翼よ、空高く舞い上がれ!(後編)
神雷の原型機はスピードを出し過ぎると空中分解するとか。
ねえねえ設計者さん。これって、どういう冗談なんですかね……
とにかく機体の材料はメタライトに変更です。これは軽いだけじゃなく、無意味なまでに頑丈な素材なのです。イズワカ城の大手門に突っ込んだ松戸先生がかすり傷程度で済んだのは、こういうわけ。
あとは飛行場がなくても着陸できるように着陸装置は車輪ではなくて、橇を使う事にしました。
というより、冗談抜きで車輪を仕舞うスペースが無いのです。
でも、タイヤではなく橇を使う事には大きなメリットがあったりしてね。
部品点数が減ったから、その分だけ機体を軽く作る事が出来るし、構造が単純な分だけ、橇だって頑丈に作れるから。
ふっ… これで着陸の問題はオッケーなのです。
あとは…… 神雷を発進させる時の問題… かな。
神雷を発進させるのにはカタパルトを使うのです。
でも、カタパルトが無かったら? そこで私がひねり出したアイデアがこれ。
こいつはゼロ距離発振用の固体ロケットブースターです。
大戦中に同じような事──ロケットブースターを使ってプロペラ機のスピードを上げる方法が──考え出されていました。
だから、それを拡大解釈すれば何とかなるかも。
イズワカという土地ではこの手のものについては正月行事として手製ロケットを打ち上げる風習がありますから、技術的な下地はあるし。
特にここ2年というものは門松とか竹槍ミサイルで実績があるから、大きな問題は無いと思います。
実際に飛ばしてみると、たぶんこんな感じ。
そのために異世界の竹林を用意したのですから、使わない手はありません。
なんでこんな事を思いついたのかと言うと。
N2ロケットとかN3ロケットを見ていたら、つい魔が差して……
つか、面白ければどーでもいいんだい。けけけけけ。




