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エピローグ 『冬眠』

 氷の王者が眠り始めて約十秒もたたず、ルーファティはその場に崩れ落ちてしまった。

 極度の疲労、魔力の枯渇、精神的なものも含め、原因は多々ある。


 いま、ルーファティは、死んだように《冬眠》状態に入っている。魔力の枯渇や身体的損傷の激しさをみて、ダイサンボクは彼女を、大樹ノアにある『愛する布団』ではなく『寒そうな鳥かご式オブジェクト』に彼女を入れた。


 冬期が終わるまで、ルーファティが起きてくることはない。


 いつもなら、弄られ役がいないことを嘆くダイサンボクであったが、今度は違う。

 ルイス、という新たな弄られ役ができたのだ。

 

 アリエルも、もう冬期に寂しい想いなんてしなくて済む。

 これからどれだけ楽しいことが待ち受けているのか、わくわくしていた。


 かくして、天樹海に冬が来る。

 沈黙の帳が降りるのではなく、にぎやかな声で幕を開けるのだった。

 






みなさまの貴重なお時間を、拙作『魔女様の惰眠はフラグによって阻まれる』に割いていただき、ここで深く御礼を申し上げます。本当にありがとうございました。


魔女視点、とあらすじでも言っていた通り、私のつたない筆力で大変心苦しいのですが、魔女ルーファティの成長と葛藤を描かせていただきました。

 自分なりに懸命に考えて作った中編の完結作品でございます。少しでも、面白いと思った箇所があれば幸いです。


 長くなりましたが、最後までお読みいただきありがとうございました。


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