」
——先程からフリューが赤面して黙り込んでいる。いったいどうしたんだろうか?フリューを疑ってる訳ではないけど何か事情が——、
「ええそうですよ!!どうせボクは素で一攫千金に踊らされたバカです!!笑いたければ笑え!!」
意外——、それは逆ギレ!?フリューの新たな一面を見た僕達だが、それはそれとしてここからどうフォローしようか?
「屈辱です……個人的にネラー文明についての研究をしているこのボクが、こんな初歩的な事を見逃すなんて……」
——フォローしようがないねこれは。
「積もる話はともかく、まずはこっちの問題を解決しようか。君は闇ギルドの構成員で、投降を望んでいる——、その認識で問題ないかな?」
先程まで、手枷をかけられた状態で俯いていた女性にダン教官がそう尋ねる。
「はい。闇ギルドでの通り名はシェイド……私は貴方方に投降します」
今回の事件で捕らえられた闇ギルドの構成員、シェイドさんはそういって、儚く微笑んだ。




